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原産協会メールマガジン11月号 2009年11月30日発行 |
Index
□「高レベル放射性廃棄物処分シンポジウム」を開催
□JAIF地域ネットワークが「サイエンスアゴラ2009」にブース出展
□「リーディング産業展みえ」に高レベル放射性廃棄物地層処分のパネルを出展
□奈良の女子高生へ高レベル放射性廃棄物の地層処分について説明
□「量子放射線利用普及連絡協議会」第10回会合を開催
□名古屋で「第24回日台原子力安全セミナー」を開催
□韓国の原子力発電所の高稼働率に学ぶ
-日韓原子力産業セミナーでの韓国水力原子力(株)の報告から-
□原産協会HP(一般向け)の更新情報
□動画配信
□会員向けHPの更新情報
□英文HPの更新情報
本文
当協会は11月20日、東京・築地の国立がんセンター国際研究交流会館国際会議場で、高知県東洋町が日本で最初に文献調査に応募した事例を参考に、「いかにすれば、地域で冷静な議論ができるか」をテーマとするシンポジウムを、当協会の地方組織と共催により開催。招待者や記者を含め約200名が参加しました。
開会挨拶した八束浩・同協会常務理事(=写真右)は、高レベル廃棄物の処分問題を考える上で、「いかに広く社会の理解を得て、この事業を確立させていくのか」という議論と、「いかに地域の理解を得て立地地点を確保するか」という二つの議論が必要だとし、今回のシンポジウムは、昨年の「他施設から学ぶ」というテーマで開催した「高レベル放射性廃棄物処分シンポジウム」に続き、後者の議論を発展させることを目指しているもの、と説明しました。
その上で、調査受け入れに関心を示す地域が、この問題について議論することすら難しい現状を問題視し、「いかにすれば、地域で冷静な議論ができるか」をテーマに選び、議論できる環境をいかに作っていくかについて、一緒に考えて行きたい」と会場の参加者に訴えました。
今回は基調講演に、新潟県柏崎市で議員三期、市長三期を務めた西川正純氏と、約三年前、文献調査に関心を持ち、日本で最初に公募した田嶋裕起・前東洋町長を迎えました。
西川氏(=写真右)は、「私見~原子力発電をめぐっての冷静な議論は可能か」と題して、世界界最大規模の原子力発電所と向き合ってきた経験から、反対派との距離感の取り方などを披瀝。
高レベル廃棄物の処分場問題については、「議論の入り口を見つけることさえ難しい現状」と捉え、まず事業当事者の「覚悟」と「使命感」を求めた後、事業主体の原子力環境整備機構(NUMO)が孤軍奮闘から孤立無援になっていなければよいが、と危惧しました。
同氏はまた、立地選定プロセスの中で、「当事者のNUMOが先乗りして出て行くのがいいかどうか」と疑問視し、国の役割に期待を示しました。
一方、田嶋氏(=写真左)は、「文献調査に応募した町――その時、何が起きていたか」と題して講演。
前町長は、地道に勉強会を町議員や町の執行部と行っていた途中に、地元新聞社に記事が掲載され、状況が一変、それからは「反対派による善良な町民を巻き込んだ『反核包囲網』が張りめぐらされていった」と回想しました。
中には一緒に勉強会に参加していた議員もいつのまにか反対派に回る人もいて、町長辞職・出直し選挙でも最初から孤立無援で、文献調査の受け入れを訴え、交付金を利用して想定される東南海地震対策などを訴えても、「家の外で聞いてくれる人はほとんどいなかった」と述べました。
会場の様子 | パネルディスカッション |
シンポジウムではこの後、鳥井弘之・元日経新聞論説委員が議長を務め、基調講演の二氏も加わり、青木俊明・東北工業大学経営コミュニケーション学科准教授、八木絵香・大阪大学コミュニケーション・デザインセンター特任講師、山本恭逸・青森公立大学経営経済学部教授にご参加いただき、パネルディスカッションを行いました。
