□「保全プログラムを基礎とする検査制度の導入」に関する協会メッセージについて
当協会は、原子力安全・保安院の「保全プログラムを基礎とする検査制度の導入」に関する規制制度改正についての協会メッセージをパブリックコメントとして提出しました。
今回導入される検査制度は、前回(平成15年)の検査制度改正以降、原子力安全・保安院にて原子力発電所の高経年化等を踏まえて改正を検討し、H18.9に報告書を取りまとめて、このたび省令改正案が公示され意見募集があったものです。
当協会は、この検査制度改正の内容が原子力発電所の安全性向上、稼働率向上につながる保全の高度化という観点から妥当なものであり、歓迎すべきものであると考え、以下の協会メッセージを公表すると共にパブリックコメントとして意見提出をしました。
メッセージ本文は、http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/public_comment080718.html
一行は、中部電力・浜岡原子力発電所、静岡県温水利用研究センター、日本原子力発電・敦賀発電所3・4号機建設サイト、関西電力・美浜発電所PRセンター、福井原子力センター等の原子力関係施設を訪問しました。また、河瀬一治・敦賀市長を表敬訪問し、原子力と地域共生等に関し懇談するなど、原子力発電所を迎える側としての立場から原子力に対する理解促進に努めました。団員のド・フー・ギ同省人民委員会副委員長(=副知事に相当)は、住民に対するPAの重要性から、PR施設の重要性・必要性を強調しました。
□12月に台湾で日台原子力安全セミナーを開催
当協会は、本年12月第1週に台湾で、第23回日台原子力安全セミナーを開催します。今後、浅野晴彦・中部電力副社長(当協会理事)を委員長として、電力、メーカー、研究開発機関、関係団体、学識者等からなる準備委員会を設置し、セミナーの内容やプログラム作成、訪台団の編成等の準備を進めていきます。
日台原子力安全セミナーは、台湾との間で、原子力安全に係る情報・意見の交換ならびに原子力関係者の交流を図るために、1986年(昭和61年)から、毎年、関係機関の協力を得て、日本と台湾で交互に開催しているもので、今年度は、第23回になります。台湾と日本の間には正式な国交がないため、当セミナーを始めとする日台原子力協力は、非常に重要な国際チャンネルの一つとなっております。
最近の日台セミナーでは、原子力開発状況に関する基調報告、特定テーマに関する特別報告に続いて、原子力発電所の建設・運転経験、安全文化、高経年化対策、放射性廃棄物・使用済み燃料管理、原子力発電所の耐震問題など、双方に関心のあるテーマが取り上げられています。セミナーには、台湾側から、原子力委員会、台湾電力、核能研究所、中華核能学会、核能科技協進会、清華大学等から、幹部、専門家が参加しており、日台間で活発な情報・意見交換が行われています。なお、前回の第22回日台セミナーは、森本浩志・関西電力副社長を日本側準備委員長として、関西原子力懇談会との共催により、昨年11月中旬に、福井県敦賀地区で開催しました。
台湾は、今年3月に総統選が行われ、原子力推進の国民党が勝利を収めました。台湾電力が現在建設中の龍門原子力発電所は、予定通りに進めば、来年7月に運転開始の予定であります。また、長年の懸案であった低レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地も年内に発表され、住民投票に付される予定であります。この様に台湾の原子力事情が大きく変化する時期を迎え、今年の日台セミナーは、これらの情報を得られる良い機会となることと思います。
□第16回環太平洋原子力会議(16PBNC)(登録締切、近づく)
10月13日(祝・月)〜18日(土)、青森市で原産協会と日本原子力学会が共同して開催する「第16回環太平洋原子力会議(16PBNC)」の参加登録締切が迫ってきました。会議に参加される方は公式ウェブサイト( http://www.pbnc2008.org/ )より参加登録をして下さい。
本大会の日本での開催は今回で3回目となります。今大会ではメイン会場である青森市文化会館の2,000人収容の大ホールで、10月14日から4日間に亘り連日、欧米、アジア、中南米、アフリカなど各国からの50人以上の招待講演者による、それぞれの国、地域や機関・企業での先端技術の紹介や講話が予定されております。
また、技術セッションへのアブストラクトの投稿数は25か国から442件にのぼり、この内389件はアクセプトされました。これらの論文は会議に合せて論文集として発行する予定で、現在収集・編集作業が行われており、会議当日には論文集として参加の皆様に配布されます。
