原子力産業新聞

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南ア、250万kWの原子力発電設備建設に関する意見募集開始

25 Nov 2020

クバーグ原子力発電所 ©Eskom Co.

南アフリカ共和国の国家エネルギー規制局(NERSA)は11月23日、原子力で将来的に250万kWの新規発電設備を建設するという計画について、ステークホルダーや一般国民の同意を得るため、コメント募集を開始した。書面によるコメントの受付は2021年2月5日までとなっている。

この計画は、2019年10月の官報で公表された改定版の「2030年までの統合資源計画(IRP 2019)」に明記されている。南ア国内では今後、2,400万kW以上の石炭火力発電所が廃止されていくことから、2030年以降はクリーン・エネルギー源である原子力の新規設備をベースロード用電源として活用し、エネルギーの需給バランス維持と供給保証体制の改善を目指す。

南ア唯一の原子力発電設備であるクバーグ発電所(97万kWのPWR×2基)では、2024年に1号機が40年の運転期間を満了するが、「IRP 2019」によれば、これら2基はその後も運転期間を延長して稼働させる。その上で、2030年以降の新規原子力設備の商業運転開始に備え、ロードマップの作成といった準備作業を直ちに開始する必要があると指摘。その折は複数の発電所を一度に建設するのではなく、モジュール方式で少しずつ無理のないペースで進めなければならないとしている。

このため、鉱物資源・エネルギー相は今年8月、「2006年電力規制法」に基づいて新規原子力発電設備の建設実施を決め、NERSAに準備作業の開始を提案した。同相は同時に、建設プログラムの作成は鉱物資源・エネルギー省、その他の国家機関が担当すること、設備の調達プロセスについても、公正かつ透明性があり競争面とコスト面の効果もある入札手続を踏むことなどを提案している。

この計画の実施についてはNERSAも同法の規定によりレビューすることになっており、コメントを収集した後は、ステークホルダーが意見表明できるよう、オンラインで公聴会を開催。最終決定となる前にこの計画が「2004年国家エネルギー規制法」その他の法規に適合しているか、NERSAとしての判断を下す。

NERSAはまた、「2006年電力規制法」に掲げられた目標についても、確実な達成を追求する方針。それらは、効率的で効果的かつ持続可能な電力供給インフラを南アで適切に開発・運営する、電力のエンドユーザーや消費者によるエネルギー源の選択を可能にするため、電源間の競争を促進する、などとなっている。

(参照資料:NERSAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月24日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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