lights on with nuclear

 [JAIF]原産協会メールマガジン

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原産協会メールマガジン6月号
2009年6月25日発行

Index

■原子力政策推進活動

 □第59回原産協会通常総会を開催
 □敦賀の女性グループと3回目の対話集会を開催
 □全国原子力発電所所在市町村協議会総会で今井会長が挨拶
 □「量子放射線利用普及連絡協議会」第9回会合を開催
 □当協会が北朝鮮の核実験に抗議声明を発表

■国際協力活動

 □服部理事長、ベールィ駐日ロシア大使と懇談
 □ロシア国際フォーラム「ATOMEXPO-2009」参加訪ロ団を派遣
 □WNAシルバン氏来所、アジア・イニシアティブについて懇談
 □台湾のテレビ番組の六ヶ所村取材に協力

■情報発信・出版物・会合のご案内

 □「原産イノベーション・セミナー」を開催-参加者募集
 □「原子力産業セミナー2011」を12月に東京と大阪で開催、参加企業を募集
 □【米国原子力政策動向】「チュー・米国エネルギー長官の議会証言」を会員用ホームページに掲載しました。

■ホームページ・動画の最新情報

 □原産協会HP(一般向け)の更新情報
 □動画配信
 □会員向けHPの更新情報
 □英文HPの更新情報
 

■原産協会役員の最近の主な活動など
■原産協会入会のお知らせ
■シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」【4】
■その他お知らせ
■げんさんな人達(原産協会役・職員によるショートエッセイ)

本文

■原子力政策推進活動

□第59回原産協会通常総会を開催

 日本原子力産業協会は、6月17日、日本工業倶楽部で第59回通常総会を開催しました。平成20年度事業報告・収支決算案、平成21年度事業計画・収支予算案の承認に加え、各社の役員異動に伴い、新たに理事4名が選任されました。

 新任の理事には、五十嵐安治・東芝執行役常務電力システム社社長、澤明・三菱重工業取締役執行役員原子力事業本部長、中村満義・日本土木工業協会会長が選任されました。なお、現理事の井上裕氏は、三菱原子燃料代表取締役社長として引き続き理事として選任されました。

 総会の冒頭、今井敬会長(=写真)は、麻生首相が6月10日に、わが国の2020年の温室効果ガス排出量を2005年に比べ15%削減する、との中期目標を発表したことについて、「この数値は、わが国産業界にとってたいへん厳しいものである」とした上で、「この目標を達成するためには、新規原子力発電所の9基建設と、現在の53基の稼働率を60%から80%に引き上げることが、前提となっている。これが達成されなかった場合には、この負担をどこがするかが、これからの問題である」と強調しました。

 また、「原子力発電が地球温暖化防止とエネルギー安定供給のために非常に有効であるという認識が、世界的にますます定着しつつある」と述べるとともに、「我が国は、原子力開発計画を継続的に進め、高い技術力を蓄積してきた。この高い技術力を持って、官民協力のもとに世界に貢献すべき」と指摘しました。

 当協会が今年3月、原子力発電の新規導入国からの協力要請に応えるため、関係機関の支援により設立した、一般財団法人「原子力国際協力センター」について、「わが国の国際協力を、効果的かつ効率的に行うための中核組織として、関係機関と連携し、相手国のニーズを踏まえた、幅広い協力を柔軟に行っていく」と強調しました。
 
 わが国が率先して低炭素社会を構築していくため、既設の原子力発電所を最大限の活用や、安全・安定運転の継続や長期サイクル運転などを通じ、発電電力量に占める原子力発電の比率を、一層向上させること、新規の原子力発電所の建設やリプレースの準備にも、積極的に取り組むことの必要性を指摘しました。

 さらに、柏崎刈羽原子力発電所7号機が、地元の了解を得て試験運転を開始し、間もなく営業運転を再開する運びとなったことを受け、「残りの6基につきましても、必要な設備の点検、調査や耐震安全性向上のための対応策を講じ、地元の皆様のご理解を得て、早期に運転が再開されることが望まれる」と述べました。

