|
||||
原産協会メールマガジン2月号 2010年2月25日発行 |
Index
□松江市で4月、第43回原産年次大会を開催
□六ヶ所ロータリークラブで、HLW地層処分の対話集会を開催
□放射性物質の輸送・貯蔵に係る専門委員会 第9回会合を開催
□「エネルギーに関する意識調査 2009」結果の概要
□カザフスタンの原子力関係者に、日本の原子力産業の黎明期を紹介
□当協会服部理事長がインドを訪問
□「第30回日韓原子力産業セミナー」および「第24回日台原子力安全セミナー」の開催報告書刊行(予告)
□原産協会HP(一般向け)の更新情報
□動画配信
□会員向けHPの更新情報
□英文HPの更新情報
本文
山本座長 | 第2回大会組織委員会 |
当協会では高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分について、必要性や安全性についての情報を提供し、意見交換する活動(対話集会)を実施しています。2月4日、青森県の六ヶ所ロータリークラブ(国際ロータリー第2830地区)の例会において、会員の方々への卓話としてHLWの地層処分に関する対話集会の機会を持ちました。
ロータリークラブとの対話集会は今回が初めてですが、ロータリークラブは全国的な組織なので、このような活動が広がればと考えています。
対話集会の様子 |
当協会は、放射性物質の輸送・貯蔵に関する規制の最適化等について検討し、国に提案、実現することにより、関連する事業活動の合理的な基盤の確保と円滑な促進をはかるため、「放射性物質の輸送・貯蔵に係る専門委員会」(委員長=有冨正憲・東工大教授)を平成18年に設置し、産業界としての提言活動を行っています。2月16日、第9回会合を開催し、検討課題の取組み状況の確認を行いました。
同委員会では、これまで、海外からのMOX輸送において、複数の省庁間で重複する検査を一方ですむような提案を行い、輸送規則改訂時に要望の趣旨がほぼ反映されるなどの成果をだしています。
今回の会合では、輸送容器の設計承認変更申請に関して海外の例を参考にした「変更ガイド案」として提案、活用していくことや、今後予想される輸送量の増大に対応して、手続きや検査などの実務の合理化について、課題の整理と合理化案を検討し、規制当局へ提案していくことなどが話し合われました。
同委員会では、引き続き輸送・貯蔵分野における合理的な規制の実現のために各種課題の検討、提案を行っていきます。
当協会は、インターネットによる「エネルギーに関する意識調査2009」を、2008年に引き続き実施しました。調査期間は、2009年11月27日から12月1日。主な結果を下記に紹介します。
【関心ある社会問題と原子力】
・ 関心ある社会問題としては、「年金・社会福祉」「新型インフルエンザ」「地球温暖化問題」など、身近に感じられる社会問題に関心が高く、「エネルギーの安定供給」「原子力発電」は、「同調査2008年」同様10位程度であった。
まとめ: エネルギーや原子力に大きな問題が生じなければ、この程度で推移すると想定できる。 |
【環境問題と電力供給源】
・ 電源方式として「環境に影響を与えない」こと、「二酸化炭素など温暖化ガスを出さない」ことに重要性を求めており、その結果、「太陽光」「風力」に大きな期待をしている。
・ 「原子力」も期待はあるものの、自然エネルギーと比較すると期待は低い。
まとめ: 地球温暖化対策に「原子力」が大きな役割、中心的な役割を果たすことについて、認知を高めることが必要。 |
【原子力の情報源とマスコミ報道】
・ 原子力に関する情報は「テレビ」「新聞」等マスコミから多く受けている。
・ 立地地域については、マスコミの他に、企業や自治体広報からも多くの情報を受けていることがわかる。
・ しかしながら、トラブル時の報道に関しては、「マスコミの報道は正確だ」に関して「(あまり)そう思わない」が「(やや)そう思う」を大きく上回る。
・ また、「マスコミの報道は、不安をあおっている」に関しても、「(やや)そう思う」が「(あまり)そう思わない」を大きく上回っている。
まとめ:原子力の情報は、テレビ、新聞等が中心であるが、その情報の正確性には疑問を持っている。 |
【国や政府についての意見】
・ 原子力発電に関して、「政府は国民の立場を尊重している」に関しては、「(あまり)そう思わない」が「(やや)そう思う」を大きく上回っている。
・ また、「政府は国民に対して誠実である」に関しては、「(あまり)そう思わない」が「(やや)そう思う」を大きく上回っている。
・ さらに「政府が公開する情報は信用できる」については、「(あまり)そう思わない」が「(やや)そう思う」を大きく上回っている。
