[原子力産業新聞] 2000年2月24日 第2026号 <1面> |
[原産] 「日越協力連絡委」を設置日本原子カ産業会議は21日に開いた常任理事会で、岡内初の原子力発電所の建設を計画しているべトナムに民間の立場から協力するため「日越協力連絡委員会」の設置を決めた。委員長には金井務原産会議常任理事(日本電機工業会会長)の就任が了承された。同委は電力、メーカー、研究機関、関係省庁等で構成され、概ね1年間、ベトナム側から要請されている、(1)原子力のコンサルタントの派追(2)人材養成(3)立地調査計画(4)法整備−などについて日本側の協力推進の中核としての役割を果たしていく。来月5日からはベトナムの共産党幹部と政府関係者からなる原子力ミッションが来日し、関係者との懇談や原子力施設等の視察をすることになっている。 ベトナムが計画している原子力発電所については、昨年同国の原子力委員会と工業省が連名で、「予備的調査報告」をファン・バイ・カイ首相に提出。そこでは電力需給の必要上、2015年頃までには初号機を運開する提案等が盛り込まれた。首相はこの報告内容を原則的に了承し、次段階に進むため副首相を長とする「準備委員会」の設置を承認するなど、建設計画は具体化の段階に入った。 原産とベトナムとの交流は、原産が昨年1月にベトナム原子力委員長の招聘により、森一久副会長ほか電力関係者からなる原子力発電事情調査団が同国を訪問した時から本格的に始まった。その際、今後の原子力協力を緊密に行う目的で、原産と越原子力委員会と覚書を結んでいる。さらに昨年8月に原産が派遣した東南アジア原子力協力代表団(団長・竹田裕光科学技術庁長官)がベトナムを訪問し、カイ首相らと会見し、越側から原子力発電の導入を検討していること、日本の原子力発電技術を高く評価し、日本の協力を強く期待していることなどが表明された。 ベトナムでは予備的調査報告が提出されて以降、よリ計画を具体化していくため、昨年12月に同原子力委員会から原産に対して(1)今年末までに同委の顧問(コンサルタント)としての専門家の派遣(2)人材養成計画の策定と研修生の受入れ(3)最終的な立地調査計画を策定するための専門家の派遣(4)法整備(5)研究開発−の協力要請が行われた。 今回の日越協力連絡委では、こうした協力依頼について関係者の協力を得て進めていくことにしている。 |