米規制委のスビニッキ委員長が20日付けで退任
22 Jan 2021
©Canadian Nuclear Safety Commission (CNSC)
米原子力規制委員会(NRC)が今月4日付けで発表していたとおり、同委のK.スビニッキ委員長が任期途中の1月20日に退任しNRCを辞した。
スビニッキ氏は2007年、当時のG.W.ブッシュ大統領の指名を受けてNRC委員に就任しており、その後のB.オバマ政権、D.トランプ政権を通じて5年任期の3期目を務めていた。2017年1月には、就任直後のトランプ大統領から委員長に任命されている。NRCにおける同氏の在籍期間は歴代委員としては最長となったが、2022年6月の任期満了を待たずに退任した理由、およびその後の計画等については明らかにしていない。
NRCでは委員5名のうち同一政党の支持派は3名までと原子力法で規定されており、スビニッキ氏はA.カプト委員、D.ライト委員とともに共和党支持派だった。J.バラン委員とC.ハンソン委員が民主党支持であるため、スビニッキ氏の退任で空席となった残り1名はJ.バイデン大統領が民主党あるいは中立派から指名すると見られている。新たにNRC委員に指名された候補者は通常、議会上院の承認を経て就任するが、大統領が在籍中の委員の中から委員長を任命した場合、議会の承認を得ることなく直ちに委員長職に就くことになる。
スビニッキ氏はミシガン大学で原子力工学の学位を取得したエンジニアで、米原子力学会(ANS)にも長期にわたって所属。議会上院では国家安全保障や科学技術、環境・エネルギー関係の幅広い政策、イニシアチブを推進するアドバイザーとして10年以上務めたほか、上院・常設委員会の1つである軍事委員会でも専門職員を務めた。また、エネルギー省(DOE)においては、ワシントンDCの「原子力・科学技術および民生用放射性廃棄物管理事務所」、アイダホ州の運営事務所などで務めた経験を持っている。
(参照資料:NRCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)