[原子力産業新聞] 2000年2月24日 第2026号 <3面>

[米・エンタジー社] さらに2基の購入で契約

 米国で原子力発電所購入を積極的に進めているエンタジー社は14日、ニューヨーク州で稼働するジェームズ・A・フィッツパトリック原子力発電所(82万9000キロワット、BWR)とインディアンポイント3号機(105万3000キロワット、PWR)の購入でニューヨーク電力公社(NYPA)と合意に達したと発表した。

 購入総額は2基合計で8億600万ドル(888億円)で、エンタジー社は頭金の5000万ドル(55億1000万円)に加えて、分割払い金として毎年原子炉費の8400万ドル(92億5000万円)と燃料費2400万ドル(26億4000万円)を7年間支払っていくことになる。

 一方、ニューヨーク州における電力需要の4分の1を賄う米国最大の州営電力会社であるNYPAは、2004年まではインディアンポイント3号機が発電する電力を100%購入するほか、同炉の運転認可が切れる2014年、フィッツパトリック発電所の認可が切れる2015年までは両炉の廃止措置基金6億3000万ドル(648億9000万円)を保持し、実際の廃炉に際して、原子炉の浄化責任とともに同基金をエンタジー社に引き渡す予定だ。

 この取り引き契約には両社理事会のほかに、米国原子力規制委員会(NRC)その他の規制当局の承認が必要なため、正式な成立は今年の夏ころになると見込まれている。

 ミシシッピー州ニューオリンズを本拠地とするエンタジ一社はすでに南部の3つの州で5基の原子炉を操業。昨年7月にはボストン・エジソン社から北東部マサチューセッツ州のピルグリム原子力発電所を購入したのに加え、今後5年の間にさらなる原子炉の購入で17億ドル(1751億円)を投資する計画を明らかにしており、NYPAとの原子炉売質に関する独占交渉も昨年から始めていた。


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