[原子力産業新聞] 2000年2月17日 第2025号 <2面> |
[仏コジェマ社] ガラス固化体、ベルギーに返還へフランス核燃料公社(COGEMA)のラアーグ再処理工場から、近くベルギーに向けて再処理後のガラス固化体が初めて返還されることになっている。 固化体の返還はコジェマとシナトム社(ベルギーのエレクトラペル社とトラクテベル社の子会社)との契約で義務づけられており、このほどベルギー放射性廃棄物・核物質管理庁(ONDRAF)から返還輸送に対する認可が下りたもの。返された放射性廃棄物は地中に最終処分するまで50年の間アントワープに近いデッセルの施設で保管する計画。 ONDRAFによると返還輸送はフランスの再処理工場からデッセル近郊のモル駅まで鉄道を使い、その後、貯蔵施設まではトラックを利用することになる。実際の輸送に先立ち、実物の廃棄物と同じ重量、同じ大きさのダミー廃棄物を使って「テスト走行」を行うとしているが、日程などの詳細は未定だ。 デッセルの貯蔵施設はONDRAFの下請け業者であるベルゴプロセス社が管理しているが、放射性廃棄物の扱いについては10年以上の実績があるため、安全上の問題はないとONDRAFでは強調している。 なお、ベルギーで稼働するドール、チアンジュ両原子力発電所の7基、599万5,000キロワットは昨年1年間に合計470億キロワット時を発電。国内の総発電電力量に占める割合は、前年実績をやや下回ったものの58.3%に達した。また、7基平均の設備利用率も98年実績から5.5ポイント上昇して93.3%を記録するなど、同国の原子力発電が世界でも最高の水準にあることを明確に示した。 |