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原産協会メールマガジン6月号 2010年6月25日発行 |
Index
□第60回原産協会通常総会を開催、副会長に西田厚聰・東芝会長を選任
□高レベル廃棄物処分-麗澤大学にて対話集会を開催
□産官学が共同で、原子力人材育成の「ネットワーク化、ハブ化、国際化」を提言
□「量子放射線利用普及連絡協議会」第11回会合を開催
□JAIFベトナム連絡事務所が開所式
□第4回ベトナム国際原子力展示会に日本連合として出展
□マレーシア国立大学ワークショップに参加・講演
□ロシアATOMEXPO2010原産協会参加団 概要報告
□NEA2010に参加
□APECエネルギー大臣会合に出展
□「原子力産業セミナー2012」を12月に東京と大阪で開催、参加企業を募集
□世界原子力大学(WNU)夏季研修の参加費用助成のご案内
□原産協会HP(一般向け)の更新情報
□動画配信
□会員向けHPの更新情報
□英文HPの更新情報
本文
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理事長 服部 拓也 |
更に北へ向け車を走らせると、次第に聖地に近づいてきたのだろうか、祭事に用いる花飾りやガンジス河の聖なる水を入れた壷をいくつも天秤状の棒にくくりつけて肩に担ぎ、南に向かって歩いてくる人々の姿が目に付く。聞けば、今年は12年に一度ハルドワ―ルで行われるヒンズー教の大祭グンブ・メーラーに当たるとか。
聖地で手に入れた有難い飾りや水を故郷に持ち帰り、親戚縁者に配るのだろうか。3ヶ月半にもわたる大祭の期間に一千万人もの巡礼者が聖なるガンジス河での沐浴を目指して全国から集まってくるそうだ。サリーをなびかせながら連れ立って歩く女性達、修行僧らしき集団などが黙々と北に向かって歩いている。
集落に近づくと牛の糞を燃料用に円盤状にこねている女性がいると思えば、その横を制服に身を包んだ中学生くらいの生徒の列、牛車やリキシャが行き交う土埃と喧騒の向こうにはHYUNDAI,NOKIA,SUZUKI,VODAFONEといった大企業の看板も目に入ってくる。
そのうちに渋滞で停車した車には乳飲み子を抱いた若い母親や幼い子供たちが近づいてきて窓をたたいて物乞いをする。こちらはただ気づかないような振りをしてじっと前を見るしかない。このような光景をどう受け止めたらいいのか、頭の整理がつかない。そういえば、通りがかる集落には必ずと言って良いほど、街角の雑踏の中にヒンズー教の神様が祭られ、人々がその前でご神体に触れながら熱心にお祈りする姿を目にする。ヒンズー教の教えに従えば理解できるのだろうか。
BHEL(バーラト重電公社)の工場に着いたのは午後2時前、7時間を超える長旅であった。工場の幹部との打ち合わせ、工場内視察、そしてゲストハウスでの夕食をあわただしく済ませた後、ジャケットの下にセーターを着込み、首にはマフラーを巻いて近くのガンジス河のほとりに向かう。
華やかなイルミネーションが点灯する聖地には、河に沿って人々が沐浴するための階段状の足場が設けられている。水源まで更に2~300kmあるらしいが、川面を渡る風は肌を刺すように冷たく、遠くのイルミネーションに照らされた暗い水面を見ると、その水量と川幅、そして流れの速さに圧倒される。
日も暮れていたせいか、人々が沐浴する姿は目にしなかった。安全のため整備されている鎖につかまりながら階段を下り、聖なる水に触れるとその冷たさに驚かされる。即席のヒンズー教徒になって聖なる水を頭や腰や膝に振りかけ、健康を祈る。人々は供物を盆に載せ、木の葉で作った皿に灯した明かりとともに流して神に捧げるそうだが、その際足を滑らせて流される人もいるとか、聖なる河に流され命を落とすのも運命と考えているのであろう。長い一日が終わった。 (次号へつづく)
□第60回原産協会通常総会を開催、副会長に西田厚聰・東芝会長を選任
日本原子力産業協会は6月22日、日本工業倶楽部で第60回通常総会を開催しました(=写真)。平成21年度事業報告・収支決算案、平成22年度事業計画・収支予算案の承認に加え、役員の任期満了に伴い、20名の理事と2名の監事の選任が承認され、今井敬会長、服部拓也理事長の再任と、新たに、西田厚聰・東芝会長の副会長就任が承認されました。
また、新任の理事には、梅原肇・グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン社長、木村滋・東京電力副社長、工藤和彦・九州大学高等教育開発推進センター特任教授、小宮修・三菱商事代表取締役常務執行役員機械グループCEO、田中知・東京大学大学院工学系研究科教授の5名が選任されました。
