[原子力産業新聞] 2000年1月27日 第2022号 <2面>

[総合エネ調・原子力部会] 高レベル処分実施主体、拠出金は損金算入に

 総合エネルギー調査会の原子力部会(部会長・近藤駿介東大教授)は19日、第71回会合を開き、高レベル放射性廃葉物処分および解体放射性廃葉物処理処分にかかわる取り組みの状況と、原子力に対する国民・社会の理解促進について議論を行った。

 高レベル放射性廃葉物関連では事務局が、「処分事業を適切に推進するための調査・情報整備、国民への広報活動を行うとともに、処分実施主体および資金管理主体の活動の厳格な監督および業務効率化の検討のために必要な調査:審査をおこなう」ために要求をした、高レベル放射性廃葉物関連の来年度予算および、今国会に提出の「特定(高レベル)放射性廃葉物の最終処分に関する法律案」制定を前提に@原子力発電事業者からの拠出金の損金算入A処分事業に係わる資金管理主体および処分実施主体への国税(法人税、所得税など)、地方税(法人住民税、法人事業税、事業所税)の非課税化――などの税制に関する要求などを説明。

 また解体放射性廃棄物処理処分関係では、原子力発電施設解体準備金制度を拡充し、解体放射性廃葉物処理処分費用を制度の対象費用に追加することといった税制要求を行ことが説明された。

 一方、原子力に関する国民・社会の理解促進については、事務局からは原子力広報評価検討会の議論を踏まえ、受け手の視点に立った積極的な情報提供やエネルギー・原子力教育推進の資料が提出され、それをもとに議論が行われた。

 委員からは「環境問題を無視した場合や、資源問題を無視した場合のシナリオを民間の総研に委託して作成してはどうか」といった意見が出されたほか、「メディアから流された情報が明らかに誤りだった場合は、指摘する仕組みが必要なのでは」といった情報提供の現状に関する提案。また、教育問題に関連したものとして、体験学習の重要性を訴える意見なども出された。次回会合は、2月16日の開催予定。


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