□柏崎市で高レベル放射性廃棄物処分対話集会―女性職員が初めて講師役に―
当協会は、高レベル放射性廃棄物処分への理解を深めてもらうため、全国各地で「草の根」対話集会を開いています。5月13日には、エネルギー問題に取り組んでいる女性グループ『くらしをみつめる・・・柏桃の輪』の方々にお集まり頂き、高レベル放射性廃棄物処分に関する対話集会を新潟県柏崎市で開催しました。
柏桃の輪のみなさんとは、“世代をつなぐ−一緒に考えよう、地層処分”という地層処分をテーマとした冊子を一緒に作成するなどさせて頂いておりますが、今回がこれで4回目の対話集会となります。
対話集会には、柏桃の輪のメンバーの方々のほか、資源エネルギー庁原子力地域広報対策室や同庁柏崎刈羽地域担当官事務所、原子力安全・保安院柏崎事務所の方々、そして柏崎市元助役やNPO地球感の方々にもご参加頂きました。
冒頭、資源エネルギー庁原子力地域広報対策室長より、高レベル放射性廃棄物処分の取り組みの現状についてご説明頂いた後、当協会の女性職員が講師役を務め、エネルギーや環境問題から原子力の必要性に触れつつ、同処分の必要性や安全性について、一時間程度説明をしました。説明の後の質疑応答では、“プルサーマルが安全で必要なら、何ゆえ社会の理解が得られないのか”、“サイクルは何回ぐらい回せるのか”等、地層処分以外の質問も多々あり、質疑に準備した120分という時間が足りないくらい、活発な議論がありました。
懇親会では、“4回も勉強したのだから、今度は自分たちで中学生や高校生に説明してみよう”とか、“処分場調査に応募した自治体の皆さんにも、自分たちが地層処分について感じていることを伝えることができるのではないか”等、前向きなご意見を多数頂きました。また今回講師を務めた原産協会の女性職員には、“初々しくて良かった”、“分かり易い説明だった”等、温かい励ましの言葉を頂きました。
今回ご参加頂いた資源エネルギー庁の方より、“原産協会と柏桃の輪の皆さんとは、信頼関係が構築されていますね”とのご感想を頂きました。柏桃の輪の方々とは、4回の対話集会を通して、ここまで来ました。今後、この関係をさらに強化するとともに、他の地域の方々ともこのような関係が構築できるよう、努力していく所存です。
□ハノイで第3回国際原子力発電展示会、官民が代表団を派遣
5月14日から17日までの4日間、第3回「国際原子力発電展示会」がベトナムのハノイ市において開催されました。日本側からは政府代表団(団長=中野正志・経済産業副大臣)とともに、展示会に合わせて、当協会が事務局となり、民間代表団(団長=伊藤範久・電事連専務理事)を派遣し、今後の日越協力に対して官民合同で協力する姿勢を表明するため、計画投資省、科学技術省、国会科学技術環境委員会などを表敬訪問し、会談を行いました。また、日本連合(電事連、原電、原産協会、東芝、日立GE、三菱重工、JETRO)として同展示会で出展を行いました。
15日には、中野正志・経済産業副大臣とド・ヒュー・ハオ商工副大臣による原子力協力文書(MOC)の調印式が、商工省において行われました。同文書には、原子力発電開発の準備・計画・推進に関する支援、人材育成、安全法規制の整備、PA支援等の内容が盛り込まれ、ベトナムに対する日本官民共同の原子力協力の枠組みが大きく前進しました。
同展示会の4日間の総入場者数は約8,000人(主催者発表)で、多数の国会議員、関係者、一般市民等が来場し、成功裏に終了しました。
同展示会は、「ベトナムの原子力発電所初号機建設に向けて」をテーマとして、同国の科学技術省、商工省およびベトナム商工会議所が主催し、ベトナム電力公社とベトナム原子力委員会が実施機関となり開催されたもので、日、仏、韓、ロ、中、越の6カ国が参加しました。この中で日本連合は、最大の200平方mのスペースに、各種模型、展示パネル等を展示出展しました。
展示会初日の開会式(=写真上)には、ベトナム側から、キエン国会副議長、ミン国会科学技術環境委員長、フォン科技大臣、タン原子力委員長の他、サイト候補地であるニン・トァン省選出の国会議員らが出席。日本からは坂場三男駐越大使他関係者、および各国の代表が出席し、テープ・カット等が行われました。
