[原子力産業新聞] 2000年1月13日 第2020号 <3面>

[フランス] ルブイエ原発、洪水でレベル2の被害

4基中2基が依然停止

昨年12月28日に西欧の広い地域を襲った暴風雨により、フランスのルブレイエ原子力発電所(90万キロワット級PWR4基)では安全系のダメージなど国際原子力事故評縮尺度でレベル2の被害を受け、5日時点でも1,2号機が依然として停止状態にあることが明らかになった。

ボルドー近郊にある同発電所サイトでは近くを流れるジロンド川から流れ出た水が幾度かに渡って敷地の防波堤を突破。定期検査のため停止中だった3号機も含め4つの原子炉すべてが安全上の理由により運転を停止した。その後、ほどなくして4号機は運転再開を果たしたものの、1,2号機について仏原子力施設安全局(DSIN)は「すべての機器が正常に機能することが確認できるまで運転再開を許可することはできない」と述べ、両炉の安全注入系や格納容器内スプレー系など安全性関連の機器が基準を超えるダメージを受けたことを伝えている。

同発電所では少なくとも最低限の暫定的な修理を終えたとしているが、DSINでは現在、仏電力公社(EDF)による国内発電所の完全な修理計画の審査を行っている。

この暴風雨でEDFは、ルブレイエ発電所だけでなく同じ区域の水力発電所も停止。なぎ倒された樹木や洪水の激流により、総計2,300キロメートルの低圧電線、1,050キロメートルの中圧電線が損害を受け、一時はフランス全土で350万人もの人が電力の供給を受けられない状態になった。現在、EDFの顧客のうち93%で電力が回復しているが、すべての機器を完全に修理するためには40億〜50億フランもの資金が必要になると同公社では見込んでいる。


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