第59回原産協会通常総会会場風景


 総会にはまた、来賓として、山内俊夫・文部科学副大臣、吉川貴盛・経済産業副大臣が臨席されました。
 山内副大臣は、「わが国が積極的に原子力利用を進めていくためには、基幹電源として骨太にこれを推進するとともに、一方で、核燃料サイクルの確立に向けた取組や高レベル放射性廃棄物の処分、さらには、これを支える優秀な人材の育成といった重要課題についても、産学官が一体となって取り組んでいく必要がある。」と指摘しました。
 また、吉川副大臣は、「世界的なエネルギー安全保障や地球温暖化問題への関心の高まりから、まさに「原子力ルネサンス」ともいうべき原子力発電の導入および推進に向けた大きな流れが、加速しており、『原子力冬の時代』にも原子力発電所の建設を着実に進めてきたわが国の優れた原子力人材や産業が、エネルギー需給のひっ迫や地球温暖化などのグローバルな課題の解決に貢献していく絶好の機会である。」と強調しました。


□敦賀の女性グループと3回目の対話集会を開催

 当協会では高レベル放射性廃棄物処分について、必要性や安全性についての情報を提供し、意見交換する活動(対話集会)を実施しています。6月12日は、福井県原子力平和利用協議会(原平協)の女性グループの方々と、3回目の対話集会を持ちました(=写真)。

 今回の対話集会では、高レベル放射性廃棄物処分の先進国であるスウェーデン、フィンランドの両国において、市民の方々がこの問題をどのように捉えているのかをビデオ『北の大地の対話活動 ~北欧インタビュー集~』下に3枚の静止映像で紹介しました。また、資源エネルギー庁・地域広報対策室の室長さんからは、国の取り組みについてのご説明をいただきました。

 意見交換では、国がもっと前面に出た取り組みの必要性について、多くのご意見を頂きました。


ビデオ映像提供:原子力発電環境整備機構(NUMO)

 

□全国原子力発電所所在市町村協議会総会で今井会長が挨拶

 当協会の今井会長は、5月26日、東京で開催された平成21年度全国原子力発電所所在市町村協議会に初めて出席し、立地地域が国の原子力政策に協力いただいていることに対し、お礼を申し上げるとともに、今年4月、横浜で開催した第42回原産年次大会での、「的確な情報提供と高い透明性の確保を望む」とする河瀬・全原協会長の講演に対し、「原子力産業界としてしっかりと受け止めなければならない」と挨拶しました。
 
 今井会長の挨拶の概要は以下の通りです。
―――
 世界は100年に一度という未曽有の不況に襲われています。財務省が先月発表いたしました2008年度のわが国の貿易統計では、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7,000億円を超える赤字となりました。輸入額のトップは依然として、全体の約2割を占める原油であります。

 わが国は、エネルギー安全保障および地球温暖化防止の観点から、エネルギーを化石燃料輸入に大きく依存する体質から脱却しなければなりません。今、低炭素社会にむけての取り組みが求められており、その実現のためには、皆様の地域に支えられている原子力発電が、大きく貢献することは間違いのないところであります。
 
 こうした中、5月8日、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所7号機の運転再開について地元の同意が得られ、19日より発電を開始しました。夏の電力需要ピークを前に心強いことではあります。もちろん運転にあたっては、今後とも安全第一であることは言うまでもありません。
 
 原産協会では、立地地域の安心につながる原子力発電の安全確保の徹底を最重要視し、3年前に「原子力産業安全憲章」を制定しました。私自身も各地の原子力発電所の現場を訪れ、憲章の精神のもと、安全意識の向上を訴えてまいりました。今後も、この憲章の精神の一層の浸透をはかることが、重要な使命と認識している次第であります。
 
 原産協会は今後とも、地域の安心と安全を大前提に、引き続き、エネルギーの安定供給や地球温暖化防止のため、原子力を推進するさまざまな活動を展開してまいります。そのためには、原子力政策の原点とも言えます地域の方々と、信頼される原子力発電の環境作りに最大の努力を行っていく所存であります。
 ―――

□「量子放射線利用普及連絡協議会」第9回会合を開催

 当協会は6月8日、都内で「量子放射線利用普及連絡協議会」第9回会合を開催し、「悪魔の放射線Ⅰ~逆手にとって生き生き生活術~」の著者である医学博士の田邉裕氏を講師として招き、原子力・放射線の正しい理解の普及のための啓蒙活動の心得や戦略について講演をいただきました。田邉氏は、ご自身の原子力反対派とのやりとりの経験やこれまでの原子力広報への反省点から、独自に原子力や放射線に対する理解促進のための戦略を立て、一般市民へのユニークな放射線啓蒙活動をされています。


「一般市民への放射線啓蒙活動の経験を踏まえて」  
  医学博士 田邉 裕 氏(日本原燃(株)放射線管理部部長)

