[原子力産業新聞] 1999年12月23日 第2018号 <1面> |
[関西電力] 高浜4号機MOX燃料、一部データに不正BNFLから連絡、プルサーマル延期に関西電力は16日、同社が高浜発電所4号機(PWR、87万kW)で使用を予定していたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料ペレットのうち、 一部外径測定データに不正が見出せたとの連絡が、製造元である英国BNFL社より入ったと発表。同社は同日、受け入れた4号機用MOX燃料8体全ての使用を 中止するとともに、同燃料の輸入燃料体検査申請を取り下げることを明らかにしたことから、高浜におけるプルサーマル開始は、大幅な遅れをともなう見込みとなった。 MOX燃料の製造工程では、その過程において全てのペレットの外径をレーザーマイクロメーターで自動計測しており、仕様値を満足している事は確認している。 今回明らかになった不正は3号機の時と同じもので、BNFL社は全数検査とは別の手計測による抜き取り検査(同精度の機器を便用)を実施せず、 他の検査データを流用するなどしたというもの。これを受けた関電は、受け入れたMOX燃料集合体8体全ての使用を中止するとともに、 輸入燃料体検査申請の取り下げを行うことを発表した。 今回の事態について深谷通産大臣は、1.ペレットの全数自動測定データは存在するので安全性は確保できていると考えられるが、 11月に報告を受けたもの以外にも品質管理データについて流用するという不正があったことによって、BNFL社に対する信頼が崩れたと言わざるを得ない。 今後関電が十分調査し、対策を確立し、BNFL社の信頼を回復できるまで、輸入することは出来ないと考える、2.従ってBNFL社との関係のプルサーマル計画は、 遅れざるを得ない、3.東京電力福島第一発電所のMOX燃料は、BNFLとは別会社のベルゴニュークリア社において製造されたものだが、念のため東電に対して、 再度データを確認するよう指示した。また、当省の管理職をベルゴニュークリア社に派遣することとした−とするコメントを発表している。
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