まとめ:国民への信頼構築は、喫緊の課題といえる。 |
【高レベル放射性廃棄物について】
・ 「高レベル放射性廃棄物処分場の必要性」について、「(どちらかといえば)そう思う」が「(どちらかといえば)そう思わない)を大きく上回っている。
・ しかしながら、「居住地域への高レベル放射性廃棄物処分場建設計画」については、「(どちらかといえば)反対」が「(どちらかといえば)賛成」を大きく上回っている。
・ また、「高レベル放射性廃棄物処分場が安全と思うか」に関しては、「(どちらかといえば)そう思わない」が「(どちらかといえば)そう思う」を大きく上回っている。
まとめ:高レベル放射性廃棄物処分場の必要性は認めているものの、いわゆるNIMBY(Not In My Back Yard)の観点から、居住地域への建設には多くの人が反対を表明している。これは安全性への疑問がベースとも考えられ、特に安全性への理解が必要である。 |
全ての一次集計結果は、こちらをご覧下さい。
http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/ishiki-chosa_report09.pdf
(ご参考:同調査2008の集計結果 http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/ishiki-chosa_data.pdf )
□カザフスタンの原子力関係者に、日本の原子力産業の黎明期を紹介
(社)ロシアNIS貿易会(略称:ROTOBO)の招きにより、カザフスタンから原子力関係代表団が来日し、2月2日に当協会を訪問しました。当協会では、日本の原子力産業の黎明期に産官学が果たした役割などを紹介しました。
同代表団は、エネルギー・鉱物資源省のタケレコフ原子力エネルギー・原子力産業局原子力産業部長を団長に、同省、安全保障会議書記局、司法省、環境保護省、産業貿易省、経済予算計画省の9名で構成。1月30日から2月5日までの7日間にわたり、経済産業省や原子力関係機関を訪問し、日本の原子力発電開発等に関する説明を受けたほか、施設を視察しました。
今回の原産協会での説明に対し、カザフスタン側から、日本の地域電力会社の役割と担当区域、原子力発電プラント施設計画での国の役割、初期の海外原子力留学制度、日本の原子力損害賠償制度、高レベル廃棄物の最終処分の技術と資金、電源別発電コストの比較、MOX燃料の加工者、再生エネルギーの役割、廃炉費用や高レベル廃棄物最終処分費の電気料金への計上の仕方などについて質問がありました。
左:エネルギー・鉱物資源省のタケレコフ原子力産業部長、右:バヤディロフ安全保障会議書記局部長 |
2月4日、ROTOBO主催により実施された「カザフスタン原子力情報交流セミナー」では、タケレコフ団長が、カザフスタンの原子力部門に関して発表したほか、国家規制や、別産業政策―機械製造業の政策、環境影響評価の実施について、関連行政庁の担当者から説明がありました。
また、その後の懇親会で代表団からは、「世界の原子力市場に参入するためには、世界の主導的企業との連携が重要である」との指摘がありました。また、高速増殖炉開発の進展状況や今後の実用化目標、PWRとBWRの安全性等の比較、核燃料の製造技術や核燃料サイクルについての日本の国際協力の進展状況等への関心の高さがうかがえました。さらに、人材育成の面でも、日本との協力枠組みにある原子力発電プラント運転員養成に対する高い評価が示されました。
原産協会の服部理事長は、1月30日~2月7日の日程でインドを訪問し、ニューデリーで開催されたWANO(世界原子力事業者協会)隔年総会に参加するとともに、バネルジー原子力委員長との懇談、バーラト重電公社(BHEL)およびワルチャンドナガール・インダストリーズ社(WIL)の視察を行いました。
バネルジー原子力委員長と懇談 | ワルチャンドナガール・インダストリーズ社(WIL)の 工場を視察 |
詳細はこちらをご覧ください。http://www.jaif.or.jp/ja/news/2010/hattori_india_visit2010.html
□「第30回日韓原子力産業セミナー」および「第24回日台原子力安全セミナー」の開催報告書刊行(予告)
当協会では、平成21年10月に「第20回日韓原子力産業セミナー」を、また11月には、「第24回日台原子力安全セミナー」を開催しました。両セミナーの開催報告書は3月上旬に刊行予定です。刊行後、あらためてホームページ等でご案内いたします。
□原産協会HP(一般向け)の更新情報 ( http://www.jaif.or.jp/ )
*国内、海外ニュースは毎週および随時更新しております。