再任の理事は、浅野晴彦・中部電力副社長、五十嵐安治・東芝執行役上席常務電力システム社社長、石塚昶雄・原産協会常務理事、岡﨑俊雄・日本原子力研究開発機構理事長、川井吉彦・日本原燃社長、河瀬一治・全国原子力発電所所在市町村協議会会長、澤明・三菱重工業取締役常務執行役員原子力事業本部長、鳥井弘之・日本経済新聞社社友、中村満義・日本土木工業協会会長、並木徹・エネルギー総合工学研究所副理事長、羽生正治・日立GEニュークリア・エナジー社長、八束浩・原産協会常務理事。また、監事として、久米雄二・電気事業連合会専務理事、早野敏美・日本電機工業会専務理事が再任されました。
総会の冒頭、今井敬会長は、6月18日に閣議決定された「エネルギー基本計画」の中の2030年までには、少なくとも14基以上の原子力発電所の新増設と、設備利用率約90%の実現を目指すことについて、「これを確実に実行していくためには、原子力発電の安全性の確保はもとより、立地地域の皆様をはじめとする、国民全体の信頼を得ることが、何よりも必要である。」と指摘しました。
「わが国の世界に誇れる高度な原子力発電技術を積極的に海外に展開することによって、国際的なエネルギー・セキュリティの強化や、地球規模での温暖化防止に貢献することができる。」と強調しました。
また、「現在、世界各国で、原子力発電導入計画が加速しているが、受注競争に走るあまり、平和利用の秩序が軽視されるようなことがあってはいけない。原子力ビジネスの拡大に伴い、改めて各国で『規律』を共有することが必要であり、核不拡散の理念はもとより、安全確保を前提とした原子力発電を導入するための責任や倫理観も包含した新たな『規律』の徹底が求められている。」と指摘しました。
総会にはまた、来賓として、中川正春・文部科学副大臣、津村啓介内閣府大臣政務官、近藤洋介経済産業大臣政務官が臨席しました。
中川副大臣は、「新しい政権に変わり、25%の二酸化炭素の削減を目標に、総合的に力を結集していくことができれば、世界に対して日本のグローバル・スタンダードを作り上げていくという積極的な体制が作れる。」と述べました。
津村内閣府大臣政務官は、「民主党政権になって始めている政策の議論の透明化や、予算を科学技術・原子力の分野に重点配分しているということを伝えるために、科学・原子力コミュニティーの方々と一般国民と、そして我々政治家とをいい意味できれいな三角形を作りながらコミュニケーションをしていきたい。」との考えを強調しました。
近藤経済産業大臣政務官は、「国と地方自治体の関係、そして事業者のみなさまとの関係を含めて、これまでの関係を安全第一としつつも、もう一度総点検をしながら利用率の向上に取り組むための制度設計を進めなければいけないと考えており、事業者の方々だけの課題ではなく、行政にとっての大きな挑戦になると考えている。」と述べました。
当協会は6月15日に、千葉県柏市にある麗澤大学の学生と2回の高レベル放射性廃棄物処分(地層処分)をテーマとする対話集会を実施しました。
1、2年生を対象とした一般教養の“環境科学A”のクラスでは、約260名の学生に対し、エネルギー・環境問題および資源の有効利用の観点から、原子力発電の必要性について説明。そのうえで、地層処分の必要性や安全性のほか、不確実性を伴う地層処分に関する意思決定の議論の重要性について説明しました。また、資源エネルギー庁の方から、現在の国の取り組みや制度を中心にお話をいただきました。
その後、処分問題を勉強している経済学部のゼミ生18名と意見交換を行いました。参加の学生からは、「処分場立地にあたり、地域の人々に理解してもらうためにはどうすれば良いと考えているのか」、「広報の手段として、アニメーションやゲーム、YouTube等の動画配信を利用すれば、少ないコストで広い宣伝効果が得られるのではないか」等、理解活動に関する意見が述べられたほか、「処分事業が今後、CO2排出権取引のような国際的なマネーゲームの対象となる可能性はないのか」、「エネルギー産業における今後の雇用の展望は」――といった今後社会人となる若者らしい視点からの意見も出されました。
“環境科学A”のクラスでの講義風景 | 経済学部のゼミ生18名との意見交換 |
□産官学が共同で、原子力人材育成の「ネットワーク化、ハブ化、国際化」を提言
産官学の関係者は、当協会が事務局を務める「原子力人材育成関係者協議会」(座長:服部原産協会理事長)の場で、原子力技術者や研究者の育成、確保の課題を洗い出し、その対応について議論を重ねてきました。
このほど、最近の世界的な原子力回帰や原子力産業のグローバル展開等の情勢変化を踏まえ、これまでの議論を総括して、原子力人材育成の進め方について「ネットワーク化、ハブ化、国際化」をキーワードとする報告書をまとめ、提言を行いました。
提言は次のURLをご覧ください。
http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/jinzai-kyogikai_pressbriefing1005.pdf
報告書の概略については次のURLをご覧ください。