 これまでの原子力広報は、「原子力発電」の話に偏りすぎていた。原子力のエネルギー利用よりも、放射線利用の方が、多岐にわたって身近に存在するが、一般の人には、あまり知られていない。

 また、今まで原子力産業界は、発電所や再処理工場の安全性についてのみ熱心に説明していたが、事業者が自身の発電所や再処理工場について「安全」と言えば言うほど、住民からは怪しまれる。もっと、違う切り口から入っていかないと、一般の人には受け入れられないと考え、独自に戦略を立て、様々な視点からのアプローチにより、「放射線」に対する嫌悪感をなくし、「原子力」や「放射線」がこんなにも身近に役に立っている天使のような存在と理解してもらえるような啓蒙活動をしている。一般の方に話す際に重要な点は、主に以下の3点。①切り口は、聴衆の興味深い話や地域に密着した話題を取り上げる。②どんな物にも「適量」があり、「適量」がどの程度であるかを理解してもらう。③放射線測定器で実際に「測る」ことが理解への最も近道である。

 講演の最後に田邉氏は、「今後は、このような活動を原子力関係施設の立地地域のみではなく全国版で広げていくことが重要であり、呼んでいただければ、どこにでも行き講演したい。」と述べました。


□当協会が北朝鮮の核実験に抗議声明を発表

 当協会は、5月25日に行われたとされる北朝鮮の地下核実験に対し、核不拡散体制に対する重大な挑戦であり、2006年10月の同国による第1回核実験に対する国連安保理決議第1718号に違反して、強く非難されるべきもので強く抗議するとの声明を発表しました。

 抗議声明の全文は、当協会ホームページ ( http://www.jaif.or.jp/ ) をご覧下さい。


 

■国際協力活動

□服部理事長、ベールィ駐日ロシア大使と懇談

 当協会の服部理事長は5月14日、ベールィ駐日ロシア大使を表敬訪問、懇談しました。

懇談後の記念撮影

 ベールィ大使は、5月12日に締結された日ロ原子力協定に関して、締結にいたるまでの交渉は簡単なものではなかったが、今後の協力の基盤となるものであり、合意事項を着実に実行することにより、その協力が進展していくこと、ロシアには大規模な原子力発電計画があり、二国間の協力がそれに寄与することなどの期待を述べました。また、二国間のみならず、カザフスタンのような第三国を交えた協力の拡大にも触れ、政府としても産業界を全面的に支援してい く用意があると述べました。

 服部理事長は、これまでの当協会のロシアの原子力関係者との交流実績を紹介し、今後、協定締結をきっかけに双方で具体的な商業提案が活発化するであろうと述べました。これに対しベールィ大使は、技術的に交流の障害になる問題があったとしても乗り越えることのできないものではなく、協定批准までに、相互利益に適う協力をじっくり考えていきたいと述べました。

 服部理事長はベールィ大使に、5月26日から28日にモスクワで開催されるロスアトム主催の国際フォーラム「ATOMEXPO-2009」に、当協会代表団の団長として参加し、日本が長年の技術を重ねて完成した非常に高いレベルの原子力技術を紹介する予定であること、今年秋にも東シベリア地方の国際ウラン濃縮センター等、ロシアのフロント・エンド関連施設の訪問・調査を予定していることなどを紹介しました。
 ベールィ大使は当協会のATOMEXPO2009参加を歓迎するとともに、ロシアの関係施設訪問にも協力していきたいとし、自身も日本の原子力関連施設訪問の希望を表明、服部理事長は、当協会もそれを歓迎し、協力を惜しまないと述べました。


□ロシア国際フォーラム「ATOMEXPO-2009」参加訪ロ団を派遣

 当協会は、昨年に引き続き、協力関係を有するロシア国営企業「ロスアトム」より招待を受け、モスクワ市で5月26日~28日に開催された、国際 フォーラム「ATOMEXPO-2009」(主催:ロスアトム、運営組織:アトムエクスポ社)へ、当協会の服部理事長を団長とし、メーカー、商社からなる 参加団を派遣しました。なお、服部理事長は、会議初日の全体会議で、「原子力ルネッサンスの実現 - 産業界の役割」と題する講演をしました。