鳥井議長は、これまでの取り組みについての「反省点」として、①短期的な取り組みに重点が置かれ、長期的取り組みが不十分②第三者による勉強会の機会も必要③県知事などに国が必要性のメッセージを出す④反対派の攻撃に対する対策がなかった――などの点を列挙しました。
さらに「討論の視点」として、①大義名分を明確化②応募と切り離した勉強会の実施③反対派対策④地域振興策のアピール――を提案。 会場からの質疑も交えて活発な議論が行われました。
当協会の「JAIF地域ネットワーク」は11月2日、3日、東京・お台場の国際研究交流大学村(日本科学未来館、東京国際交流館等)で開催された「サイエンスアゴラ2009」(会期:10月31日~11月3日)にブース出展しました。
サイエンスアゴラは、“科学と社会をつなぐ”広場(アゴラ(※1))となることを標榜し、2006年から始まり、あらゆる企画を通じて、サイエンスが社会にもたらす影響やサイエンスにまつわる様々な問題について、共に考え、楽しむ双方向のコミュニケーションを行うイベントです。サイエンスに対して知りたいこと、考えていること、言いたいこと、訴えたいことがある一般市民から科学者・研究者まで、全ての人々に開かれた広場で、各地で活動するNPOや企業、公的機関、大学研究室などの団体や、ボランティア活動や研究を行う個人が、シンポジウム・ワークショップ・ショー・展示など多くの企画を出展しています。
第4回目となる今回は、約140もの団体や学校、企業等が参加し、4日間で約8,700名の来場者がありました。
「JAIF地域ネットワーク」のブースでは、メンバーがオリジナル製作した「ロボット犬型放射線測定器」の展示や、放射線を利用して生まれた納豆樹脂による砂漠緑化プロジェクト、保湿ジェルなどを紹介。
当協会が参加した2日、3日は12月並みに冷え込み、大変寒い日で、来場者が少ないのではないか、と心配でしたが、2日間とも、親子連れや学生、教師、研究者等さまざまな人々が「JAIF地域ネットワーク」のブースに立ち寄り、多くの人々に「放射線とはなにか?」「生活に密接に関係する身近な放射線利用」「地球の未来に役立つ放射線」について伝えることができました。
(※)アゴラ:もともとギリシャ語で、人々が自由に集い議論する「広場」を意味しています。
メイン会場受付 | 当協会ブース、来場者に説明をする JAIF地域ネットワークメンバー |
当協会は11月6日と7日の2日間、四日市ドーム(四日市市)で開催された『リーディング産業展みえ2009』に中部原子力懇談会(中原懇)との共催で、高レベル放射性廃棄物地層処分のパネルを出展しました。2日間で6,883人の市民が来場し、このうち約380名から当協会が用意したアンケートへの回答をいただきました。
当協会と中原懇は、地方自治体等が開催する環境・産業フェアに来場する一般市民に対し、環境とエネルギー、生活と産業に貢献する原子力・放射線を理解してもらい、高レベル放射性廃棄物の処分が未解決の問題であることも知って、考えてもらうためパネルを出展しました。同ブースでは、日本原子力研究開発機構(JAEA)の地層処分の概念模型も展示し、JAEAからも説明者を派遣していただくなどご協力いただきました。(=写真)
中原懇では従来よりクイズラリーや簡単なアンケートを実施し、“知るほどなるほどエネルギー”と題したエネルギー・環境、放射線・原子力のパネルを設け、来場者にパネルを読んでもらう工夫を凝らしており、今回のクイズラリーにはお子さんを含めて約1,400名の回答がありました。
中原懇と共催のブース出展は今年初めての試みでしたが、「長野の信州環境フェア」、「静岡のしずおか環境・森林フェア」に続き、今回の「リーディング産業展みえ」と対応させていただきました。この間に、約1,400名の方々に、電気のゴミである高レベル放射性廃棄物の処分が問題として残っていることを知っていただけたと信じています。
