[原子力産業新聞] 1999年12月23日 第2018号 <3面>

[KEDOと韓国電力] 北朝鮮への軽水炉供与、本格着工で契約締結

朝鮮半島エネルギー開発機構(KED0)は15日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に100万キロワット級軽水炉を2基建設するターンキー契約を同プロジェクトの主契約者である韓国電力公社(KEPC0)と韓国のソウルで締結したと発表した。

この契約には、94年の米朝合意内容に沿って供与される原子炉の設計、建設、および操業に関する事項や条件などが明記されている。これにより、KED0と韓国電力との予備作業契約にもとづいて97年8月に北朝鮮東部の琴湖地区で始まった地ならしやインフラ整備などの準備作業以来、ようやく本格的な建設工事の開始が可能になった。

KEDOは今回の契約締結を「政治的、あるいは財政的な理由により何度もスケジュールの遅延を余儀なくされた同プロジェクトにとって大きな前進」と評価。KED0は最初のユニットが完成するまでの間は今後も継続して北朝鮮政府に重油を供給していく。1、2号機の完成予定日は当初目標の2003年には間に合わず、それぞれ2007年と2008年にずれ込むと見込まれている。

同プロジェクトでは総工費46億ドル(4,800億円)の7割にあたる32億3,000万ドル(約3,400億円)を韓国が負担することになっているが、財政難で調達の目処がたたないなど問題も多く残されている。日本からは10億ドル(1,450億円)を拠出するほか、米国が重油の代金を支払っている。


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