[原子力産業新聞] 2000年1月27日 第2022号 <3面>

[米国] プルサーマル実験実施へ

 19日付の報道でCANDU炉での燃焼実験のため、MOX燃料のサンプルが米国からカナダに初めて運ばれたことが明らかになった。

 第1回目の輸送量は約119グラムで、米国ニューメキシコ州にあるエネルギー省(DOE)のロスアラモス国立研究所からカナダ・オンタリオ州の加原子力公社(AECL)のチョークリバー研究所(CRNL)まで空輸されたと伝えられている。

 AECLのL・シューチャク広報官によると、輸送容器にはMOX燃料の陛、海、空輸送における規制上、保安上の必要条項をすベて満たしているとカナダ原子力委員会が承認したものが使われた。MOX燃料のサンプルは今年の後半にもチョークリバー研究所内の実験用CANDU炉であるNRU炉に装荷され、CANDU炉でMOX燃料を燃焼した場合の各種の実験・分析が三年計画で実施される予定だ。

 この小規模実験は96年のモスクワ・サミットで実施が確認されており、米国とロシアから出る核兵器級余剰プルトニウムを核不拡散上安全な方法で処分する1手段としての有効性を見極めるのが狙い。プルトニウムを最大3%含むMOX燃料のサンプルは米国とロシアが製造する。

 実験の結果、両国がもし余剰プルをCANDU炉燃焼処分すると決定すれば、技術的な面や経緕性などで一層詳細な評価が必要となるため、関係自治体やカ十ダ連邦政府および規制当局が両国の燃焼計画を審議することになる。また、守備よく認可段階に達した場合は、環境規制当局なども含め法制上の必要事項を満たすことが要求されるため、さらに本格的な評価が行われる見通しだ。


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