□奈良の女子高生へ高レベル放射性廃棄物の地層処分について説明
当協会では高レベル放射性廃棄物処分について、必要性や安全性についての情報を提供し、意見交換する活動(対話集会)を実施しています。11月7日は、当協会政策推進部リーダーの江尻寿延が、奈良女子高等学校(奈良市内)の全校生徒に、「エネルギー・環境問題と原子力発電および高レベル放射性廃棄物処分について」と題した勉強会(対話集会)を実施しました(=写真)。
今回の勉強会では、地層処分への話の導入として、環境問題・エネルギー問題を説明し、引き続き、原子力発電および高レベル放射性廃棄物の地層処分についての説明を実施しました。
生徒のみなさんにはアンケートに協力していただき、「今日の話を他の人に広めていこうと思いますか?」の質問に、ほぼ半数から“Yes”という回答を得ました。
また、担当の先生からは、「来年度も原子力のテーマで何か話してもらいたい」との要望をいただきました。
当協会は11月17日、都内で「量子放射線利用普及連絡協議会」第10回会合を開催し、「大洗町の原子力・エネルギー教育への取り組み」について大洗町立磯浜小学校校長の森氏、大洗町立夏海小学校教諭の田山氏、大洗町教育委員会教育次長兼学校教育課長の藤本氏を講師として招き、ご講演いただきました。(下記に講演概要)
大洗町では、「小さくてもキラリと光る町」をキャッチフレーズとして、様々な特色ある取り組みを行っています。その一環として、「子どもたちの科学する心」を育てるために、大洗町原子力教育推進研究委員会を平成16年に設置し、学校教育を通して原子力・エネルギーの活用や防災に関する理解を深めるために、地域型の原子力教育推進計画を作成し、実践研究を行っています。
具体的な活動としては、①大洗町の原子力事業所との連携により、原子力施設の見学、②大洗わくわく科学館での理科授業、③茨城県から全校児童に配布されている「原子力ブック」を大洗町の原子力教育計画で単元に位置づけ活用することにより、理科・社会の授業で適宜原子力・エネルギーの教育、④原子力に関する学習教材の開発(サイエンスネット)⑤転入教職員に対しての研修(①原子力の基礎知識、②大洗町の原子力防災、③防災・原子炉施設の見学、④放射線の測定)があります。
これらの活動により、児童らが楽しそうに実験する様子の写真と共に、児童らの実験や出前事業での感想が紹介された。教育を受けた児童たちは、実験の楽しさを身をもって体験し、エネルギーや電気の大切さを学んでいます。
大洗町は、原子力との共存共栄を目指し、大洗町民憲章では、「わたくしたちは この海をひらき 原子の火を育て 水と緑を愛する 健康で明るい大洗の町民です」と謳っています。今後も文部科学省、茨城県の支援を受けながら、原子力・エネルギーの教育の推進に努め、このような取り組みについて、大洗町から全国各地への水平展開を望みます。
当協会は、11月17、18日の両日、名古屋市の名古屋商工会議所ビル・大会議室で、「第24回日台原子力安全セミナー」(日本側準備委員長:浅野晴彦中部電力副社長)を開催し、両国の原子力安全にかかわる最新の情報・意見の交換を行いました。
核能研究所 馬殷邦(マ・インバン)副所長 |
同セミナーは、原子力安全に関する情報・意見の交換ならびに相互理解と交流を促進するため、1986年以来、台湾原子力委員会をはじめとする関係機関との共催により、日本と台湾で年1回、交互に開催しています。
今回、台湾側からは、核能研究所 馬殷邦(マ・インバン)副所長(=写真)を団長とし、行政院 原子能委員会、原子能委員会・核能研究所、台湾電力公司、清華大学、核能資訊中心等の30名が参加しました。
開会セッションでは基調講演として、「中部電力の原子力分野における取り組み」と題し浅野晴彦 中部電力・副社長が、また「台湾の原子力発電の将来展望」と題し黄憲章(ホアン シエンジャン)台湾電力公司・副總經理が講演し、特別講演として「病院での放射線防護の強化」について劉文熙(リウ ウェンシ)原子能委員会・輻射防護處・副處長が講演しました。
