[原子力産業新聞] 1999年12月9日 第2016号 <3面> |
ウクライナ、チェルノブイリ原発、来年閉鎖の見通し3号機が期限付で運転再開ウクライナで7月から修理のため停止していたチェルノブイリ原子力発電所3号機(100万キロワット、RBMK)が11月26日に運転を再開したが、国家原子力規制局(SNRA)は、「チェルノブイリ発電所で最後の1基である同炉は来年後半にも最終閉鎖せざるを得ない状況」との見方を示している。 今回の運転再開は政府の原子力審査官達が暫定的に発給した承認に基づくもので、国内送電網に接続するまでの間に運転前の最終計測と安全系のチェックが行われる予定。承認を受けた事項は同炉の物理的な起動と運転前試験とチェック、最小管理レベルおよび通常作業レベルまでの出力上昇であるため、定格出力で運転するためには今年3月に新設されたSNRAから認可を得る必要がある。 しかしSNRAのO・シュミシリャエフ委員長によると、同炉では多くのシステムが劣化しているため運転寿命一杯まで安全に稼働させるのは難しいと考えられ、SNRAとしては全出力換算で最長200日までの認可しか発給しない予定だ。この措置はまた、同発電所内に貯蔵されている新燃料の在庫料に基づいて算定したとしている。 SNRAはこのほか、同発電所における安全文化向上のために一連の対策を策定するよう命じているほか、現在の運転サイクル終了後には広範囲な安全系の改善と大規模な機器の改造が必要だと指摘。これには巨額の資金が必要なことから、原子力発電公社の方から政府に対し、来年にも同発置所の最終閉鎖準備をするよう進言するのが論理的な展開だと強調した。
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