[原子力産業新聞] 2000年1月13日 第2020号 <3面>

[英・米] BNFL、ABB社原子力部門買収へ

アジア進出の足がかりに

英原子燃料会社(BNFL)は12月29日、アセア・ブラウン・ボベリ(ABB)社の原子力部門を買収することで両者が合意したことを発表した。

共同声明によると、米国に国かれたABB社・原子力部門の主要な事業拠点はBNFLグループのウェスチングハウス・エレクトリック社に統合・運営される予定で、複数の規制当局の承認を経た後、4億8,500万ドル(約509億円)の買収価格で取り引きされることになる。BNFLの具体的な買収対象は米コネチカット州ウィンザーにあるABB社の本部のほか、同州のニューブリテン、ミズーリ州ヘマタイト、ニューハンプシャー州ニューイングトン、テネシー州チャタヌーガにある各支部。また欧州では、スウェーデンのヴァステラスおよびストックホルム、フランスのバラス、ドイツのマンハイム、ミュンヘン、フランクフルト、アジア地域では韓国のソウルと中国の北京にある拠点が含まれる予定だ。

BNFL幹部のJ・テイラー氏はまず、今回の買収が99年初頭のウェスチングハウス社買収を基盤としたものであると指摘。同社が一層広範囲なサービスを顧客に提供する有効な機会になると説明したほか、ABB社のBWR製造技術はBNFLの技術力をさらに拡大していくはずだとの認識を示している。同氏は特に、ABB社の設計を基礎とするPWRが韓国に8基ある事実に言及し、国社の欧米における原子炉設計、燃料およびサービス能力のみならずアジア地域における実績にも大いに期待していることを明らかにした。

一方、ABB社のG・リンダル社長兼最高経営責任者(CEO)は、原子力部門の売却は技術ノウハウとサービスの拡大を目指し、事業統合による相乗効果に焦点を当てた同社の事業戦略に沿うものであると強調。原子力事業におけるBNFLの確固たる立場によって、生産の自動化やシステムの製造、送・配電、石油やガスおよび財務サービスなど様々な点でも効果的な対策が得られるだろうとの考えを表明した。


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