セッションは、「原子力発電所の建設、運転、保守」、「放射性廃棄物管理」、「事象時対応、人材育成他」をテーマとした三つの講演セッションが行われました。
開会セッションの基調講演で黄憲章・副總經理は、①政府の計画としては、今後2017年までにエネルギー利用効率を2%/年以上の割合で向上させ、低炭素電源のシェアを2025年までに現在の40%から55%に拡大、CO2排出量を2025年までに2000年レベルに抑制する②2002年の非核家圏(脱原子力国家)政策により長期的な原子力開発の停滞につながった③今後既存炉の最大限の活用を進めるため「出力向上(MUR、SPU、EPUの導入)」と、「運転期間(40年)の延長」をする④将来の原子力発電拡大のためには新規より既存4サイトへの増設を基本方針とする⑤新規建設原発は第3世代炉を念頭に検討が進められており、最短で2023年の運転開始を目指す――との考えを示しました。
講演セッションの中、「原子力発電所の建設、運転、保守」セッションで台湾は、①龍門発電所の建設見通しとして“現状のスケジュールとして、1号機の燃料装荷は2010年12月、運転開始は11年12月、2号機の燃料装荷は11年12月、運転開始は12年12月を予定”②運転・保守として“稼働率向上には、計画外停止の減少、燃料交換停止の期間短縮化、運転管理の改善、MURによる出力向上(6基すべてでMURを実施)、機器の更新――が寄与している”
との報告が台湾側からありました。また「放射性廃棄物管理」に関して“現在3つのポテンシャルサイトが抽出され、住民投票により候補サイトが選定される見込み。”としました。
セミナー会場 |
本メールマガジン先月号でお伝えしたとおり、第30回日韓原子力産業セミナーが、10月26-27日に東京で開催されました。
そのセッション1「原子力発電所の運転・保守」で、韓国水力原子力(株) 保守計画・エンジニアリング部の金漢睦(キム ハンモク)部長が「韓国水力原子力(株)における原子力発電プラント停止の最適化」と題する発表を行いました。
韓国の原子力発電プラントの稼働状況は大変いいことが知られています。とくに2006年には、世界の原子力発電プラント445基の中で、韓国の原子力発電プラントが設備の利用率で、世界の1~5位を占めました。このように優れた運転を達成するには、プラントの保全が重要となります。今回の金部長の発表では、この保全のシステムや技術の改善で韓国がどのような努力をして来たかを、詳しく紹介しています。
その中で、韓国の原子力発電プラントの高稼働に関する重要項目は、以下のとおりです。
① 2000年以来、90%を超える高い設備利用率を維持(2008年は平均で93.4%。日本は60.0%)
②2008年の平均停止日数は32日(米国では37日、フランスでは45日)
③停止日数の短い理由は、保守・運転技術と機器を改良、停止作業管理方法の開発の成功
④燃料交換の間隔は、20ヶ月以内(古里1・2号機と重水炉は15ヶ月)。停止管理を時間的スパンや作業目的に応じて、計画的に実施
⑤停止作業の進展状況管理のため、「停止管理センター」の設置、作業の標準化、現場状況の把握等でのさまざまな工夫
⑥計画段階からフォローまで規制機関・検査機関・電力会社が密接に協調
⑦今後の目標は「9402」。国産最適化炉で、2014年に「設備利用率94%、停止回数0.2回/基」を達成
*さらに詳細に発表内容を知りたい方は、会員用ホームページにアクセスしてください。
( https://www.jaif.or.jp/member/ )
【セッション1:原子力発電所の運転・保守】
「韓国水力原子力(株)における原子力発電プラント停止の最適化」
金漢睦(キム ハンモク)
韓国水力原子力(株)
保守計画・エンジニアリング部部長
【発表の概略】
