[原子力産業新聞] 1999年12月9日 第2016号 <2面> |
日露廃棄物管理会議ロシア、1万トン規模で乾式貯蔵施設建設へ日本原子力産業会議は12月1、2日の2日間、今年度の科学技術庁からの委託事業の一環として「日ロ放射性廃棄物管理専門家会議」を東京都内で開催。ロシアの使用済み燃料と放射性廃棄物の管理、安全規制の現状等について発表が行われた。ロシアからは、原子力省のニキペロフ大臣特別顧問を団長に省傘下の生産技術設計研究所、無機材料研究所、鉱業化学コンビナート、ニュークライド・センター、および原子力放射線安全監視国家委員会から計7名の専門家が来日した。 会議の冒頭、ニキペロフ団長は、最近の欧州での一部原子力撤退の動きに言及し、ロシアでは2010年までのエネルギー政策において、エネルギー需要の増加に原子力が重要な役割を果たすため、原子力からの撤退はありえないと言明するとともに、今後、使用済み燃料管理と放射性廃棄物管理は、原子力を進める上で両国共通の重要課題だと強調した。 ロシア側の発表の中で、チェリャビンスクにあるRT-1再処理工揚についてVVER-440だけでなくVVER-1OOOの使用済み燃料も再処理できるように改造する計画や、クラスノヤルスクに1万トン規模の使用済み燃料の乾式貯蔵施設建設の計画が明らかにされた。また、軍民を含めた放射性廃棄物の最終地層処分場候補として、チェリャビンスク、クラスノヤルスク、ノバヤゼムリャ、極東の4か所における調査の状況が紹介された。 日本からは、原子力環境整備センターの田代晋吾理事を団長とする計9名の専門家と一般参加者約20名が参加。日本の放射性廃棄物管理や地層処分を含む処分研究開発の現状、使用済燃料の輸送・貯蔵技術等に関する発表が行われた。会議では今後も専門家どうしの交流を継続していくことで意見が一致した。
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