http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/jinzai-kyogikai_pressbriefing-global1005.pdf
報告書の全文は次のURLをご覧ください。
http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/jinzai-kyogikai_report1004.pdf
なお、国際化の詳細については、こちらをご覧ください。
http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/jinzai-kyogikai_report-global1004.pdf
当協会は6月15日、都内で「量子放射線利用普及連絡協議会」第11回会合を開催し、医療用アイソトープ原料モリブデン99の安定供給の問題を議題として取り上げました。「医療用アイソトープ原料の安定供給にかかる現状と取り組むべき対応」については、日本アイソトープ協会・井戸常務理事、「材料試験炉(JMTR)を用いたモリブデン‐99の国産化に向けた検討」については、日本原子力研究開発機構・河村大洗研究開発センター副所長、「テクネチウム製品供給問題の現状と解決に向けた方向性」については、横浜市立大学大学院医学研究科放射線医学・井上教授-の3氏から講演いただきました。
核医学検査に欠かせない医療用アイソトープ原料のモリブデン99の安定供給の問題は、以前から指摘されていましたが、主にモリブデン99を製造している原子炉の老朽化に伴う予期せぬトラブルや、輸送経路の確保の困難さなどの原因による供給不足が、世界的な問題となっています。
日本は、世界で供給されている量の14%を使用しているにもかかわらず、国内製造は全くなされず、100%輸入に頼っています。このような状況下で、日本がモリブデン99を中長期にわたり如何に安定供給を可能にするかは、解決すべき喫緊の課題になっています。
本会合では、日本核医学会・日本医学放射線学会の関連2学会からの文部科学大臣・厚生労働大臣に宛てた「国家的観点からの今後10~20年後までの安価でかつ安定したモリブデンの国内供給体制の確立を目指し、その方向性を議論していただける省庁横断的な産官学の枠組みを作っていただきたい」との主旨の要望を平成22年3月に提出したことも紹介されました。
これに関して、文部科学省からは、「モリブデン99の件は、文部科学省のみで対応できるものではないため、原子力委員会、厚生労働省、国土交通省ほか関係機関と連携していきたい」との意見をいただきました。
モリブデン99の安定供給に向けて、今後の国主導での検討が期待されています。
当協会は5月26日、JAIFベトナム連絡事務所(利光聡所長)の開所式をハノイで行いました。ベトナムからはミン国会科学技術環境委員長をはじめハイレベルの幹部が参加。坂場三男全権大使も出席され、日本からの出席者を含め、約70名の参加を得ました。
開所式では冒頭、当協会の服部拓也理事長が挨拶(=写真)。また、今秋発足予定の新会社の代表として、東京電力の武黒一郎副社長より抱負が述べられました。ミン国会科学技術環境委員長から は、お祝いの言葉とともに、今後の協力強化に対する期待が寄せられました。
5月27日から29日の3日間、ベトナムのハノイ市において、「ニントアン原子力発電所初号機建設に向けて」をテーマに、第4回国際原子力展示会が開催されました。ベトナム科学技術省(MOST)と商工省(MOIT)が主催し、ベトナム原子力機構(VAEI)、およびベトナム電力公社(EVN)のもと原子力発電・再生可能エネルギー計画先行投資委員会(NRPB)が実施しました。
日本からは、原産協会、電事連、原電、日立、三菱重工、東芝、JICCが日本連合として出展し、各種模型、展示パネル等を展示しました。他の参加国は、ベトナム始め、ロシア(ロスアトム)、フランス連合(CEA、EDF、アレバ他)、中国(東方電気/
広東核公司)、米国(WH、エンタジー)、カナダ(L3コミュニケーションズMAPPS)、ブルガリア(リスクエンジニアリング)。韓国は、当初出展予定でしたが、キャンセルした模様です。
日本連合ブース |
展示会初日の開会式には、ベトナム側から、ミン国会科学技術環境委員長、フォン科学技術大臣、ティエン科学技術副大臣、ハオ商工副大臣らが出席し、出展国の駐越大使らによるテープカットが行なわれました。
開会式後、展示ブースの内覧が行われ、ベトナム側幹部が日本ブースを訪問しました。幹部の多くからは、日本のこれまでの協力への感謝と、これからも協力して行きたい旨が述べられました。3日間の総入場者数は約3,600人(主催者発表)で、国会議員、原子力関係者、一般市民等が来場し、盛況でした。ハノイ工大の学生を始め熱心にモデルの説明を聞く人たちも多く、原子力への高い関心が伺われました。
初日のテープカットの様子 |
5月31日、6月1日の2日間、マレーシア・クアラルンプール郊外バンギで開催された、東京大学G‐COEとマレーシア国立大学(UKM)の共同ワークショップ「ASEANへの原子力発電導入に関する重要な考慮事項―地域協力は原子力発電開発にとって魅力的か」において、当協会の喜多国際部長が「供給国の視点から」と題し、原子力供給国側から見た、原子力発電導入計画にとって重要な要素、供給各国の公正な競争の必要性などについて講演しました。
本ワークショップでは、「原子力発電導入に関する重要な考慮事項―技術的側面」「制度的側面―国際法、核不拡散と核セキュリティ」「アジア太平洋地域 の原子力発電プログラムにおける地域協力」の3つのセッションで、プレゼンテーションと参加者間の討論が行われ、日本、マレーシア両国をはじめ、韓国、オーストラリア、シンガポール、米国、モンゴル、インド、ベトナム、カザフスタン、中国、台湾などから約70名が参加しました。
また、ワークショップでは、主催者を代表して東大の田中知教授が、アジア諸国の原子力発電導入計画を紹介し、アジア地域に平和をもたらすための地域協力の重要性を強調しました。マ レーシア側からは、ノラムリ・ビン・ムスリム原子力許認可庁議長(元IAEA事務局次長)が挨拶、原子力は水力以外では唯一のCO2を排出しない大規模電源だとして、マレーシアが2021年を目標に原子力発電導入を計画、最近IAEA追加議定書にも署名するなど、核不拡散にも配慮した原子力発電導入計画を進めていることを紹介しました。
原産協会の服部理事長を団長とする9名(うち4名は現地参加)からなる団が、6月5日~12日までロシアを訪問しました。同団は、7~9日にモスクワで開かれたロシア最大の原子力展示会と原子力会議「アトムエクスポ2010」に参加し、服部理事長はプレナリー・セッションで講演を行いました。またキリエンコ・ロスアトム総裁ほかのロシア原子力首脳と意見交換し、またカリーニン原子力発電所、クルチャトフ研究所、原子力大学等の関係原子力機関を訪問・見学しました。
(1)ATOMEXPO 2010
○ プレナリー・セッションと服部理事長の講演
モスクワ中心部、クレムリン近くのマネージ中央展示会館で、ロシア最大の原子力展示会と原子力会議「アトムエクスポ2010」が6月7~9日に開かれました。「原子力発電――革新的発展の原動力」をテーマとする今年の同会議は、1,200人以上が参加(国外から約150名)、ロスアトムが主催、エネルギー省、WANO、ドゥーマ(議会下院)などが後援。8日にはキリエンコ・ロスアトム総裁も参加しました。プレナリー・セッションが開かれました。
8日午前中のプレナリー・セッションでは、最初にS・ソビャニン・ロスアトム会長(副首相兼内閣府官房長官)が挨拶。ロシアが原子力発電において競争力と革新性を向上させるため、2020年までに40億ドルを投資する予定であり、海外に対しては「特別のパッケージ」を用意しており、トルコとは建設・所有・運転(BOO)契約を結んだほか、アンガルスクでは燃料供給保証を目的とした国際濃縮センターの設立を進めるなど、ロシアの原子力界が国際的な活動を進めていることを紹介しました。
ロスアトムのキリエンコ総裁は、世界の原子力発電開発計画の大部分が新規導入国にあり、原子力技術供給国はこれらの需要に十分こたえられるよう、「十分にフレキシブルな対応が必要」だと述べました。キリエンコ総裁は、ロシアのトルコ、アルメニア、イラン、インド、チェコ、ウクライナなどの最近の活動を紹介しながら、各国の国産化やジョイントベンチャーなどの要求に応えるなど、導入国のニーズに応えた「フレキシブル」な協力を行っていると強調しました。
午前中のプレナリー・セッションでは唯一の日本・東アジアからのプレゼンターとなった原産協会の服部拓也理事長は、「原子力エネルギーでのイノベーションと社会への貢献」と題して講演(=写真)。日本の科学技術政策を紹介したあと、原子力におけるイノベーションの概念として、①持続可能な発展の実現②経済発展、エネルギー・セキュリティ、環境保護(3E)の同時達成③低炭素社会の実現――の3点を指摘。このためには、政府政策による全面支援、産学協力、人材育成、国際協力、3Sの遵守などが必要だとしました。
服部理事長はこのあと、次世代軽水炉開発、東芝の小型高速炉である4S炉、JAEAの高温ガス炉、高速炉サイクル開発など、日本の進めている革新的な原子力技術の開発についても概説しました。
○ 大規模な原子力展示会-主要国が展示
Atomexpoの会議会場の大きなスペースでは、ロシア、カザフスタン、フランス、ドイツ、中国、インドの各原子力機関・企業が出展して、大規模な展示会が開かれました(=写真)。大型のiPadや3D画面を使った大規模なロスアトムのブースや、白を基調とした品の良い展示にカフェを併設したジーメンスのブースが目を引きました。日本からの出展は今年も無し。展示会の来場者は4,000人を超え、昨年より28%増となりました。
(2)カリーニン原子力発電所訪問
モスクワとサンクトペテルブルクとのほぼ中間地点にカリーニン原子力発電所があり、3基の100万kW級PWR(VVER)が運転中、1基が建設中。この地点は、電力潮流の観点から両都市への電力供給に都合の良いこと、周囲に湖沼があって冷却水に恵まれていることなどから選ばれました。
運転中の1~3号機のうち、1、2号機は初期型のV-338型、3号機はその後、標準型炉になったV-320型。前者を「小」VVER-1000、後者を「大」VVER-1000とも表現しています。これは320型が標準型炉として多数、建設されていることからきているといいます。
原発構内 |
3号機
訪問時には定検中だった3号機の中央制御室は、ドイツ・ジーメンスの設計をロシア国内でライセンス生産した、フルデジタル仕様のロシアでは初めての近代的なもの。左側が原子炉制御系、右側がタービン・発電機関係で、主循環ポンプ、原子炉保護系、圧力容器、蒸気発生器の状態などの原子炉の重要なパラメーターは、中央上のパネルにて、集中的に見ることができます。
タービンは高圧1台、低圧4台の3,000回転で、低圧タービンの最終3段にはチタン製ブレードが使われています。排熱の一部は3km離れた町の地域暖房や外部のコンクリート製造工場にも送られています。
運転サイクルは12か月で定検40日ですが、18か月へ段階的に上げていく計画で、申請中。段階的に行うのは燃料の対応のため。今回は4年に一回の長めの定検で50日間を予定しています。
冷却は近傍の湖(1億m3)から取水し、もう一つの湖(2,000万m3)へ放水しますが、冷却塔を併用(ΔTは10℃)。冷却水の温度を下げて環境影響を減らすため、現在、原子炉3基で2基の冷却塔を共用していますが、環境保護規制の強化により、さらに2基を建設中。湖は漁業にも使われているとのこと。
4号機の建設状況
1986年8月に着工しましたが、その後中断し、2006年に建設再開を決定、2008年に建設を再開しました。2年間で原子炉建屋、タービン建屋をほぼ完成し、2011年9月完成、10月定格出力運転の予定。建設にはトヨタのカイゼン方式を取り入れ、工期を短縮できたという。現場では4,200人が作業中。
4号機の格納容器内にて |
格納容器内に圧力容器、4つの横置きSG、主循環ポンプなどが据え付け済みで、年内には格納容器内の主要機器据え付けを完了の予定。低圧タービン4台や発電機ステータの組み立ては終わり、今後は高圧タービンや発電機を組み立て。復水器管はステンレス製。
格納容器内のクレーンは容量が160トンなので、2台を同時に使って重量物の組み立てを行います。カイゼン・カンバン方式をとりいれたのは「上が目を光らせている」からだということですが、現場のインセンティブが上がり、仕事の質が上がった、もっとも、旧ソ連時代から、現場の「提案活動」はあったともいいます。
1-2、3号機用のフルスケール・シミュレータ見学
カリーニン原子力発電所内の訓練センターは、1986年に設立され、1、2号機用、3号機用の2種類のフルスケール・シミュレータがあります。1、2号機の中央制御室は1960年代に設計され、運転開始後25年が経過しため、大規模改修の時期にきています。フルスケール・シミュレータも今後3年間で表示板などをすべて取り替える予定。
3号機のシミュレータ |
米原子力エネルギー協会は6月18から19日にかけ、サンフランシスコで年次総会”NEA2010”を開催。「原子力のニューフェイス」をテーマに、原子力ルネサンスの活気に湧く総会となりました。原産協会からは下山俊次顧問ら2名が参加しました。
年次総会では、ニューフェイスであるノースロップ・グラマン社の原子力産業界への参入に関する動向や、twitterやfacebookなど新しいソーシャルメディアが台頭する現代の危機管理対策などが紹介され、新時代を予感させる動きもありました。しかし最も話題となったのはサザンカンパニーです。同社のアルビン・W・ボーグル発電所増設プロジェクト(AP1000×2基)がオバマ政権から融資保証を付与されることになったことは、米原子力産業界を活気付けており、同社は今回、原子力産業界を牽引した企業に与えられるウィリアム・ステイツ・リー賞を受賞しました。
同プロジェクトの地元であるジョージア州公益事業委員会(PSC)のS.ワイズ委員も講演し、「コストなど経済性だけでなく、相互間の信頼と対話が決め手となった」とプロジェクト承認(昨年3月)に至った経緯について語りました。また同社の会長社長兼CEOであるD.M.ラトクリフ氏は、安全こそがトッププライオリティだとした上で、すでに建設前準備作業や運転員の訓練に着手していることを明らかにし、今後COLを取得次第着工し、3号機を2016年、4号機を2017年にも運開させるとの見通しを示しました。そして同氏は、「我々がトップを走っているが、今後は産業界全体が後に続こう」と各社のCEOが居並ぶ会場全体に力強く呼び掛け、喝采を浴びました。
なお会場では展示会も併催され(=写真)、B&WやGE日立ニュークリア・エナジー社、ウェスチングハウス社などの米企業とともに仏アレバ社、三菱原子力システム社(MNES:三菱重工業株式会社の米法人)等がブースを出展し、大いに賑わいました。
当協会は6月19日、福井市で開催されたAPECエネルギー大臣会合展示会に出展しました。MADE IN JAPANをテーマに日本の誇る原子力発電技術をアピールし、タイや台湾の大臣一行らが熱心にスタッフの説明に耳を傾けました。
当協会ブース |
□「原子力産業セミナー2012」を12月に東京と大阪で開催、参加企業を募集
当協会は、主に大学生・大学院生を対象に、原子力産業の理解促進を図るとともに企業・機関と学生の就職活動支援を目的として、2006年度より毎年「原子力産業セミナー」を開催しています。第5回となる今年度のセミナーは、本年12月11日(土)に東京・新宿エルタワー30階「サンスカイルーム」で、
12月18日(土)に大阪・ハービスOSAKA地下2階「ハービスホール」で開催します。
前回の「原子力産業セミナー2011」では、43社(延べ60社、東京会場37社、大阪会場23社)の会員企業によるブース展示に、全国から1,116名の学生が来場しました。
なお、参加される企業の募集にあたり、7月15日(木)午後に当協会会議室にて、セミナー開催概要と昨年度セミナー実績報告などの説明会を開催します。就職情報専門機関より新卒採用戦線の貴重な情報も紹介しますので、採用を計画されている会員、また、学生への企業PRをお考えの会員の皆さまは、是非ご参加ください。
詳細・参加お申込みは、http://www.jaif.or.jp/ja/nis/2009/seminar_report100215.html
当協会では、向坊隆記念国際人育成事業の一環として、来年、英国オックスフォードで開催が見込まれる「世界原子力大学(WNU)夏季研修(Summer Institute)」の参加費用を助成する予定です。
この事業は2年前にスタートし、昨年の夏季研修には、4人の将来を期待される会員企業・機関の若手技術者、研究者がこの事業から参加しました。来る7月3日~8月14日の夏季研修にも4人が参加予定です。
夏季研修は、6週間、オックスフォード大学の寄宿舎に寝泊りし、IAEAなどの国際機関や各国の現役リーダー/OBによる講義や議論などを通じてリーダーシップについて学びます。
今回の助成のご案内は今秋10月以降に行います。会員の皆さまのなかで有望な若い方があれば今から応募準備いただければと思います。
なお、向坊事業の内容はこちらをご覧ください。
http://www.jaif.or.jp/ja/wnu_si/index.html
□原産協会HP(一般向け)の更新情報 ( http://www.jaif.or.jp/ )
*国内、海外ニュースは毎週および随時更新しております。
〈原産協会からのお知らせ〉
・『第4回ベトナム国際原子力展示会に日本連合として出展』を掲載 (6/3)
□動画配信 ( http://www.jaif.or.jp/ja/jaiftv/ )
・「新規導入に向けて動き出したベトナム-原子力発電計画の概要-」(6/15公開)
□会員向けHPの更新情報( https://www.jaif.or.jp/member/ )
・JaifTv動画配信に『新規導入にむけて動きだしたベトナム -原子力発電計画の概要-』を追加(6/15) ・「日本の原子力発電所の運転実績」5月分データ(6/8) ・「第60回通常総会 開催のご案内」を掲載(6/1) ・「カマルディノフ・アキルベク駐日カザフスタン大使の講演会」(5/26)
□英文HPの更新情報( http://www.jaif.or.jp/english/ )
・Atoms in Japan (AIJ) : 週刊英文ニュース(18本 6/1-6/25)
・Information:[AIJ FOCUS] World’s Nuclear Generating Capacity at 389,156
MW, No of Units Unchanged -JAIF Annual Report “World Nuclear Power Plants
2010” (6/10)
[服部理事長]
・6/5(土)~6/13(日) ロシア国際フォラム(ATOMEXPO2010)出席他に伴うロシア出張
[石塚常務理事]
・6/3(木) アジア原子力人材育成会議出席(於:福井県国際交流会館)
◇役員の雑誌等への寄稿、インタビュー掲載記事◇
○服部理事長
・電気新聞(2010年6月10日 1面)
連載企画(インタビューシリーズ)「原子力輸出 問う」最終回
・JFEスチール㈱
・㈱ダイヤコンサルタント
・産業科学㈱
・イーエムキューブ㈱
中国の原子力開発事情と原賠制度について
今回は、今後とも日本の原子力関係者とさまざまな関係が予定される中国の原子力開発事情と原賠制度についてQ&A方式でお話します。
Q1.(中国の原子力開発事情) 中国の原子力開発はどのような状況ですか? |
A1.