○韓国の原子力発電所では2000年以来、90%を超える高い設備利用率を維持している。
○停止時の「平均停止日数」でも欧米各国よりも短い(2008年IAEAデータ)。
・韓国32日 ドイツ31日 米国37日 スウェーデン38日 フランス45日
・韓国で停止期間が短いのは、「保守・運転技術の改良」、「機器の改良」、「停止管理プロセスの開発」の3つの理由による。
○停止計画プロセスの開発:燃料交換停止管理を計画的に実施
・ 燃料交換間隔は、20ヶ月以内(古里1・2号機と重水炉は15ヶ月)である。
・ プラント保全を時間軸で区分して計画(実施時期、改修・交換、検査・試験、予算、資機材、手順等)を策定する。
a.長期計画:燃料交換サイクル10回分をカバーする期間
b.中期計画:同3回分
c.マスター・プラン:計画停止12ヶ月前時点での基本計画
d.実施計画:同2ヶ月前時点での詳細計画
・ また、「燃料交換」、「メンテナンス」、「10年ごとの大規模改修」と停止目的別に分けて考え、停止時期と相互の作業内容の連携・最適化を図っている。
・燃料交換停止の12ヶ月前からの、KHNP内部での準備手順と、関係者の確認会合等の頻度を図示する。
○停止中の進捗管理の徹底
・ 複数の契約会社が作業を行う現場では、KHNPの担当部署(機械、電気、計装制御等)が調整を行う。これと並行して、「停止管理センター」が、「スケジュール管理(含外部契約会社の人員)」、「異物混入防止」、「作業区域管理」、「産業安全」、「運転支援」の各チームの工程管理を統括するために設置されている。
・ 停止スケジュール策定の基本的手法として標準テンプレート(打ち込みプログラム)を使用する。
これには、各工程の標準作業時間が、これまでの最短作業完了時間をベースに表示されており、定期的に更新されている。たとえば、現在のOPR1000の燃料交換標準テンプレートでは、作業時間設定は以下のようになっている。
-原子炉冷却系(RCS)の冷却と排水: 25時間 -炉ヘッド設備の分解: 59時間 -燃料装荷と炉心マッピング: 52時間 -その他(8項目あるが、詳細は割愛):304時間 |
・このテンプレートにより、これまでの当該作業の実施記録と、自分たちのチームの作業の進展状況が比較できる。
・ KHNP本部では、契約企業にタッチ・スクリーン/リアル・タイム報告システム(NPOMS)による、現場状況のオンライン報告を求め、停止作業管理を効率的に実施している。
○海外模範事例との比較
・ 海外専門家に停止時間評価を依頼、さらなる改善点洗い出しを実施している。
○管理手法改善を実施
・ 最高経営者(CEO)の方針明示と設定目標の社内浸透
・ 目標管理(MBO)計画の精度向上
・ 目標達成部署への1~2日の特別休暇。「1サイクル無トラブル運転」への奨励金、それに加えての停止作業優秀実績発電所への特別奨励金
○検査における規制機関との協調
・ 規制当局、検査機関、事業者の3者が協調。事業者の申請に対して検査当局が立てた検査計画について両者が事前に協議。再臨界前に3者で確認のために会合実施
○今後の目標 =「9402」
・韓国標準型炉(OPR1000)で、2014年に「設備利用率94%、停止回数0.2回/基、燃料交換停止平均21日」を達成(安全性・信頼性の確保を前提)
以上
当協会は食品照射広報用パンフレット「ガッテン!食品照射」を作成しました。
放射線利用の中でもあまり一般に知られていない食品照射についてイラスト入りで楽しく紹介しています。放射線利用全般についてもふれており、「くらしの中の放射線利用の身近な例」を高校生の一日を追って、生活の中に密接に関係ある事例で紹介しています。
食品照射の海外での利用状況、照射食品や照射施設の安全性も明記しています。
冊子に関するお問合せは電話03-6812-7184(政策推進部)まで。
尚、原産協会ホームページより無料でダウンロードできます。
