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中国、「華龍一号」で新たに三澳1号機を本格着工

12 Jan 2021

©中国核能行業協会

中国核能行業協会(CNEA)は2020年12月31日、中国広核集団公司(CGN)が浙江省の三澳原子力発電所1号機(100万kW級PWR)を同日に本格着工したと発表した。中国の輸出用主力設計である「華龍一号」を採用した、新たな原子炉の建設となる。

浙江・三澳原子力発電所建設プロジェクトは、CGNが中心となって出資している計画で、CGNのほかに、浙能電力股分公司と温州市核能発展有限公司、蒼南県海西建設発展有限公司が出資参加。このほか吉利迈捷投資有限公司が、国内の原子力発電所建設計画としては初めて民間企業として2%出資する。

同プロジェクトでは2007年にサイト調査が開始され、国家能源局は2015年5月、最終的に合計6基の「華龍一号」を建設する同プロジェクトの敷地取得・整備作業等の実施を承認。2020年9月になると、国務院の常務会議がⅠ期工事として1、2号機の建設を承認、同年12月30日付けで国家核安全局(NNSA)がこれら2基の建設許可を発給した。

「華龍一号」はCGNと中国核工業集団公司(CNNC)双方の第3世代PWR設計「ACPR1000+」と「ACP1000」を一本化して開発され、主要技術と機器の知的財産権は中国が保有。中国国内ではこれまでに同設計の実証炉計画として、CNNCが福建省で福清5、6号機と漳州1、2号機、CGNが広西省・防城港3、4号機と広東省・太平嶺1、2号機の建設工事を進めてきた。このうち、福清5号機が2020年11月に「華龍一号」初号機として初めて、送電を開始した。また、国外ではすでに、パキスタンのカラチ原子力発電所で同設計を採用した2、3号機が建設中となっている。

2020年12月31日に三澳1号機の原子炉系統部分に最初のコンクリートを打設した際、現地ではCGNや関係省庁の代表者に加えて、浙江省や温州市、蒼南県の幹部など400名以上が着工記念式に参加した。

CGNの揚昌立会長は同発電所建設プロジェクトについて、「CGNグループ全体で30年以上にわたって培ってきた原子炉建設や「華龍一号」設計の建設経験を大いに活用する」と決意を表明した。揚会長によると、同発電所の建設は浙江省のクリーン・エネルギー生産比率を効率的に向上させるだけでなく、クリーン・エネルギー生産の実証という点で同省が中国で主導的立場を獲得することにも貢献。低炭素な近代的エネルギー供給システムが構築され、長江デルタ区域がクリーン・エネルギーの生産拠点となれば、国家レベルのエネルギー供給保証戦略の確立と温室効果ガスの排出量実質ゼロ化(気候中立)を目指す上で、非常に重要な意義を持つと強調している。

(参照資料:中国核能行業協会の発表資料(中国語)、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月4日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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