[原子力産業新聞] 2000年1月13日 第2020号 <1面> |
[原産] 名刺交換会「安全性向上」誓い新たに、近藤副会長呼びかけ日本原子力産業会議は5日、「平成12年名勅交換会」を東京・港区のホテルで開催した。会場には電力、メーカーをはじめ科学技術庁や通商産業省などから関係者約1,500名が出席。新しい千年期のスタートを切るにあたり、昨年のJCO臨界事故への反省を改めて心に刻み込むと同時に、安全の更なる向上に向けて決意を新たにした。 冒頭、挨拶に立った近藤次郎原産副会長はコンピュータ2000年問題に触れ、同問題が不安視されたにもかかわらず、「取り立てて大きな問題のないままに5日を迎えることが出来た」ことを「喜ばしいこと」とするとともに、同問題が「リスクマネージメントの方法を教えてくれた」と感想を述べた。また、環境問題に言及した同副会長は、京都議定書で定められた国際公約の遵守を「責任としてやりとげねばならない」こととして、原子力の有効性を強調。加えて今年は総選挙が行われる予定であることから、「原子力に関する問題は国の大きな課題なのだから、住民投票に任せるのではなく、国会で議論していただきたい」と要請した。 なお臨界事故については「我々は永久に忘れる事はできない」と述べるとともに、原産会議が昨年10月に呼びかけた「民間原子力関係者の自己改革」に言及し、「本日改めてこれを認識し、一層の安全性の向上に努めることをここに誓約したい」と会場に叫びかけ、全ての参加者とともに誓いを新たにした。 引き続き挨拶に立った中曽根科技庁長官は、臨界事故を受けて先の臨時国会で成立した、改正原子炉等規制法および原子力災害対策特別措置法、さらには今年4月からの原子力安全委の総理府移管などを細分し、「少しでも再発防止に役立てばと思うが、まだ十分でない。これからもやるべき事はどんどんやっていきたい」と安全対策への決意を示した。 また通産省の細田博之総括政務次官は、「次の国会で高レベル廃棄物処分に関する法案を提出して成立を図りたい」と、核燃料サイクルを完結すべく努力を行う決意を強調。加えて原子力の重要性を訴え、自身の選挙区で建設が予定されている中国電力鳥根3号機について「本年必ず電調審に上程するために、地元と協力して推進する覚悟だ」と述べた。また会場の参加者に対して「長期の世界のため、日本の発展のためにも必要な仕事をしている訳だから、この名刺交換会を機に、さらに元気を出していただきたい」と訴えた。 引き続き会は、昨年12月に発足した民間団体「ニュークリアセイフティネットワーク」の牧野昇理事長が乾杯の音頭をとり、歓談へ入った。
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