詳細は、http://www.jaif.or.jp/ja/kokusai/atomexpo-2009_report.html



□WNAシルバン氏来所、アジア・イニシアティブについて懇談

世界原子力協会(WNA)のサンピエール・シルバン環境放射線防護部長が5月27日、当協会に来訪し、石塚常務理事と懇談しました。シルバン部長は、WNAアジア・イニシアティブ部長も兼ねており、同イニシアティブについての説明と意見交換を主たる目的として来訪しました。

 現在、世界的に原子力ルネッサンスの波が押し寄せていますが、特にアジア地域において原子力の発展・拡大が著しい状況にあります。このため、WNAは、アジア地域のWNA会員のレベルアップとWNA活動に参画してもらう取組みをWNAアジア・イニシアティブとして開始しました。今年4月のWNA理事会でも、同イニシアティブが承認され、現在、アジアの会員企業を訪問し、会員の関心やニーズ調査を行っています。
 
具体的な活動としては、主にアジア地域の会員企業の管理者層を対象に、「WNA2009年版核燃料市場レポート」や「世界の現在の原子力産業」等のトピックスを中心に、WNAの活動を説明する会合を開催することによって、WNA各種ワーキンググループ(WG)活動への参画を働きかけていくことにしています。同イニシアティブを展開していく上で調整センターとしての役割を果たすWNAアジア・オフィス(仮称)が必要になれば、同センターの創設を検討するようです。
 
当協会は、WNAの前身であるウラン協会の時代から、WNAとは交流を続けています。また、WNA等が中心になって実施している世界原子力大学(WNU)夏季研修に、当協会が学生派遣の協力していることに対して、シルバン部長から謝意が述べられました。

 WNAは、30カ国以上から180以上の原子力事業者が加盟している国際的な原子力産業団体です。世界全体のウラン生産、原子力発電の90%以上をカバーしています。WNAは、現在、ウエブサイト、ニュースサービス、刊行物、WG、会議等を通じて、世界の原子力産業界のボイスとして、またフォーラムとして機能しています。会員がWNA活動に参加することによって、産業関連情報の共有、ベストプラクティスの強化、基準、規制、政策の発展・形成に寄与しています。

 今回のアジア・イニシアティブは、アジア地域の活動強化といえます。日本は、電力、メーカー、商社、燃料メーカー、研究機関など30社弱がWNAの会員ですが、中国、インド、韓国、台湾、カザフスタン等のアジア諸国については、それぞれ1~3社が会員という状況で、会員層が薄いといえます。



□台湾のテレビ番組の六ヶ所村取材に協力

 5月31日から6月4日にかけて台湾のJET-TV取材チームが青森県を訪問し、6月2日には六ヶ所村を中心とした取材を行いました。当協会は、取材チームの日本原燃ならびに原燃PR館への取材や段取りなどに協力しました。取材した結果は6月19日、26日の夜9時から台湾のケーブルTVで放映される予定です。

 取材の目的は青森県の食料自給率に注目し、青森県の豊富な食料資源を取材すると共に、原子力施設との共生についてもスポットを当てたいとの意向です。
 取材チームは、JET-TVの王プロデューサ、通訳を含む6名に、(財)核能資訊中心から鍾組長の合計7名に、青森県観光連盟の随行員2名が加わり総計9名でした。この一行は5月31日に仙台空港からバスで十和田荘に入り、青森県の主要地で食の取材を行い、6月4日には小牧温泉から八戸朝市の取材をして仙台空港から帰途に着くという行程でした。

 東北各県は食料自給率で100%を超えている県が多く、青森県でもカロリーベースの総合自給率は115%です。特に、米・野菜・果実・魚介類は200%を超えています。
 今回の取材はこの食料にスポットを当てたもので、青森県での食糧生産活動に原子力施設誘致が間接的にどのような影響を与えているのかも取材できればとの意向でした。

 六ヶ所原燃PRセンターでは、日本原燃再処理施設の概要と再処理の仕組み等の説明をセンター案内人から受けました。その後、日本原燃・広報・地域交流室の西澤副部長に再処理施設での地元職員の直接雇用数や施設で働く事業者従業員の六ヶ所村出身者の割合など、および従業員の宿泊施設・寮・売店などへの地元の貢献などについてインタビューしました。

 その後日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設地を展望台から取材。原燃再処理施設の取材を終えて、主要港となっている「むつ小川原港」を見学しました。
 このあと、食事どころ「スパハウス・ろっかぽっか」では、地元漁港に陸揚げされる魚を中心とした「刺身盛り合わせ」と「シジミ」料理を取材し、小川原湖漁業協同組合では国内での主要生産地になっている、しっかりした大粒の「ヤマトシジミ」の競り市を取材しました。一行はこの「ヤマトシジミ」に興味を示し、同組合の蛯名課長補佐から十分な時間を割いた説明を受け、この様子を録画しました。

