[原子力産業新聞] 1999年12月9日 第2016号 <3面> |
米ウラン濃縮会社、ロシアの核解体ウラン購入継続を決定コストの増大には懸念米ウラン濃縮会社(USEC)は1日に声明を発表し、コスト的な問題はあっても米国の窓口としてロシアの解体核兵器からの濃縮ウランを継続して購入していく考えであることを明らかにした。 昨年民営化されたUSECは商業炉へのウラン濃縮サービス会社としては世界でも最大手だが、ロシアの核解体から出る濃縮ウランの購入契約は、販売およびコストの削減努力によって一部が相殺されることはあっても年々経費の方がかさんでいく傾向にある。昨年、1億2,000万ドルだった同社の収益が2000年には1億1,000万ドルあたりに目減りと予想されることもあって、USECはロシアとの契約の切れる2001年末までの間、商業的な経済性を取り戻すために政府の財政支援が受けられるかどうか3月から交渉を続けてきたもの。 話し合いは現在も継続中だが同社のW・ティンバース社長兼最高経営責任書(CE0)は、「USECは設備や財政的な面においても、顧客である電力会社への継続的な供給と信頼という面からも、また、混乱を最小限に抑える形で濃縮ウランを市場に出す経験という面からも、ロシアの余剰濃縮ウランを購入する米国側窓口機関として優れている」と断言。この契約が同社および同社の株主にとっては非常にコスト高である点を強調し、同社への悪影響を緩和するためにも政府の財政支援が必要だと訴えた。
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