[原子力産業新聞] 2000年1月5日 第2019号 <3面>

[オランダ] 閉鎖撤回求め高裁に提訴

蘭・ボルセラ原発

オランダ唯一の原子力発電所であるボルセラ発電所 (48万キロワット、PWR) の閉鎖計画撤回を求め、同炉の運転会社である EPZ 社の従業員達が先月10日に高等行政裁判所に提訴した。

94年12月に議会が僅差で同炉の閉鎖を決めた時、当時の経済相は代替電源が環境への影響の大きい化石燃料となることを考慮していなかったというのが彼らの主張。また、この年の8月、同炉では有効期限を設定せずに運転認可が更新されていたが、議会決定後に期限は2003年12月末日に変更された。EPZ 社の従業員らはこの点についても争う考えで、運転認可の期限変更は無効だと訴えていく構えだ。EPZ 社自体も従業員達の提訴に対しては全面的な支援を約束している。票決は今月末以降になる見込み。

ボルセラ原発閉鎖計画を見直す動きは去年初頭、環境相が原子力を利用せずに CO2 の排出量を削減する計画を発表したことに端を発した。この計画には原子力発電所のみならず石炭火力発電所、EPZ 社およびその他の電力会社で1,000人以上の従業員が影響を受けることから、ハーグにおけるデモ行進などの抗議活動に発展している。議会でもこの件に関する審議が昨年11月に行われており、温室効果ガスの削減方策について経済相が電力業界と協議することになった。結果が出るのは今年後半になると見られている。


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