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英ホライズン社、新設計画の「開発合意書」申請を取り下げ

01 Feb 2021

©Horizon Nuclear Power

日立製作所が100%出資する英国のホライズン・ニュークリア・パワー社は1月27日、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)に宛てた同日付けの書簡を公表し、ウィルヴァ・ニューウィッド原子力発電所建設計画を進めるため、2018年6月に提出していた「開発合意書(DCO)」の申請書を取り下げる考えを明らかにした。 

DCOは、国家的重要度の高いインフラ・プロジェクトについて取得が義務付けられている主要認可である。審査の実施機関である計画審査庁(PI)は、申請されたプロジェクトが英国政府の要件を満たしているか判定した上で、担当省のBEISに意見を勧告。最終的にBEIS大臣が、DCO発給の可否を判断することになっている。

日立製作所は2019年1月、ウェールズのアングルシー島で135万kWの英国版ABWRを2基建設するというウィルヴァ・ニューウィッド計画を一旦凍結した後、2020年9月に同計画からの撤退を決めた。その直後からホライズン社はBEIS大臣宛てに複数の書簡を送っており、DCO発給の可否判断の期限を2020年12月まで延期するよう要請。その後、12月末日付けの再延期要請により、BEISは最終的な判断を今年の4月末までに発表するとしていた。

ホライズン社の書簡によると、同社はこの間に、新設計画の実施に関心を持つ複数の「第三者」と協議を継続。しかし、英国政府が同プロジェクトへの資金調達で新たな方策を見いだせないなか、日立製作所は今年の3月31日付けでホライズン社におけるデベロッパーとしての活動を終了すると決定した。また、第三者との協議も、日立製作所に代わる新たなデベロッパーへの建設サイト移転など、決定的な提案に結びつかなかったことから、「非常に残念だがDCO申請の取り下げを決めた」と説明している。

ホライズン社は同計画のほかに、イングランドのグロスターシャー州オールドベリーでも同出力のUK-ABWRを2基建設することを計画していた。同社としては、これら2つのサイトはともに新規の原子力発電所建設に非常に適しており、英国政府が掲げる「2050年までにCO2排出量の実質ゼロ化」という目標の達成にも重要な貢献をすると考えている。

今後これらのサイトは、日立製作所の子会社である日立ヨーロッパ社が管理することになるが、これは新設計画の実行を申し出るデベロッパーが現れることを期待しての措置となる。ホライズン社としても今年の3月末までは、引き続きこれを支援していく。それ以降については、日立ヨーロッパ社がこれらのサイトの取得に関心を持つ第三者との対応にあたるとしている。 

(参照資料:ホライズン社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月29日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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