[原子力産業新聞] 1999年12月9日 第2016号 <1面> |
世界核燃料加工企業、ネットワーク化めざす東京で共同声明、「世界共通の安全文化を」我が国と欧米の主要核燃料加工メーカーの代表者が6日、東京に集い、JC0臨界事故を踏まえ核燃料加工としての安全確保策について協議し、参加者が協力して世界共通の原子力安全文化を強化していくことが必要とする共同声明を採択した。 今回の会合には秋元勇巳三菱マテリアル・三菱原子燃料社長を始め、日本ニユクリアフユエル、原子燃料工業、住友金属鉱山、原研、サイクル機構の国内関係機関の代表のほか、海外からリコー・コジェマ副社長、スペッカー米GEニュークリアエネルギー社長、ボナーBNFL社長らが参加。会合では石川迪夫氏から臨界事故の調査結果についての報告後、この事故の各国の影響について、それぞれの国の加工メーカーの参加者から報告が行われた。 共同声明では、ヒューマン・ファクターが今回の事故の主要因となったとし、組織内のレベルが如何にあろうとも違法行為が繰り返され、それが組織の中まで浸透すれば安全文化は風化し、施設の安全確保システムも機能しなくなるとの認識を示し、その教訓を学ぶことの重要性に触れた。 そして燃料サイクル施設の高度の安全性を更に維持向上させていく努力が大切だとし、安全性こそが共通の最重要課題と認識し、参加者全てが分担・協力して世界共通の安全文化を強化することが必要であることに同意するとともに、共通の原子力安全文化を効果的に育成すべく、そのための手段について更に議論を深めていくことを決めた。 参加者は当面はインターネット等を通じて情報の交換や協力のあり方などについて議論していくことにしており、将来的には世界核燃料加工安全ネットワーク(INSAF)のような組織の設立を目指す。
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