http://www.jaif.or.jp/ja/news/2009/food-irradiation_pamphlet0910.pdf
立地地域や原子力施設で働く人々のネットワークづくりを目指し、11月14日と15日の2日間にわたり、第1回つーるdeアトムin Wakasa
Bayが福井県若狭地域で開催されました。
今回が初の開催となる「つーるdeアトム」は、昨年日本で開催され好評だったマキシマラソンの趣旨を受け継ぐもので、原子力の平和利用を願うメッセージとビデオレターをランニングと自転車で届けます。今回は高浜から敦賀まで運び、次年以降は、さらに次の立地地域へと運んでいきます。また今回は特に、来年6月に開催されるAPECエネルギー大臣会議のプレイベントとしても位置づけられ、「原子力と社会の共生」成功事例としての「Wakasa」を発信していくことにも力点をおいています。
一日目となる14日は、高浜町の城山荘でミュージシャンのモーリー・ロバートソン氏が「日本再発見」をテーマとしてトークライブを行いました。ポータブルルータを使って日本各地を巡る旅をレポートし続けた同氏は、地方が発信力を持って独自の色を伝えていくことの大切さを語りました。続くアクティブ・トークでは「どうする!!?これからのニッポン」をテーマとして地元議員らを交え、都会の真似でない地元の魅力をアピールし、流通まで関与して地域の雇用につなげていく気運づくりについて意見を交換しました。
その後、野瀬豊・高浜町長の祝辞に続き、日村健二・同副町長による乾杯で交流会が行われました。地元の和太鼓クラブ音海(おとみ)の小中学生メンバーによるエキシビションが会場に華を添えました。
二日目の15日、朝焼けに染まる城山公園でスターティングセレモニーが行われました。野瀬町長が祝辞を述べ、今回のリレーによって高浜から敦賀まで運ばれるメッセージが選手に託されました。高浜中学校の陸上部代表による選手宣誓が行われ、野瀬町長による号砲で、参加者たちが一斉にスタートしました。
朝日の中をスタート | 美しい自然の中を走行中 |
今回のコースとなった若狭地域は、歴史と文化を育んだ日本海の美しい海岸沿いに広がっています。コース上には、若狭富士を望む青戸大橋や八百姫伝説のある人魚の浜などの景勝地があり、地元の名産が味わえる産業祭に立ち寄る場面もありました。ゴールまでの十区間をそれぞれが走りましたが、中には合計約76.5キロの全コースを完走した参加者もいました。ゴール地点の敦賀市プラザ萬象では参加者が温かい拍手に迎えられ、お互いの健闘をたたえ合いました。
ゴール!! | レースが終わって集合写真 |
記念写真の撮影の後、リレーにより届けられた「万物生光輝」のメッセージと高浜中学校の生徒による地元紹介のビデオレターが披露されました。一日目に続いてのロバートソン氏と参加者によるアクティブ・トークでは、多様な方法で地方と世界との価値観をつなげていく可能性について話し合いました。イベント最後の交流会では参加者同士がさらに親睦を深め、ともに楽しみともに考えた二日間を一層思い出深いものにしました。
□原産協会HP(一般向け)の更新情報 ( http://www.jaif.or.jp/ )
*国内、海外ニュースは毎週および随時更新しております。
〈原産協会からのお知らせ〉
・原子力新年の集い」への「会員外」の方のお申込み受付について(ご案内)(11/26)
・「会員人名録 2010」の発行のお知らせ(11/25)
・会員資料室の閉鎖のお知らせ(11/26)
□動画配信 ( http://www.jaif.or.jp/ )
・国際人育成 WNU夏季研修に参加して-向坊記念事業の活動- (11/16配信)
□会員向けHPの更新情報( https://www.jaif.or.jp/member/ )
・『韓国の原子力発電所の高稼働率に学ぶ -日韓原子力産業セミナーでの韓国水力原子力発電(株)の報告から-』(11/25)
