[原子力産業新聞] 1999年12月2日 第2015号 <2面>

[日立製作所] 大型復水器工場建設に着手

日立、茨城県の自社港内に
競争力強化めざし、来夏の竣工・稼働を予定

日立製作所は11月25日、茨城県日立市の日立港内に計画していた原子力・火力発電プラント用大型復水器工場の建設に着工した。来年8月末に竣工、稼働の予定。国内の発電所建設が端境期を迎え、海外や国内各社の価格競争が一段と激化する中、大型ブロック化による工期短縮やコスト削減を図り、競争力を強化するのが目的。さらに同社では、大物生産拠点を茨城地区に集約することにより、生産効率を向上させたいとしている。

新工場の従業員は5人でスタートさせ、将来は80人体制にする予定。新工場が建設されるのは、同社が1989年に茨城県から購入した日立港第4埠頭内用地(約14万1,000平方メートル)内。港に直結しているため、工場内で百数十トンから300トンの大型ブロックに仕上げたうえでの一括輸送が可能になる。港まで陸上輸送する必要がないため、輸送費や保管費が削減できるうえ、陸上輸送を行う場合のように数十トン程度のブロックに組み立てて建設現場で大掛かりな組み立て作業を行う必要がなく、大幅な工期短縮、コスト削減を実現できる。

同社は新工場建設により、現在の生産拠点である関連会社の日立エンジニアリングサービス(HESC0)田浦工場(神奈川県横須賀市)では行えなかった復水器の大型ブロック化および一胴あたり約6か月の工期短縮、約3〜4割の原価低減を目指す。HESC0田浦工場は新工場完成後には、市場が拡大している原子力用給水加熱器などの専門工場とする計画。


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