[原子力産業新聞] 1999年12月9日 第2016号 <2面> |
シンポジウム、「暮らし・環境・エネルギー−フランスそして若狭から」関西の女性100名、エネ問題で意見交換近畿通産局、大阪科学技術センター、関西原子力懇談会が共催するシンポジウム「暮らし・環境・エネルギー−フランスそして若狭から」が3日、大阪市北区のガーデンシティクラブ大阪で開かれ、関西の原発立地地域や大阪など消費地に住む女性約100名が参加し、それぞれの立場を超えてエネルギー問題に対する活発な意見交換が行われた。 この催しは、エネルギーや地球環境を女性の視点から考えようと草の根の活動を続けている、電源地域や消費地の女性オピニオンリーダーたちによる「原子力広報女性アドバイザー」が企画・運営したもので、講演および美浜、高浜、大飯町の女性たちの自主企画による寸劇、「関西の電気について」と題するパネルディスカッション、参加者が9名〜10名のグループに分かれて語り合う「テーブル交流会」で構成された。 同シンポの冒頭、主催者を代表して挨拶した近畿通産局の射越恭司資源エネ部次長は、電力の半分を原子力が占めている関西のエネルギー事情を説明した上で、「生産地である若狭地区への理解促進のためには、大阪など消費地との相互理解を深めることが大切だ」と述べた。 ジャン・ジャック・ラヴィンニュ駐日フランス大使館原子力参事官は、フランスの原子力事情について講演した中で、原子力発電所の立地問題に触れ、「日本が海沿いに集中しているのに対し、フランスではローヌ河、ロワン河の沿岸等、国内のいたるところに見られ、原子力発電所が国民の身近なものとなっていることが、フランス国民の理解を得られやすい一因となっている」と説明した。 パネルディスカッションでは、コーディネーターを務めた生活科学評論家の稲岡真理子氏が「エネルギー消費地と原発立地県が相互にコミュニュケーションを図り自己啓発活動を行うことは非常に意義がある」と述べた。「原子力広報女性アドバイザー」設立15周年を機に昨年行われたフランス訪問に参加した福井県美浜町の重兼和美氏は、フランスにおけるエネルギー教育について「教科書にエネルギーや廃棄物政策等が体系的に掲載され、原子力の賛否両論を明確に打ち出している点で、日本との違いを痛感した」と語った。
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