□英文HPの更新情報( http://www.jaif.or.jp/english/ )
・Atoms in Japan (AIJ) : 週刊英文ニュース( 22本 11/1-11/30)
・FOCUS:( 1本 11/1 -11/30)
[服部理事長]
・11/17(火) ~22日(日) サンタフェ・エネルギーセミナー出席、日米気候変動シンポジウム関連打合せに伴う米国ワシントンD.C.出張
・11/25(水)~29(日)中国原子力産業協会(CNEA)と協定書署名式およびシンポジウム開催に伴う上海出張
[石塚常務理事]
・11/5(木) 核物質管理学会日本支部年次大会パネル討論会にてパネリストとして登壇 (於:学士会館)
・11/17(火) ~18日(水) 第24回日台原子力安全セミナー出席(於:名古屋商工会議所)
・11/20(金) 高レベル放射性廃棄物処分シンポジウム出席
(於:国立がんセンター 国際研究交流会館)
[八束常務理事]
・11/20(金) 高レベル放射性廃棄物処分シンポジウム出席
(於:国立がんセンター 国際研究交流会館)
・サンユーエンジニアリング(株)
・(株)大気社
・(株)中北製作所
・アスクサンシンエンジニアリング(株)
新規原子力導入国の原賠制度
今回は、新規原子力導入国の原賠制度についてQ&A方式でお話します。
Q1.(新規原子力導入国の制度整備) 原子力発電を新規に導入する国では、原賠制度もまた導入されるのでしょうか? |
A1.
・ 現在、世界では30カ国が商業用原子力発電を行っており、これに倍する数の国が将来の新規導入を検討している状況にあります。導入にあたっては、発電所自体をはじめ、原子力産業の整備・充実、人材の育成、資金の確保などの基礎的なインフラ整備が必須です。また、こうした物的整備と共に不可欠なのが、原子力に関する法制度の整備であり、原賠制度はこのような法整備における重要項目となっています。
・ 原賠制度の骨格は、原子力リスクの特異性に対応した厳格責任、責任の集中、制限的な免責事項、責任額の限度、賠償措置、国家補償などです。こうした基本的原則を立法化し、法制度として整備することが必要となります。
・ こうした法整備に関してはIAEA(国際原子力機関)が作成している各種ガイダンス文書が、新規導入国にとって大変に有用となっています。
【A1.の解説】
IAEAでは、開発途上国の新規導入にあたって、最終的に自立的に計画を立案実施し、原子力発電を安全、安定的に運転できるような能力を涵養するため、Nuclear
Safety Series, Nuclear Security Series, Nuclear Energy Series, Nuclear
Law Handbookなど各種の基準やガイドブックを作成しています。
このうち、各種のインフラ構築を目指して、検討を重ねていくためのマイルストーンドキュメント[”Milestones in the Development of a National Infrastructure for Nuclear Power,”(2007)]と原賠制度の具体的内容が記載されている原子力法ハンドブック[”Handbook on Nuclear Law”(2003 )]は、原賠制度を検討・確立するうえで、非常に有益な資料となっています。
より詳細な解説はこちら
http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/genbai/mag/shosai09.pdf
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Q2.(新規導入国の制度整備状況) 我が国が二国間協力文書に基づき協力している新規原子力導入国に関して、現在、原賠制度はどの程度整備されていますか? |
A2.
