□原産イノベーションセミナー「ポスト洞爺湖サミット:低炭素革命と原子力の役割」開催のご案内
山脇道夫・東京大学名誉教授をコーディネーターとし、会員組織等を対象とする原産イノベーションセミナー「ポスト洞爺湖サミット:低炭素革命と原子力の役割」を11月10日、東京都千代田区の如水会館で開催いたします。
第1回目として、山本良一 東京大学教授より、洞爺湖サミット後の最新知見を踏まえての今後の原子力産業界が進むべき道のりについてお話しいただき、講演終了後は会場参加者との意見交換を行います。参加費は当協会会員3,000円、非会員5,000円です。
詳細はホームページ( http://www.jaif.or.jp/ )をご覧下さい。
□気候変動国際シンポジウム―エネルギー効率と革新的技術で目指す低炭素社会―開催のご案内
当協会は日米民間対話日本委員会との共催により、11月17日に東京・経団連ホールで、「気候変動国際シンポジウム−エネルギー効率と革新的技術で目指す低炭素社会」を開催いたします。
気候変動問題は人類が直面している長期的で解決の難しい地球規模の課題です。従って、欧米先進国はもとより、中国やインド等の成長著しい発展途上国も共通の認識の下にこの問題に取組むことが必要です。
本シンポジウムでは、「2050年のライフスタイル」と「低炭素社会へむけての技術の活用」という二つの視点から、日、米、欧、さらに中国、インドの取り組みの状況などを具体的な事例などを交えて議論します。このシンポジウムを契機として、この問題が日常の生活に密接に関係するものとの参加者の理解が進み、さらに、具体的な行動につながることが期待されます。
詳細はホームページ( http://www.jaif.or.jp/iscc/ ) をご覧下さい。
□金沢で高レベル放射性廃棄物処分の対話集会
当協会は8月20日、金沢市で行われた北陸原子力懇談会のエネルギーセミナーにおいて、大学の先生や大学生を交え、高レベル放射性廃棄物処分の対話集会を開きました。参加者には技術系の先生方が多く、意見交換では、使用済み燃料の直接処分と再処理後処分の費用や処分場の大きさの比較、海外から返還されるガラス固化体の安全性等、専門的かつ技術的な質問が幅広く出され、時間を延長しての活発な議論となりました。
また対話集会終了後、ある大学の先生から「このような話をぜひ、うちの学生にして欲しい」との要請があり、今後実施することになりました。
これまでの対話集会は、地域のオピニオンリーダー的な方々を対象に開いてきましたが、大学の先生が興味を示されたことから、幾つかの大学の関係者の方々にご相談したところ、いずれの大学もカリキュラムのなかで実施して頂けることになりました。これからは、対話の輪を次の時代を担う学生さんにも広げていきたいと考えています。
また、9月4日にはニン・トゥアン省の幹部等170名を対象に、9月5日には一般市民480名を対象にセミナーを実施し、「ベトナムの原子力発電導入計画について」(EVN)、「日本における原子力発電」(電事連)、「日本における発電所と海域環境調和の取組み」(海生研)の発表後、ニン・トゥアン省フン商工局長が、本年8月の日本視察の紹介を交えた発表を行ない、その後活発な質疑応答が行なわれました。
□ATOMCON 2008参加原産協会代表団報告書を刊行
当協会は、今年6月下旬から7月上旬にかけ、ロシア・モスクワ市で開催された第1回国際会議・展示会「ATOMCON2008」への参加と原子力関連機器製造施設や原子力関係機関への訪問を目的とした代表団(団長:服部原産協会理事長)を派遣しましたが、このほど同代表団の報告書を刊行しました。
報告書では、「ATOMCON2008」および、高速炉用関連機器のポドルスク製造工場、ロシア型加圧水型軽水炉(VVER)やフロート型原子炉(出力七万kW)の製造工場イジョーラ工場、タービンや発電機を製造するパワー・マシンズ社、燃料製造のトヴェル社など訪問先での工場見学、企業幹部との意見交換などの内容を報告しています。一部資料は日本語に訳して掲載されています。
頒布価格は、当協会会員8,000円、非会員10,000円。購入申込書はこちら。
詳細お問い合せは、原産協会・国際部(TEL 03-6812-7109)まで。
□服部理事長がウルセル・AREVA-NP社長と懇談
