[原子力産業新聞] 1999年11月25日 第2014号 <1面>

[JCO臨界事故] 科技庁、安全の徹底求め説明会

中曽根科技庁長官、「原点に戻り、再構築を」

科学技術庁は19日、原子炉等規制法の対象事業者に出席を求め、JCO事故を踏まえた原子力安全の徹底に関する説明会を東京・港区の虎ノ門パストラルで行った。この中で、中曽根弘文同庁長宮は原点に立ち返って、1.安全・防災体制の整備、2.質の高い人材の確保、3.必要な資金投入、などを主とする安全確保の再構築の必要を訴えた。

この会合は原子力事業者に、臨界事故を受けて安全委員会で取りまとめられた緊急提言の概要を説明するとともに、制定に向けて動いている改正炉規法と原子力災害特別措置法など、国の取リ組みについて周知させるのがねらいで、原子炉設置者、加工事業者を始めとする126社が対象となり、当日は107社の代表者や安全管理責任者ら計186名が参加した。

冒頭、中曽根長宮は挨拶に立ち、今回の事故を「わが国の原子力開発利用にとってこれまでにないほどの大きな試練」と受け止め、これを教訓に体制の整備を図り、新しい時代を拓いていく契機としたいとの認識を表明した。

また事業者に対しては、国の動きに呼応して安全管理を強化し、一層質の高い安全確保システムを構築するよう求めた。加えて、長宮は「安全に対する軽視が自身を危険にさらすのみならず、企業や社会にも取リ返しのつかない結果を招きかねない」と警告し、それぞれの職場で今一度安全対策を再確認するよう要請した。


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