[原子力産業新聞] 2000年1月20日 第2021号 <2面>

[関西電力] MOXデータ問題で、社内に検討委設置

調査内容等決める

BNFL社において、関西電力・高浜発電所用のウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料のデータの不正が行われていた問題について関電は11日、検討体制、調査内容および当該燃料の措置の方針を決定し、通産省・資源エネルギー庁に報告した。

12月16日にBNFL社からの連絡により、先に判明していた高浜3号機用のペレット外径検査データ不正と同様の不正が、同4号機用MOX燃料の一部でも行われていたことが明らかになったことから関電は、既に受入れ済みだった当該燃料の使用中止を決定していた。

今回の報告は、同問題についてエネ庁から再調査を行うよう指示を受けていた関電が、1月11日、社内に岩崎隆副社長を委員長とする「BNFL製MOX燃料問題調査検討委員会」を設置し、再調査を開始して同問題の原因究明を行うとともに、再発防止策ならびに社会への信頼回復へ向けた諸施策の検討を実施することの決定にともない行われたもの。

具体的検討内容としては、事実関係の再調査として検査データの再分析と英国現地調査を行うとともに、1.関電および三菱重工の品質保証活動においてデータ流用を見抜けなかったとの観点から、発注・契約体制その他の実情を調査し、問題点を抽出、2.BNFLの品質保証活動の実態などを調査し、問題を抽出、3.疑惑発生後の関電の対応状況についての問題点を調査−といった問題点の整理を行う。また再発防止策および地元と社会に対する信頼回復のための検討も実施し、さらには法的問題の検討としてBNFL社に対する法的対応や、加工契約内容の見直しなどを行うために、現在の契約内容の問題点・改善策を法的観点から検討することなども行う方針だ。なお、これら検討内容について関電は、出来るだけ速やかに中間・最終報告書を取りまとめるとしている。

一方、昨年10月に受入れ、現在は使用済み燃料ピットで保管中の高浜4号機用MOX燃料の措置について関電は、現在のところBNFL社の責任で英国に返送・処理することを求めているが、今後もこの方針で対処していくとしている。


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