来日中のウルセル・仏AREVA-NP社長一行らが9月5日、当協会に来訪し、服部理事長と懇談しました。この中でウルセル社長は、AREVAが三菱重工業と共同開発中のATMEA炉について、APWRとEPRのよい点をより選った原子力新興国、中堅の電力会社向けの110万kW出力の中型炉であり、2009-2010年には市場に出したいとの考えを示しました。
同社長はまた、「世界では2030年までに控え目に見ても6億5千万kWの設備容量が必要であり、運転停止になる炉のリプレースを考えると、2030年までに3億kWの新設が必要だが、AREVAは同市場の1/3のシェアを目標としている。このためにも、今の時期のエンジニアリング・パートナーシップは重要であり、三菱重工業との連携を深め、原子力市場のグローバル化を発展させていきたい。」と強調しました。さらに、AREVAのプレゼンスが大きいと世間で思われていることについては、投資活動が目立ち、事業活動に占める原子力の比率が他の企業より高いからとの見解を述べました。
これに対して服部理事長は、@企業間の競争は避けられないものの、相互の技術を高めて発展させていくこと、また個別企業の利益を超えて、世界の原子力の発展のために各企業が努力していくことが重要A現在は、大型炉の出力を徐々に高める開発に注力しがちであるが、途上国では、30〜60万kWの炉の需要が増大、総数500基あまりのニーズがあるとの予測もあるB6月に訪問したロシアでも多様なラインナップで中小型炉開発を進めており、世界で原子力のシェアを高めるには、日本、フランスが、途上国のためにも運転がしやすい、世界標準的な炉の中小型炉の開発をリードしていく必要がある──と応えました。
また、ウルセル社長と服部理事長は、途上国が原子力を導入するために必要な人材、法制度、インフラ整備をするのに必要な年数について議論し、性急に進めるよりも慎重な対応が望ましいこと、さらに、人材の確保と養成は両国共通の問題であり、数だけでなく質の維持・向上が重要であること、退職年、大学との連携など、各国の社会システムとの調和の中で対策を練り、実践していくべきであるとの見解で一致しました。
今年度は、9月1日から10日間、三菱重工業の相模原製作所研修センターと大洋電機群馬事業所で研修が行われました。研修に先立ち、9月1日夕方に、三菱重工業の相模原クラブで研修生の歓迎会が行われ、PIFから13名、日本から関係者約20名が参加しました。
歓迎会では、最初に海外再処理委員会の高塚次長より開会の辞があり、続いて、同協会の石塚常務理事が歓迎の挨拶を述べました。石塚常務は挨拶の中で、地球温暖化は、人類全体にとって大きな問題であるが、特にPIF諸国・地域においては、温暖化による海面上昇で、島の面積が縮小したり、消滅するという重大な危機に直面する可能性もあり、お互いに協力してこの問題を解決しようと述べました。歓迎会は、参加者全員が楽しく談笑し、PIF諸国・地域と日本の原子力関係者の間に大変親しい関係が築かれました。
■げんさんな人達(原産協会役・職員によるショートエッセイ)
皆様、こんにちは。
子供の頃はトイレを汚してよく母親に叱られたものです。男の子のいる家はどこも一緒でしょうか。
「今日、起きている病的な現象は、辿っていけば家庭のしつけ、幼児教育に行き着く」ある文部科学大臣が就任会見で述べました。私は、情報・コミュニケーション部で、「原子力産業新聞」の編集、つまり「記者」をしています。
お食事中の方には申し訳ないですが、大小便に始まり、自分の出した不要物を自分でキチンと始末することは、しつけの第一歩かと思います。翻って、原子力の世界でも同じようなことが問題になってはいないでしょうか。他の部署にいた時期を挟んで、都合約6年、色々な取材をしてきましたが、放射性廃棄物処分問題は変わらず、原子力の最大のテーマの一つのようです。記者の仕事を通じて、微力ながら何らかの解決につながれば、などと思います。
さて、取材活動の一方、私は最近、顧客管理にも係わるようになり、新規お申し込みのお客様の元へは、新聞をお届けに上がることもあります。先日、うかがった海運関係のK社さん、ご担当の方もお人柄よく、原産協会をよくご存じのよう。こんな「フェイス・トゥー・フェイス」を大事にしたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。(K.I)