開会式後、日本は場所を移して原子力セミナーを開催し、日本側からは経済産業省、電気事業連合会、メーカーが、ベトナム側からは原子力・再生エネルギー計画先行投資委員会が発表を行いました。参加者は予想を大幅に上回る300名以上となり、大盛況でした。
また、ベトナム側主催の国際セミナーが16日に開催され、越、IAEA、日、中、仏、韓、ロの各国が講演を行いました。
以上
□第16回環太平洋原子力会議(16PBNC)の準備状況(スポンサー募集中)
日本原子力学会と原産協会が共同して、本年10月13日(祝・月)〜18日(土)、青森市で第16回環太平洋原子力会議(16PBNC)を開く予定ですが、16PBNC(http://www.pbnc2008.org/)では、会議スポンサーを募集中です。スポンサーは、「プリンシパル スポンサー」、「メジャー スポンサー」、「サポーター」など、スポンサー登録料金とサービス内容によりいくつかの種類がありますので、各社ニーズにあわせてお選びください(http://www.pbnc2008.org/sponsor.html)。
PBNCは、2年に1回、環太平洋諸国持ち回りで開催されますが、今回は、「持続可能な原子力の将来に向けた環太平洋協力」のテーマのもと、日本の商業原子燃料サイクル基地となり、またITERブローダーアプローチの舞台となる青森で開かれます。内容は、放射線利用、原子力発電のフロントエンド〜バックエンド、人材養成まで幅広くカバーし、国内外から約700名の参加を見込んでいます。日本での開催は、第2回(1978年、東京)、第10回(1996年、神戸)に続き、3回目です。
16PBNCは、10月13日(月・祝)夕方、ホテル青森での歓迎レセプションから始まり、14日(火)〜17日(金)の4日間、同ホテルと青森市文化会館で、約400編の技術報告のほか、数10編の招待講演を予定しています。また、会期中を通じて、参加者向け施設見学ツアー、さまざまな観光ツアー、交流イベントも予定されています。18日(土)にも施設見学ツアーが予定されています。これらはいずれも、ホームページ(http://www.jaif.or.jp)上で参加登録いただけますので、こぞってお申込みください。
会議と並行して企業のブース展示も行います。これまでに約20コマのブースがほぼ埋まりましたが、まだ若干の余裕がありますので、ご関心の向きは事務局までお問合せください。
16PBNCは、名誉顧問の近藤原子力委員長の下、組織委員会(委員長:高橋・東北電力社長)、企画・予算管理委員会(同:松井・日本原子力学会副会長)、技術プログラム委員会(同:岡・日本原子力学会副会長)、運営委員会(同:梅田・東北電力執行役員)を中心に準備が進められています。
16PBNCの情報はホームページ(http://www.pbnc2008.org/)で提供していますので、ご覧ください。お問合せは、16PBNC事務局(info@pbnc2008.org、原産協会国際部 担当:木藤、電話03-6812-7109、Fax 03-6812-7110)まで。
■情報発信・出版物・会合のご案内など
□世界の原子力開発の動向についてプレス・ブリーフィング開催
原産協会が4月17日に「世界の原子力発電開発の動向2007/2008年版」を刊行したことを受け、4月28日には在京の報道関係者を招き、世界の原子力開発の現状に関する「プレス・ブリーフィング」を開催、9社が出席しました。原産協会では従来から、海外の原子力発電の状況について個別記者への情報提供を行っていますが、今後とも様々なトピックスについて、記者との懇談会やブリーフィングを行っていく予定です。
最新版の「動向」は、米国やカナダにおける「原子力ルネッサンス」の現状を詳細に述べるとともに、世界の運転中の原子力発電所(435基・3億9,224万kW)や建設・計画中(各43基、53基)のものについて、各発電所へのアンケート調査に基づくデータを詳細に記載しています。
「動向」の詳細は以下のリンクをご覧下さい。http://www.jaif.or.jp/ja/news/2008/0804doukou.html
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