英ホライズン社、原子力発電所建設に必要な国道の改修計画について許可の延長を模索
23 Apr 2020
ウィルヴァ・ニューイッド原子力発電所の立地点
©ベクテル社
日立製作所が出資する英ホライズン・ニュークリア・パワー社は4月22日、ウィルヴァ・ニューイッド原子力発電所を建設・運転する際に必要となる近隣国道(A5025)の改修計画について、取得していた許可が今年7月で期限切れとなるため、これを2023年7月まで延長する方策を探る方針だと発表した。
この許可は、同発電所の建設予定地であるウェールズ地方アングルシー島の郡議会から2018年に取得していたもの。A5025国道は、アングルシー島内のグレートブリテン島に近いランヴァイルプルグウィンギルから、北海岸周りでバレーまで続く幹線道路だが、発電所建設サイトでは建設資機材や大型機器等を搬入するため、バレーから建設サイトの連結道路まで同国道を延長するほか、一部区間で舗装の改修工事や道路幅の拡張工事等が必要となっている。
ウィルヴァ・ニューイッド建設計画は現在保留中となっているが、国道改修の「計画許可」については7月に有効期限が迫っている。ホライズン社としては、仮に建設費の確保で適切な資金調達モデルが確立され、今年後半にも英国政府から「開発合意書(DCO)」が発給されるのであれば、速やかに同計画を再開させたいとしている。
同原子力発電所建設計画では、アングルシー島北部のすでに閉鎖されたウィルファ原子力発電所の隣接区域で、日立GEニュークリア・エナジー社製の英国版ABWR(出力135万kW)を2基建設する計画である。ホライズン社は2018年6月にDCO申請書を計画審査庁(PI)に提出したが、資金調達面で同社と英国政府が折り合わず、同社は2019年1月に同計画の作業を一時保留すると表明していた。
新規原子力発電所建設プロジェクトの資金調達モデルについては、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)が昨年、「規制資産ベース(RAB)モデル」の実行可能性を調査。同モデルで発電所の建設段階から出資者が一定のリターンを受け取れるなら、民間からの資金調達コストを抑えられる可能性があると結論付けていた。
(参照資料:ホライズン社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)