これらの論文の発表は青森市文化会館(7会場)とホテル青森(3会場)の合計10会場で、各々のトピック毎に行われます。暫定プログラムとして公式ウェブサイトに掲載されていますのでご参照下さい。
参加の皆様にはこの機会に青森をより良く知って頂けるように、初日の歓迎レセプションでの「ねぶた」、2日目の文化交流イベントでの「東通村の能舞」の上演、観光物産館「アスパム」への無料招待、民芸体験教室への参加など、の数々のイベントも企画されております。この機会に青森を身近に体験下さい。
主会場の青森市文化会館では、この期間中に企業ブース展示が行われ、国内外の22の機関・企業からの出展・展示を予定しています。参加者はそれぞれのブース訪問により特徴ある風習や文化に接する良い機会として下さい。
またこのブースに併せ、青森コーナーを設置し、青森県のエネルギー関連施策、各種の産業振興施策の現状、観光資源と観光施策などに興味を持って頂けるようにしました。
16PBNC公式ウェブサイトは、http://www.pbnc2008.org/
■げんさんな人達(原産協会役・職員によるショートエッセイ)
カタチから入る――困難な道
男子たるもの、なにかを始めるにあたって心がけるべきことは、「カタチから入る」ことである。中途半端に「チョコッとやってみよう」という程度のものであるならば、カタチから入る必要はない。実際にチョコッとやってみて満足し、一生を終えればよろしい。しかし一念発起してなにかをやろうと決意したからには、カタチから入らねばならない。
これは、実に険しい道と言わねばなるまい。登山を例に挙げよう。
数年前に登山にとり憑かれた私は、日本最高峰の富士山制覇を思い立ち、シューズ、ストック、ウェア、酸素ボンベ、ヘッドランプ、その他細かなギア(もちろん一流の登山家に相応しい一流ブランドを購入)や、巨大なザックを購入した。しかしザックが富士登山には不必要なまでに巨大だったため、いざ荷物を詰めてみるとどうしても上部がペチャンコになってしまう。明らかに見栄えが悪い。カタチがなっていない。そのため私は迷うことなく、水の入ったキャメルバッグに加え、予備タンクと称して2リットルのペットボトル(名水)を2本購入。無理矢理にザックへ詰め込み、どこかの写真で見たことのあるような、登山家スタイルを完成させた。
その重さは想像を絶するものだった。加えて登頂当日の富士山は、折からの台風で暴風雨が吹き荒れ、上り行程の大部分を這い進む状態。山を甘く見て、カタチを重視せず軽装で挑んだ馬鹿者が次々と帽子や傘を吹き飛ばされる中、ザックの重みと重力で地面に押し付けられた私は息も絶え絶えに頂上に辿り着いた。その瞬間に私は、故・植村直己さんと同じ精神的ステージに達したのである。
息も絶え絶えなのでザックを開く余裕もなく、予備タンクはもちろん、非常食や、その他使用法がわからない装備類も、最後まで使用する機会はなかった(でもデジカメやタバコは使用)が、「カタチよりも中味っスよ」と言い放つ能天気な輩には味わえない、究極のナルシズムを味わったのだ。
なお、そのシーズンに私は、通算2峰、日本二大名山と称される、富士山と高尾山を制している。その時に使用されたグッズ類は現在、自宅の押入れで静かに眠っている。
こうした中、私の中で新たに昨年より一世を風靡しているのは、自転車である。
やるからにはロードバイクでなければならない。ママチャリやクロスバイクで暴走するのは、地元の中学生にまかせておけばよい。もちろん大会出場も長期的視野に入れ、カタチで劣らぬよう、一流のカーボンモノコックフレームに一流のコンポーネントを組み合わせる必要がある。こうして完成したバイクは、ちょっとした車が買える金額に達するが、自転車の最高のアドバンテージは、家族にはその価値がわからないということだ。こっそりパーツをグレードアップさせても、まったく気づかれていない。
もっとも自転車の場合、愛車だけではカタチは完成しない。それを乗りこなす者にも相応の技量が要求される。現在私を悩ませているのは、サイクルウェアの問題だ。ツール・ド・フランス等で見かける選手たちのピチピチ・ウェアは、自転車文化の根付く欧州の息吹、完成された機能美を見せているが、杉並の住宅街であれを着こなすのは相当の覚悟が必要だ。生半可な着こなしでは「変態」のそしりをまぬがれまい。近所で風評が流れ、小学校に通う息子がイジメに遭う可能性もある。
この覚悟が決まらないため、私はいつまでたっても愛車に乗れずにいる。
カタチから入ることの、なんと困難なことか。(イシノリ)