〈原産協会からのお知らせ〉
・当協会ビル名変更のご案内 (2/22)
・創立記念日休日のご案内 (2/19)
・当協会会員専用ホームページの復旧について (2/17)
・当協会会員専用ホームページの不具合について (2/15)
・放射性廃棄物の地層処分に関するシンポジウム開催のご案内 (2/15)
・【アジア原子力情報】サイトに「インドの原子力開発の現状」を追加、更新 (2/1)しました。
・『ロシアにおける工業所有権の保護(Protection of Industrial Property)に関するセミナー』開催のご案内((YouTube
ビデオ・メッセージ付き) (1/29)
〈解説・コメント・コラム〉
・『原産協会服部理事長がインドを訪問』(2/25)
・『米国:新規原子力発電所プロジェクトに初の融資保証』(2/25)
・『エネルギーに関する意識調査 2009年』 (2/9)
・『2030年に原発3大先進国へ跳躍』(韓国知識経済部 報道資料)の翻訳 (1/28)
・今井敬会長のインタビュー記事「電力業界は高稼働、再処理に総力を結集せよ」(「時評」2月号)(1/27)
・服部理事長のインタビュー記事「原子力協力は日本の責務である」(「時評」2月号)(1/26)
□動画配信 ( http://www.jaif.or.jp/ja/jaiftv/ )
・『第27回がん治療に新境地-重粒子線がん治療の最新動向
放射線医学総合研究所・群馬大学の取組みから』 (2/15配信)
□会員向けHPの更新情報( https://www.jaif.or.jp/member/ )
当協会の会員専用ホームページは現在、海外からの大量の不正アクセスにより、ログイン、閲覧できない状態になっております。会員の皆様には大変、ご不 便、ご迷惑をお掛けいたしますが、復旧までしばらくお待ち下さい。復旧の準備が整い次第、ご案内いたします。□英文HPの更新情報( http://www.jaif.or.jp/english/ )
・Atoms in Japan (AIJ) : 週刊英文ニュース(17本 2/1-2/25)
[服部理事長]
・2/18(木) AREVA主催 「The International Nuclear Recycling Day」での講演(於:フランス パリ)
・2/22(月) International Advisory Board Meeting出席(於:UAE アブダビ)
・2/25(木) 第9回原子力人材育成協議会出席(於:航空会館)
[石塚常務理事]
・2/11(木)~2/12(金) ベトナム 関係者への表敬訪問 ハイ副首相、フォン科技大臣、ホァン商工大臣 他(於:ベトナム ハノイ)
・2/22(月) 原産年次大会第2回組織委員会、記者懇談会出席(於:松江)
[八束常務理事]
・2/25(木) 第9回原子力人材育成協議会出席(於:航空会館)
・北電技術コンサルタント㈱
・㈱永木精機
国内船舶輸送における領海外の原子力損害賠償
今回は、国内船舶輸送における領海外の扱いについてQ&A方式でお話します。
Q1.(領海外での原子力事故) 国内船舶が核燃料の国内輸送中に、日本の領海の外で原子力事故を起こしてしまった場合、原賠法は適用されますか? |
A1.
・ 我が国の法律が適用される範囲は、基本的には主権が及ぶ領域です。
・ 公海上では原賠法が適用されず、原子力事業者である荷主に賠償責任が集中することにはなりません。
・ 但し、日本国籍の船舶内には、日本法が及んでいます。そのため原賠法が適用されます。
【A1.の解説】
公海上の原子力事故によって、どこかの国や、周辺の船あるいは乗組員等に原子力損害が生じた場合には、損害を被った国、被害者の国、被告の国(事故を起こした船舶、荷主、輸送会社などの国)のいずれかの国の裁判所に損害賠償が提訴され、その国の法律に基づいて裁判が行われるのが原則です。
裁判の際、日本の裁判所であれば日本の原賠法に基づいて、原子力事業者(荷主)に責任が集中することになり、海外の裁判所であれば被害者の発生した当該国の損害賠償に関する法規に基づいて、事故の原因に応じて責任が認められる全ての関係者に損害賠償請求が及ぶこととなります。
なお、日本国籍船内は原則として日本法の及ぶ範囲なので、日本船籍の船舶自体や、その積荷、乗組員等に原子力損害が生じた場合には、我が国の原賠法が適用されることとなります。
-----------------------------------------------------------------
Q2.(国際海峡を航行する際の賠償措置) 日本の原賠制度において、領海内の航行と国際海峡(例えば津軽海峡)の航行との間に賠償措置の違いはありますか? |
A2.
