[原子力産業新聞] 2000年1月13日 第2020号 <3面>

[スウェーデン] 南部地方で電力不足の懸念

バーセベック原子力発電所1号機(61万5,000キロワット、BWR)が11月30日に政治的な理由で閉鎖されたことにより、スウェーデン南部地方ではこの冬、ピーク・ロード電源不足に陥る懸念が生じてきた。

電力関係当局の話によると、同炉の閉鎖はスウェーデンとポーランドの間で60万キロワット程度の送電が可能なケーブルの敷設が計画されているとの報道があった直後に実行されたが、その後この送電綱の完成は春までずれ込むことが明らかになっている。また、スウェーデンとドイツを結ぶ既存の海底送電ケーブルも、タンカー事故の影響で少なくとも1、2か月は使用不能であることが判明したというもの。

スウェーデンの専門家達の見方では、電力需要全休への対応に問題はないものの、気温が急激に下がった場合、大容量の電源が国内送電網からはずされたことはピーク時の電力供給に深刻な影響を及ぼす。同国南部地方では一般家庭の5割が電気で暖をとっており、冬季のスカンジナビア半島で気温が極端に低下することはそれほど珍しいことではない。このような点から今後エネルギー政策の適切さという点で政府が厳しい批判にさらされるのは確実と見られている。


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