小川原湖漁業協同組合での「ヤマトシジミ」の説明の様子:P180115



■情報発信・出版物・会合のご案内など

□「原産イノベーション・セミナー」を開催-参加者募集

 当協会は7月16日、東京都千代田区の如水会館で、当協会の会員等を対象とする「原産イノベーション・セミナー」を開催します。「巨大複雑系システムの信頼性を如何に高めるか」をテーマに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の立川敬二理事長を講演者に迎えます。また講演後には、山脇道夫東京大学名誉教授をコーディネーターとして、会場とのディスカッションの時間も設けます。

 参加費は、会員3,000円、会員外5,000円。お問い合せは、当協会・企画部まで。
 
 詳細・参加お申込みは、http://www.jaif.or.jp/ja/news/2009/innovation_seminar090716.htmll


□「原子力産業セミナー2011」を12月に東京と大阪で開催、参加企業を募集

当協会は、理工系を中心とした大学生・大学院生を対象に、原子力産業界のPRと原子力産業の人材確保を目的として、2006年度より毎年「原子力産業セミナー」を開催しています。第4回となる今年度のセミナーは、本年12月12日(土)に東京・新宿エルタワー30階「サンスカイルーム」で、 12月19日(土)に大阪・新梅田研修センター2階「G・Lホール」で開催します。

 前回の「原子力産業セミナー2010」では、45社の会員企業によるブース展示に、全国から理工系を中心に525名の学生が来場しました。
 今年度は、従来の東京会場に加えて、より幅広い会員ならびに学生に参加していただくため、大阪会場でも開催します。

 なお、参加される企業の募集にあたり、7月24日(金)午後に当協会会議室にて、セミナー開催概要と昨年度セミナー実績報告などの説明会を開催します。就職情報専門機関より新卒採用戦線の貴重な情報も紹介しますので、採用を計画されている会員、また、学生への企業PRをお考えの会員のみなさまは、是非ご参加ください。

 詳細・参加お申込みは、http://www.jaif.or.jp/ja/nis/2009/seminar_index.html


□【米国原子力政策動向】「チュー・米国エネルギー長官の議会証言」を会員用ホームページに掲載しました。

 最近のチュー長官の発言を中心に、米国の原子力政策について、地球温暖化防止に係る法案を審議している議会の動向とともに紹介しています。

 6月3日、チュー長官は、下院エネルギー水資源小委員会での2010年度予算審議公聴会で証言した際、「米国のエネルギー・ミックスの中で原子力の割合を現状の20%よりさらに増やしたい」と考えていると述べました。

 エネルギー省(DOE)が要求した2010年度予算案において、新規建設を促進する債務保証については予算の増額はないものの、次世代原子炉に関する予算、核燃料サイクル研究開発に関する予算はともに増額されており、研究開発に重点を置くものとみられます。

 また、2010年度予算案では、ユッカマウンテンで進めていた使用済み燃料の最終処分場計画については事実上打ち切りとされ、「国際原子力パートナーシップ(GNEP)」についても、「国内部分」である、使用済み燃料再処理施設および高速炉の建設についてキャンセルが決まりました。しかし、国際協力を通じて先進的な核燃料サイクルの長期的な研究開発を行う「国際部分」は継続します。

 さらに、温暖化対策・エネルギー関連法案の議会審議状況として、下院で民主党が提案している「米国クリーンエネルギー・安全保障法(ワックスマン・マーキー法)」や、上院のエネルギー天然資源委員会がとりまとめているエネルギー包括法案における原子力の扱いについても取り上げています。

詳しくは、会員専用ホームページ ( https://www.jaif.or.jp/member/login.php )をご覧ください。

 今後も、米国の原子力政策を中心に、定期的に最近の動向をお届けする予定です。


■ホームページ・動画の最新情報

□原産協会HP(一般向け)の更新情報 ( http://www.jaif.or.jp/ )

