[原子力産業新聞] 2000年1月13日 第2020号 <1面>

[東京電力] 福島第一・3号機、プルサーマル延期

東電南社長、福島県知事に伝える

東京電力の南直哉社長は7日、福島県庁を訪れ、同社が福島第一・3号機(BWR、78万4,000キロワット)で計画しているプルサーマルの開始時期を延期することを佐藤栄佐久知事に報告した。

プルサーマルの年度内開始に向けて準備を進めてきた東電だが、昨年12月の関西電力・高浜発電所向けMOX燃料を製造している英国BNFL社におけるデータ改ざん問題の発覚を受けて実施している品質管理データの再確認作業に時間がかかるため、10月から行っている定期検査中のMOX燃料装荷は難しいとの判断から、今回の延期が決定された。

東電で使用するMOX燃料はベルギーのベルゴニュークリア社製であり、また昨年9月には品質管理用データ等には問題のないことは確認されていた。しかしBNFL問題を重く見た通産省・資源エネルギー庁からの指示を踏まえて再度ベルゴニュークリア社へ社員を派遣した東電は、「MOX燃料のデータに問題のないことを改めて確認した上で、地元の方々をはじめとする皆さまのご理解を得たい」との考えから、入念かつ徹底的な調査を行っている。

今回の決定で、目標としていた年度内のプルサーマル開始は難しくなったが、南社長はプルサーマルについて「ウランの有効利用につながる現時点で最も確実なプルトニウムの利用方法であり、エネルギー資源に乏しい我が国にとって、その重要性は変わるものではない」と述べ、今後も同計画の実施にむけて最大限の努力を払って行くとの方針を改めて表明した。


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