[原子力産業新聞] 2000年2月3日 第2023号 <3面>

[米・USEC] SIREX法レーザー濃縮に投資

 米ウラン濃縮会社(USEC)は1月24日、今後数か月の間にSILEX法レーザーウラン濃縮技術研究に合計500万ドル(5億2,000万円)を投資する計画であると発表した。

 オーストラリアのSILEXシステムズ社によるこのレーザー濃縮技術研究開発は、現在基本的なパラメーターの取得など第1段階の研究を終えたところ。USECはこの技術の商業利用に関する独占権を持っており、次の研究段階に進む資金として30日以内に250万ドルを投資するほか、同技術を豪州から米国に移転する協力協定がこの春に発効するのを待って、さらに250万ドル投資を行う予定だ。

 研究開発の第2段階で、第1段階で得られたパラメータの確認と商業規模で合理的にウランを大量に分離することが可能かどうかの実証が行われるほか、パイ□ット・プラントの設計および同技術の経済性のさらなる試算が行われる。

 USECのW.ベネット先端技術担当副社長は、「SILEX法の研究開発はまだほんの初期段階だが、経済的に将来非常に有望と評価している」とコメント。現在稼働中のガス拡散法濃縮工場の効率改善を図るとともに、将来技術としての遠心分離法の評価も並行して進めていくとの方針を明らかにした。USECは昨年、商業規模での経済性が確証できないとの理由で原子法レーザー濃縮(AVLIS)の研究開発を断念したばかり。


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