*国内、海外ニュースは毎週および随時更新しております。

・【寄稿】「米民主党の系譜を思う(RANDEC理事長 菊池 三郎氏)」を掲載(6/23)
・第59回原産協会通常総会概要を掲載(6/23)
・『ロシア国際フォーラム「ATOMEXPO-2009」参加訪ロ団派遣報告』を掲載(6/16)
・原子力機構主催「包括的核実験禁止条約(CTBT)にかかわるシンポジウム『実験監視技術とその科学的利用』」開催のご案内(6/15)
・地球温暖化対策における原子力発電の役割(服部拓也・原産協会理事長のコメント)を掲載(6/12)
・地方紙14紙に「第42回原産年次大会」のまとめを掲載(6/8)
・「原子力産業セミナー2011」参加企業の募集について(6/4)
・原産協会の「主な活動」に、「原子力損害賠償に関する調査・報告」を追加、掲載(6/2)
・原産イノベーションセミナー「巨大複雑系システムの信頼性を如何に高めるか」開催のご案内(6/2)
・原産協会声明「北朝鮮の核実験に強く抗議する」を掲載(5/27)


□動画配信 ( http://www.jaif.or.jp/ )

*「新規導入予定国の展望 -第42回原産年次大会から-」  (6/15配信)


□会員向けHPの更新情報 ( https://www.jaif.or.jp/member/login.php )

・『「日本経団連ルートでの規制改革要望」の経過報告』を掲載(6/22)
・6月3日に行われた「チュー米国エネルギー長官の議会証言」pdf(153 KB)を掲載(6/16)
・動画配信に『第19回 新規導入予定国の展望 -第42回原産年次大会から-』を追加、更新(6/15)
・【日本の原子力発電所の運転実績】5月分データを掲載(6/7)
・『海外原子力情報』3月分、4月分を追加、更新(6/5)
・『第59回通常総会開催のご案内』を掲載(6/1)

   

□英文HPの更新情報 ( http://www.jaif.or.jp/english/index.html )

・Atoms in Japan (AIJ) : 週刊英文ニュース( 24本 5/26 -6/25)
 ・FOCUS (AIJ) : ( 3本 5/26-6/25)



■原産協会役員の最近の主な活動など

[今井会長]
6/11(木)   青森県三村知事訪問、 大間原子力建設所視察(石塚常務同行)
6/12(金)   国際核融合エネルギー研究センター視察、 六ヶ所原燃サイクル施設視察
         (石塚常務同行)
[服部理事長]
6/18(木)   国際原子力協力協議会出席
6/18(木)   総合資源エネルギー調査会 電気事業分科会 第21回原子力部会出席

[石塚常務理事]
6/1(月)   北陸原子力懇談会総会出席 (於:金沢ニューグランドホテル)


■原産協会入会のお知らせ(2009年6月)

・(株)粟野鉄工所
・(株)山之内製作所


■シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」【4】

国際輸送に伴う原子力損害賠償
 今回は、国際輸送に伴う原子力損害賠償についてQ&A方式でお話します。

Q1. (国際輸送事故の賠償請求先)
日本企業が日本からフランスへの使用済燃料輸送中に事故を起こしました。
損害賠償の請求先として誰が考えられますか?

A1.
 損害賠償の請求先は輸送に関わる関係者の全て、すなわち、例えば荷主(使用済燃料の所有者)、輸送の受託者(輸送の管理責任者)、船会社(船の管理・運航者)等が広く対象となりえます。

 ただし、日本の領海内において事故が発生し、かつ原子力損害を生じた場合には、原賠制度に基づく責任集中により原子力事業者(荷主)の責任となります。

【A1.の解説】
 不法行為による損害賠償責任は、その結果に対して法的責任が認められる者全てが不法行為者となります。そのため、荷物に関する責任がある荷主はもちろん、荷主から輸送を引き受けることによって輸送に関する管理責任を負っている輸送受託者、輸送手段としての船の管理や航行に責任を負っている船会社など、事故の原因に応じて輸送に関し責任が認められる全ての関係者に損害賠償請求が及ぶ可能性があります。

 一般的にはこのようになりますが、日本の原賠法に基づいて損害賠償責任が処理される場合には、原賠制度に基づく責任集中により原子力事業者のみがその責任を追うことになります。しかしながら、国際輸送中の事故に関する裁判が、次のQ2で説明するように海外で行われるような場合、日本の原賠法が適用されないため、責任集中などの仕組みは働かない場合もあり得ます。

Q2. (国際輸送中に関する損害賠償請求の態様)
Q1の事故の場合、原子力損害の賠償に関する裁判は、どこでどのように行われますか?

