[原子力産業新聞] 1999年12月2日 第2015号 <2面>

[JCO臨界事故] 転換試験棟、ロットごとに作業

科技庁調査、7バッチ目で臨界

JC0事故について、科技庁は11月26日の原子力安全委・事故調査委で、JC0は転換試験棟での精製後の「常陽用」の8酸化3ウラン粉末を製品硝酸ウラニル溶液にする工程を許可上の手順を逸脱する形で色々と変更していたことを閉らかにした。

JCOは旧動燃との協議で、輸送の単位を硝酸ウラニル溶液約40リットル(これを『1ロット』と呼ぶ。4リットル製品容器10個分)と設定していた。

精製後の8酸化3ウラン粉末は許可上は再び溶解塔に入れ、1バッチ(凝縮度18.8%で2.4キログラムU。1ロットは7バッチに相当)毎にウラン液貯塔に注入して製品を得ることになっているが、86〜88年にかけては溶解塔から出た溶液をそのまま専用容器で製品容器(ステンレス製ビン、4リットル入り)10本に入れ、それぞれのビンから0.4リットルずつ分取し、別の容器に入れ計4リットルで混合(クロスプレンディング)していた。その後溶解塔は使わず、そのままバケツで溶解し、先の方法で混合。さらに95〜96年には精製前の工程から溶解塔は使わず、精製後の粉末は貯塔に7バッチ分を入れて均質化した後、製品容器に入れていた。今回の事故時にはバケツで1バッチずつ溶解したものを、形状管理されていない沈殿槽に入れて、7バッチ目を入れているところで臨界になったとしている。


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