・ 原子力事業者がその事業に付随してする運搬を行う場合、原賠法に定められた損害賠償措置を行わなければなりません。
・ 航行する場所によって損害賠償措置の違いは発生しません。
【A2.の解説】
我が国の原子炉等規正法により許可を受けている原子力事業者が、その事業に付随してする運搬(核燃料、使用済み燃料等の輸送)を行う場合、原賠法に定められた損害賠償措置(現行では40億円と240億円の2措置額に区分される)を行わなければなりません。これは航行する場所(領海、国際海峡、公海)によって違いは発生しません。
なお、我が国の「領海及び接続水域に関する法律(領海法)」では領海の範囲を原則として基線(低潮線、直線基線及び湾口若しくは湾内又は河口に引かれる直線)からその外側12海里の線までの海域と定めていますが(第1条1項)、附則第2項により、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道、大隅海峡の5ヶ所の特定海域は、基線からその外側3海里の線までの海域を領海としており、3海里を超える海域は公海とされています。
シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」のコンテンツは、あなたの声を生かして作ってまいります。原子力損害の賠償についてあなたの疑問や関心をEメールで genbai@jaif.or.jp へお寄せ下さい。
―言葉シリーズ―
【極端な言い方】
欧米との比較で日本の素晴らしさを指摘し、日本こそ一番の先進国だと主張しているエコノミストの日下公人氏は私もファンの一人だ。
日下氏はあるコラムで「金が大好きなアメリカ人に対して、日本人は金でない価値を知っている」と断定している。この日下氏のコラムに対する読者のコメントを読むと日下氏の説を全面的に否定している人もいるが、それもちょっと極端すぎる。
金ではない価値を日本人が持っていることは確かだが、それは現在そんなに多くはないだろう。アメリカにも金で買えない価値を認めている人も少数だがいる。
我々は議論をすると、つい興奮してそういう言い方をしてしまうが気をつけなくてはいけない。妻にも私に「あなたはちっとも家事を手伝わない」と文句をつけないで欲しい。「あなたでも少しは役に立つわ」と言ってくれれば手伝う気にもなる。
【四文字熟語好き】
尊皇攘夷、大政奉還、脱亜入欧、一億玉砕、高度成長、円高不況、株価低迷、財政再建、政権交代…
日本人はいつでも四文字熟語にコロリとまいってしまう。四文字だと安定性が良い。これが三文字ではだめだ。どんなことでも本来、いろいろ理屈や欠点や問題
もあるはずだが、この四文字熟語にしてしまうと、そういうものが全部忘れ去られるから不思議だ。これですっきり、これできまりと言う感じがしてしまう。
南無阿弥陀仏(これは六文字だが、読み方は四文字リズムで読んでいる)と同じで、これさえ唱えていれば、極楽行きが保証されるというもの。山伏の六根清浄も
四文字熟語。日本人は四文字熟語によって、考えるわずらわしさから解放されようとするので、為政者にうまくコントロールされてしまう。
【ご褒美だって?】
最近よく聞く嫌いな言葉がある。それは高価なブランド品などを買った若い女性や主婦が街頭でインタビューを受けて「自分へのご褒美に買いました」 という言葉である。
どんなことをしたのか知らないが、ご褒美というのは本来他人が認めてくれる証である。また自分のことなのに「ご」と敬語をつけるのもおかしい。だれも誉めてくれないから自分で誉めるとはいかにもずうずうしい。自己満足の最たるものである。
自分なりにきつかった、よく突破出来たというのだろうが、本当の試練にあった人はそんなことは言わない。
(T.K.)
◎「原産協会メールマガジン」2010年2月号(2010.2.25発行) 発行:(社)日本原子力産業協会 情報・コミュニケーション部(担当:喜多、八十島) 東京都港区新橋 2-1-3 新橋富士ビル5階 TEL: 03-6812-7103 FAX: 03-6812-7110 e-mail:information@jaif.or.jp |
新規配信、配信の解除、メールアドレスの変更は下記まで。 ◇新規登録ページ: https://reg18.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=pin-ldtik-cc6555e741f6caf8356cc448231abaa8 ◇情報変更・配信停止手続きページ: https://reg18.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=pin-ldtil-d4238de450b9c1691b91f74247a50003 |
Copyright © 2010 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved |