[原子力産業新聞] 1999年11月11日 第2012号 <6面> |
原研、JT-60使い全プラズマ電流の連続運転法開発日本原子力研究所は9月30日、臨界プラズマ試験装置「JT-60」を使い、核融合炉のための連続運転法の開発を進めてきたが、プラズマ電流を連続的に流す新しい連続運転法を世界で初めて実証したことを明らかにした。 核融合炉の連続運転を実現するには、トランスの原理(電磁誘導方式)によらない方法でプラズマ電流を流し続ける必要があるが、これでは間欠的にしか流すことができなかった。そこで、原研では連続運転に向けて、92年頃から構想に着手し、95年から実験を行ってきたところ、このほど、1.高いプラズマ圧力を実現できる「おむすび型プラズマ形状」、2.プラズマ圧力を安定に高く保つように加熱パワーを調整、などの工夫を施したプラズマ制御方法を「JT-60」で考案した。「JT-60」で、今回新たに考案したプラズマ制御法を負磁気プラズマ方式に適用し、プラズマ電流のほとんどをプラズマ自身が発生する電流で流した。さらに、この自発電流と中性粒子ビーム入射による電流を組み合わせることにより、プラズマ電流の全てをトランスの原理を用いない方法で流すことに成功し、負磁気プラズマ方式による新しい連続運転法を世界で初めて実証した。 現在設計が進められているコンパクトITERでは、将来の核融合炉を見通すために核燃焼プラズマの連続運転法が重視されている。とりわけ日本が世界に先駆けて提言し、「JT-60」で開発した負磁気プラズマ方式を用いた新しい連続運転法の実証が待たれていた。
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