[原子力産業新聞] 1999年12月2日 第2015号 <3面>

ロシア、受託再処理に向けて法案提出

ロシア原子力学会が11月22日付けで伝えたところによると、ロシアで国外原子炉からの使用済み燃料再処理を可能にする法案が議会に提出された。

「使用済み核燃料の再処理および貯蔵事業について」と題されたこの法案はすでに政府による初期審査を終え、議会の第1読会に回される手筈になっている。ロシア原子力省(MINATOM)では同法案が承認されれば、旧ソ連諸国を除く外国からの受託再処理事業によって今後20年間にわたり200億ドル相当の利益がもたらされると見込んでいる。

この法案は現行法の環境保全や原子力利用に関する記述の一都変更を含んでおり、再処理と一時的な貯蔵を目的とする使用済み燃料など、いくつかの放射性物質の輸入が合法化されることになる。すなわちここでは使用済み燃料を放射性廃棄物の範疇から外すことが意図されており、貯蔵および処分を目的とした放射性廃棄物の輸入禁止条項は現行どおり温存される計画だ。

同法案ではまた、諸外国との取り引き契約で得られた利益の少なくとも40%は、放射性災害で廃止措置になった施設の解体利用などロシアのこれまでの原子力事業におけるマイナスの活動結果を一掃するために利用するほか、残りは使用済み燃料を一時貯蔵および再処理するための施設への投資と操業に使われると明記されている。


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