[原子力産業新聞] 1999年11月25日 第2014号 <3面>

[仏・廃棄物管理庁] サイトの3次元地質調査開始

フランス放射性廃棄物管理庁(ANDRA)は15日、北東部のブールでフランス初の高レベル放射性廃棄物(HLW)深地層処分地下研究所建設のための3次元地質調査を開始した。

今回の調査は、94年から96年に行われた同地点の2次元調査で地下420〜550メートルの位置に厚さ約130メートルの断層のない粘土層を確認したのに続くもので、地下研究所建設の実質的な第1段階の作業となる。音響測深装置を使って地下約500メートル地点の地層環境を3次元で探り出し、研究所設置に最適の位置を正確に特定する計画だ。

第2段階となる来年2月には、掘削の影響を評価するために試験坑道を掘削する予定だが、ここでは入口となる直径5メートルの立坑のほか、100メートル離れた位置に直径3メートルの空気抜けを地下500メートルまで掘った場合でも地層に悪影響が及ばないことを確認する。ANDRAは実際の掘削作業を2000年9月に開始し、2001年末までには終えたいとしている。フラノスではHLWの効果的な貯蔵方法について複数の選択肢の可能性を考慮した後、2006年に議会が最終的な評価を下すことになっているので、ブールでの研究も2006年に完了する予定だ。

なお、今回の調査実施に先立ちC・ピエレ産業担当閣外相は8月に公布した政令に基づき、ブール・サイトがまたがるムーズ県とマルヌ県、地元の労働組合、および地下研究所の建設に反対の立場を取る団体らの代表93名で構成される「地元との情報連絡委員会(CLIS)」を発足させた。CLISは研究所建設に関する技術情報の地元への確実な伝達を目的としたもので、年間200万フランの国家予算が付けられている。


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