・ 中国における最初の原子力発電プラント秦山1号機は、1985年3月に建設工事着工、1991年10月に臨界、1994年4月に営業運転開始となりました。
・ 中国では現在11基9百万kWの原子力発電プラントが運転中であり、26基3千万kWが建設中、さらに10基9百万kWが計画されています。
・ 政府の「中長期原子力開発計画」では2020年までに4000万kWを運転開始し、2030年までに2億kWを目指すことになっています。
・ 中国では原子炉の主要機器の国産化が進められており、現時点の国産化率は80%となっています。
【A1.の解説】
中国のエネルギー消費は1978~2007年に4倍に増加しており、現時点で世界第2位(石炭換算で260億トン)となっています。資源別に見ると、石炭が7割、石油が2割、原子力は0.8%であり、環境影響などの観点から、石炭に依存しているエネルギー消費構成を適正化することが急務です。
中国政府は2005年から2020年を対象とした「中長期原子力開発計画」において、原子力発電設備容量を2020年までに4,000万kWまで拡大するとしており、さらに2030年までに2億kWを目指しています。
中国の原子力発電の基本方針は、安全性と経済性を重視しつつ、海外の先進的技術を導入すると共に国内技術の向上による原子力発電所の建設能力を確立すること、100万kW級PWR-高速炉-核融合炉の開発路線の進展、国内原子力産業体系の構築とされています。
2010年1月1日現在、11基(PWR 9基、PHWR 2基)911.8万kWの発電炉が運転中であり、26基2,944.4万kWが建設中、さらに10基902.2万kWが計画されているため、4,000万kWは予定より5年早い2015年に達成できる見込みとなっています。
また、世界原子力協会(WNA)の今年4月時点の調査によると、今後15年以内に稼動を目指す原子力発電は世界で539基にのぼり、中国は177基と全体の32.8%を占めるとされます。
中国の核燃料サイクルについては、ウラン資源、ウラン濃縮、核燃料加工、使用済み燃料再処理のリサイクル方針に則り、海外からの技術導入・研究開発および関係施設の計画・建設を進めています。
中国の自主化・国産化路線により、プラントの主要機器(圧力容器、蒸気発生器、原子炉冷却ポンプ、炉内構造物など)の国産化が急速に進められ、現時点で100万kW級の原子炉の国産化率は80%となっています。
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Q2.(中国の原賠制度) 中国の原賠制度はどのようになっていますか? |
A2.
・ 中国の原子力関連法規は未だ十分な状況にあるとは言えず、原子力法については草案が相当以前に作成されたものの制定されるに至っていません。
・ いわゆる原賠法についても、国の法律として制定されていませんが、原賠制度に関する国務院の見解により、制度の方針が示されています。
・ 事業者の責任は有限(限度額までのみ責任を負う)であり、賠償措置額は日本の30分の1程度です。また、政府補償も有限となっています。
・ また、こうした特殊な制度が示すように、中国は現在、原賠制度に関する国際条約には加盟していません。
【A2.の解説】
中国の原子力関連法規については、国の法律では「放射能汚染防止法」が存在する程度であり、各種の規制・防護・損害賠償・国際協力等に関わる事項は国務院の行政法規、各行政部門の規則、国際条約等に拠っています。
原賠制度に関する法律案については、1989年7月に全人代常務委員会に提出された中国原子力法(草案)の第10章「原子力損害の賠償責任」に記載されていますが、原子力法自体が未だ制定されていないこともあり、実際上の原賠制度については国務院から1986年及び2007年に公布された文書で示されています。ちなみに、2007年の原子力発電機構宛文書「原子力事故の損害賠償責任問題に関する国務院の回答」によれば、原賠制度の基本的事項である責任集中、責任限度額、損害賠償措置、国家補償、免責事項等を含む、損害賠償責任に関する基本方針が示されており、事業者の最高賠償額を3億元(約40億円*)とし、その財務的な措置として保険への加入を求めています。賠償すべき総額が規定された最高賠償額を超えたときには、国家が8億元(約107億円*)を限度に財務補償を提供します。また、事業者の免責事項として武力衝突、敵対行動、戦争あるいは暴動により直接生じた原子力事故によって引き起こされた損害が挙げられています。
なお、原子力に関わる国際条約については、中国は「原子力事故の早期通報に関する条約」と「原子力事故または放射線緊急事態の場合における援助に関する条約(原子力事故援助条約)」の締約国ですが、原賠に関しては何れの国際条約(パリ/改正パリ条約、ウィーン/改正ウィーン条約、補完基金条約(CSC))にも加盟していません。
また、中国においては損害賠償措置の財務的保証の役割を担う中国原子力保険プールが組織されており、我が国をはじめ世界各国の保険プールとの間で原子力保険に関わる再保険取引を行っています。
(*2010年6月15日の為替レートにより換算)
シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」のコンテンツは、あなたの声を生かして作ってまいります。原子力損害の賠償についてあなたの疑問や関心をEメールで genbai@jaif.or.jp へお寄せ下さい。
「安全なことをするって、いいこと!?」
「ママっ!死んだらみんな、テレビに出られるの!?」とある日、有名人の訃報を伝えるテレビを見ていたとき、息子に聞かれた。当時、小学1年生の息子は、人が死んだときは、みんなテレビで知らせしてくれるものと思ったらしい。
日本人の死亡者数は、年間100万人以上。100年後には、今目の前にいる人たちは、(ほとんど)みんないなくなってしまう、というか、地球上にいる人はみんなごっそり総入れ替えになっていることを考えると、なんだか不思議だ。とにかく、死亡者全てを報道していたら、毎日訃報だらけになってしまう。私は、「有名人だから、テレビで取り上げてくれるのよ。普通の人は、死んでも、テレビには、出られないから。まあ・・・、よっぽど珍しい死に方、例えば・・・、『(日本で)アリに噛まれて死んだっ!』とかであれば、テレビに出られるかもね。」と応えたら、息子は大爆笑していた。
その後、ちょっと不安になった。最近は、子供の死亡事故がテレビでもよく取り上げられている。「そんなことまで・・・」と思う。例えば、『小さな子供が椅子から落ちて公園内の植木に刺さって』、『祖父の操縦するラジコンヘリコプターが孫にあたって』、『保育園でかくれんぼ中に』、『保育園の車の中に乳児を置き忘れて』『薬剤師が薬の調合ミスで』、『虫歯の治療中の麻酔によって』・・・と記憶力の悪い私ですら、次々と思い出す。もしかしたら、小さい子供の場合は、そんなに珍しくないことでも、テレビで報道されるかもしれない。
確かに、小さな子供が命を落とすことは、大変ショックなことである。しかし、それは「一家の一大事」であることには間違いないと思うが、「国家の一大事」ではない。人間は、「生き物」であって、「化け物」ではないので、いつか死ぬし、運が悪ければ早くに死ぬ。日本では、報道回数とは裏腹に、子供が死亡する確率は、この100年程で驚くほど激減していて(図1)、マスコミで大騒ぎして注意喚起する必要があるような悪い事態には陥っていない。このデータを見つけたときに、私は、むしろ日本での子供の死亡率の低さに感動した!
テレビ報道では、相変わらず、小さな子供の死亡事故について、大きく取り上げられているが、大騒ぎすればするほど、子育て中の親や祖父母、保育園や学校の先生、小児科の医師等、子供に係わる人々は、「(失敗して、報道されるのは)明日は、わが身」とビクビクしているのではないかと思う。そして、「子供が少ないほうが、目が行き届いて安全」、「安全に育てるために、二人目はやめておこう」、「見る必要のない他人の子の面倒はみないようにしよう」となる。自分のミスで(自分の)子供を死なせてしまうリスクをゼロにしようとすれば、究極には「(子供を)産まない」という結論になってしまう。
子供の死亡事故同様、原子力発電に関する事故も、マスコミは大きく取り上げる。子育て中の親同様、原子力発電所で働いている人たちも、同じように日々、「絶対に、失敗してはいけないっ!」と大きなプレッシャーがかかっていると思う。事故が起きる可能性を「ゼロ」にするためには、究極には、「発電所を止め、エネルギーを生み出すことをやめる」しかない。
日本では、労働災害による死亡者は、子供の死亡率と同様に減っていて、近年では数千人程度(図2)。しかし、自殺者は、年々増加し、3万人以上である(図3)。日本は、安全ではあるが、あまり生きていることが「幸せ」と感じている人は少ないのかもしれない。
最後に、息子のランドセルの中から出てきた興味深いプリントについて紹介したい。小学校での安全指導の授業では、様々な危険な行動を紹介した後に、生徒に「けがをしないために、今日からどんなことに気をつけるか?」と問いかけ、回答させているらしい。この問いに対する息子の回答は、「(けがをしないためには)家でねっころがって、テレビを見たり、ゲームをしたり、みかんを食べたり、こおりを食べたり、デュエル(ゲームのこと)をしたりして、あんぜんなことをする」であった。驚きと共に、「息子の書きそうなことだ・・・」と思わず苦笑してしまった。
しかし、更に驚いたことは、その回答に、先生が(大変よいという意味の)花丸をつけていることだった。たぶん、筆が滑ったのだと思うが・・・(笑)。とにかく、近年は「安全」が重視され、「少しでも危険なことは止めておこう」と考える傾向にある。しかし、このような「安全なら何をやっていてもいい」という考え方では、産業活動を含めた全ての活動を停止する方向に走り、「オタク」のみならず、毎日家でごろごろして「コタツ」からも出ないような国民が増殖してしまうのではないかと思う今日この頃である。 (M.K)
図1. 日本の乳児死亡と新生児死亡の100年の年次推移 |
資料:人口動態統計100年の年次推移 (厚生労働省ホームページより) |
図2.労働災害による死亡者数(推移) |
平成12年4月 労働省発表資料より |
図3.日本での自殺死亡数の年次推移 |
注: 昭和19~21年は資料不備のため省略した。 |
資料:厚生労働省ホームページより |
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