A2.
【日本の領海内で起きた原子力事故の場合】
・  日本において原子力損害が発生した場合、被害者は日本の裁判所で、原子力事業者に賠償を請求し、日本の法律(原賠法)に基づいて裁判が行われます。
・  損害が日本以外の国にも及んだ場合、その被害者は損害を生じた国の裁判所で、輸送関係者に賠償を請求することが考えられます。その場合、裁判を行う国の法律に基づいて裁判が行われるのが原則です。

【公海で起きた原子力事故の場合】
・  公海で原子力事故が発生した場合で、その影響が公海上にとどまり、誰にも損害が発生しなければ、損害賠償責任は発生せず、賠償に関する裁判も行われません。
・  公海上の事故であっても、どこかの国に損害が及んだ場合、あるいは公海上であっても周囲の船舶や乗組員等に損害が発生した場合には、損害を被った国(または被害者の国)の裁判所で、輸送関係者に賠償を請求し、その国の法律に基づいて裁判が行われるのが原則です。

【輸送経路の沿岸国の領海内で起きた原子力事故の場合】
・  第三国において原子力損害が発生した場合、被害者は損害を被った国の裁判所で、輸送関係者に賠償を請求することが考えられます。その場合、裁判を行う国の法律に基づいて裁判が行われるのが原則です。

【フランスの領海内で起きた原子力事故の場合】
・  フランス国内で原子力事故が発生した場合、被害者はフランスの裁判所で、輸送関係者に賠償を請求し、フランスの国内法に基づいて裁判が行われるのが原則です。
・  損害がフランス以外の国にも及んだ場合、その被害者は損害を被った国の裁判所で、輸送関係者に賠償を請求し、その国の法律に基づいて裁判が行われるのが原則です。

【全ての場合に共通する事項】
・  事故地、損害発生地に関わらず、原子力損害を被った被害者は被告の所在地である日本の裁判所で原子力事業者に賠償を請求し、日本の法律(原賠法)に基づいて裁判が行われる可能性もあります。

【A2.の解説】
 国籍の異なる当事者間の損害賠償に関する民事訴訟では、裁判管轄権が1つとは限りません。但し、不法行為があった国(不法行為地)に裁判管轄権が認められ、裁判が行われる国の法律が適用されることが通常です。但し、原子力事故の場合には、事故により広汎な地域に損害が発生することも考えられます。その場合の「不法行為地」は単に事故現場というだけでなく、その事故によって損害が発生した地域全体を指すことになる可能性もあります。

 そのため、複数の国で損害が発生すれば、複数の国で裁判が起こされる可能性があります。また、不法行為地ばかりでなく、被告の所在地国にも裁判管轄権が認められることから、日本で裁判を起される可能性もあります。これらの場合、複数の国で裁判が行われる可能性があり、その準拠法も異なるため、同じ事故の損害であっても、様々な(場合によっては不公平な)裁判の結果が出される可能性があります。
また、判決などにより裁判の結果が示されても、それによって直ちに賠償金の支払い等の救済が受けられるわけではありません。判決を実現するには執行が必要です。この執行を確保するためという見地からも、裁判をどこで提起することが有利かを判断する必要があります。

 以上は日本の「民事訴訟法」や「法の適用に関する通則法」の考え方をもとにした一般論です。実際に海外輸送中の核燃料等について広汎な損害を生じるような事故が発生した場合には、どのような国が関わるか、その国の法制度はどうなっているか等によって様々な選択があり得ることをまずは知っておいてください。


 シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」のコンテンツは、あなたの声を生かして作ってまいります。原子力損害の賠償についてあなたの疑問や関心をEメールで genbai@jaif.or.jp へお寄せ下さい。


■その他お知らせ

□原産事務局、今年もクールビスを実施

 当協会は、地球温暖化防止に果たす原子力の重要な役割を内外に発信し、地球環境面からも原子力を推進していくため、地球温暖化防止に向けた国民的プロジェクト「チーム・マイナス6%」に参加し、クールビズなどの省エネ対策を行っております。

 本年は、6月1日(月)~9月30日(火)まで、クールビズを実施しています。事務局ではこの期間、冷房の温度定を28℃に設定し、職員はノーネクタイの軽装にさせていただきますことをご理解のほどお願い申し上げます。なお、ご来訪の皆様には是非、クールビズでお越しください。


■げんさんな人達 (原産協会役・職員によるショートエッセイ)