・ 我が国が国際協力の一環として、現在二国間協力文書を締結している新規原子力導入国は、ベトナム、インドネシア、カザフスタン、アラブ首長国連邦(UAE)、モンゴルの5カ国です。
・ 5カ国のうち、ベトナム、インドネシア、カザフスタンの3カ国には原子力法に定められた原賠制度があります。
・ アラブ首長国連邦(UAE)では原賠制度について、原子力損害賠償制度を導入するとの内容を含む白書が公表されています。
・ モンゴルでは原子力法が発効していますが、原賠制度の有無については未だ明確になっていません。
【A2.の解説】
世界中に多数ある新規原子力導入国のうち、我が国が二国間協力文書を締結し、導入に協力している国は、ベトナム、インドネシア、カザフスタン、アラブ首長国連邦(UAE)、モンゴルの5カ国です。
5カ国の法律のうち、ベトナムの原子力法(2009年)、インドネシアの原子力法(1997年)、カザフスタンの原子力利用法(1997年)の中には、原子力事故の際の責任を原子力事業者に集中するなど、原賠制度の仕組みが規定されています。
なお、アラブ首長国連邦(UAE)では、2008年4月20日に発表された「原子力平和利用の評価と開発可能性に関するアラブ首長国連邦の政策」という白書の中で原賠制度について、UAEが原子力発電を採用した場合には、ウィーン条約、同改正議定書、ウィーン条約およびパリ条約の適用に関する合同議定書、補完基金条約を締結することとし、これら条約の基本的原則をUAEの原子力損害賠償法制度に導入するとしています。
モンゴルでは、2009年8月15日に原子力法が発効していますが、原賠制度について詳細が明らかになっていません。
より詳細な解説はこちら
http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/genbai/mag/shosai09.pdf
シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」のコンテンツは、あなたの声を生かして作ってまいります。原子力損害の賠償についてあなたの疑問や関心をEメールで genbai@jaif.or.jp へお寄せ下さい。
「エッセイとは何ぞや」
メールマガジンに掲載されている「げんさんな人達」へ向けてエッセイを書くよう「お願い」されました。間髪入れずに今回は辞退させて頂きたいと「お願い」してみましたが、あえなく却下されてしまいました。世知辛い世の中です。
はて、エッセイとは何でしょうか、論文のことでしょうか。自分は日本人ですので、日本語で話して頂けると大変ありがたいのですが…。
「エッセイ」の意味がよく分からないので、さっそく調べてみました。目の前には非常に便利な電子計算機様が鎮座ましましていらっしゃいます。これを利用しない手はありません。「随筆(ずいひつ、エッセイ)は文学における一形式。英語essay、フランス語essaiの訳語。筆者の体験や読書などから得た知識をもとに、それに対する感想や思索、思想を散文によってまとめたもの。(wikipediaより抜粋。)」
うーん、何となく分かったような分からないような。もしこれが「業務報告書の作成」でしたら、目的に沿って粛々と作業を進めれば良いのですが、今回ばかりは自由すぎて何を書けば良いのか分かりません。
そこで、「げんさんな人達」に関わる方々に聞きました。
「好きなことを書けばいいよ。」
「季節の事はどう?」
生まれてこのかた、四季折々の出来事に思いをはべらすというような雅な事はしたことが有りません。人様に熱心に語ることが出来るほど好きな事というものは、そうそう無いものですね、残念です。やりたくない事や嫌いな事なら、それなりに有るのですが。
電子計算機様を前にして、某文章作成ソフトウェアの真っ白な新規画面を見つめます。そして「自分が寝とる間に、どこからともなく妖精さんが現れて書いてくれへんやろか…。」と途方に暮れました。学生時代、国語の成績が非常に悪かった過去が思い出されます。100点満点の試験(4択が25問)で1桁の点数を取ってしまった衝撃は今でも忘れられません。軽いトラウマの域にまで達しているようです。この状況を見かねてか、げんさんの人が案を下さいました。
「今の状況を書けばいいんじゃない?」
そ れ で す !
……というわけで、エッセイが書けました。それにしても、「エッセイ」の後ろには(笑)が付きそうな出来ですね。文字数を数えると、ここまで約1,000文字でした。ほら、立派な「エッセイ(笑)」です。任務は終了でございます。本当にお疲れ様でした。
さて、エッセイ(笑)はここで終わりです。乱筆乱文、失礼致しました。素人ゆえ、ご容赦頂ければ幸いです。ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。(風間)
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