たまには女房孝行もせねばね

 以前担当していた国際協力事業の関係で、東南アジアの現地訪問の際に先方でとりまとめを担当していた人が、その後に来日して東海地区での長期研修をしていたときの話です。

 連休で旦那と子供を日本に呼び、名所を回りたいので案内してほしいとの希望が寄せられました。横浜まで出てきて最寄りのビジネスホテルにでも泊まっていれば、家族を車に乗せて富士山周辺を案内し、箱根の保養所(知合いの会社の保養所を利用させてもらうことにした)に一泊して帰ってくるという計画をしました。
 その後、彼女の旦那も子供も来日できなくなったが、富士山には是非行きたいので案内してほしいとの話になり、さらにはお金が無いので横浜に出たときにはあなたの家に泊めてちょうだいと・・・。
 やばいなと思ったのですが、私の母親が一人で住んでいるところに泊めてあげることにして、私と女房もそこに泊まり、皆で白糸の滝や山中湖、箱根を周遊してきたという次第です。女房殿も納得ずくのことだと自分では思っていたのですが、その後の追及の厳しいこと厳しいこと。「現地に行ってあの人と何があったのよ! 何も関係が無い人にそんなに優しくするのはオカシイ。などあれやこれやの追及の火の手は止まず・・・」

そんなことの罪滅ぼしということでもないのですが、最近横須賀の周遊をしてきたので、それを紹介しましょう。

 横浜は開港150周年で、横浜港周辺の記念行事の会場に行けば巨大蜘蛛のアトラクションなどがあるのですが、そちらに行くのは人出も多くて大変だろうと考えあぐねていました。
 そんな中、通勤途上の駅の改札口で、JR横須賀線開業120周年のチラシを見つけました。チラシに書いてある『横須賀駅の構内で成田エクスプレスの新型車両の展示を行う』という内容と『横須賀軍港のクルーズツアー』という案内が目にとまり「これだ」と思い、女房殿に「明日の土曜日は天気もまずまずの模様だし、横須賀に行ってみないか」との提案をしたわけですが、女房殿は、あっという間にクルーズツアーの予約まで済ませてしまいました。

 クルーズは1日に4便(11時・12時・13時・14時出発)しかなくて、そのうちの13時出発便の予約が取れたとのこと。なかなかの人気で、土日は予約していないと乗れないようです。
 翌日の土曜日には、クルーズの出発時刻と成田エクスプレス車両の見学時間の余裕も見て、12時頃に横須賀駅に到着できるように家を出発したわけですが、横須賀駅に到着したところ、プラットホームは超満員。成田エクスプレスの新型車両目当てに繰り出した人のなんと多いこと。車内展示に乗り込むのに長蛇の列が駅の構外まで延びており、車内を覗くのはさっさと諦め、クルーズ船の発着する汐入桟橋に向かうことに。

 JR横須賀駅にて   
 成田エクスプレス新型車両の展示

 JR横須賀駅のすぐ前にあるヴェルニー公園から港内を見渡せば、対岸の桟橋には真っ黒な潜水艦が何隻か着岸している。また、手前の自衛隊の桟橋には南極観測船しらせが退役する旧しらせと新しらせの両方とも係留している。両方が揃って見れるのは今の時期だけの模様。原子力空母ジョージ・ワシントンは数日前に訓練航海に出航したばかりであり、米軍の艦船はあまり残っていないはずで、あまり期待していなかったのだが。

 45分間のクルーズを楽しみましたので、その写真を紹介します。クルーズ終了後はドブ板通りを抜けて京浜急行の横須賀中央駅の方へ。駅近くの『横須賀海軍カレー本舗』で海軍カレーを賞味。その後、京急で馬堀海岸駅からバスで観音埼灯台へ。

退役した旧しらせ (艦籍番号5002) 新しらせ (艦籍番号5003) と海上自衛隊のイージス艦

       これは自衛隊の潜水艦。
  (就役している潜水艦が16隻あるそうで、
   そのうちの3隻が横須賀港に停泊中。)
観音埼灯台にて


 観音埼灯台はわが国初の洋式灯台ということで有名で、上まで登れる灯台はあまり多くない中、眺望が良いので時間があれば、訪ねてみることをお奨めします。

 当日は、あまり天気が良くなくて霞みがかかっているような状況で、浦賀水道の景色はあまり良く見えなかったが、それでも対岸にある鋸山が少し見え、女房殿は「次に行くところは決まったね」と言い出す始末でした。(○妻家)

 


◎「原産協会メールマガジン」2009年6月号(2009.6.25発行)
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