[原子力産業新聞] 2000年3月2日 第2027号 <3面>

[ロシア・原子力学会] ロストフ1号機年内の完成見込む

 ロシア原子力学会が伝えたところによると、ロシア環境防護省およびロシア連邦専門家委員会が2月7日の会合でロストフ原子力発電所1号機(100万キロワット、VVER)の完工計画を全会一致で最終承認したのを受け、Y・アダモフ・ロシア原子力相は同炉は「年内にも完成する可能性がある」と明言した。

 ロシア原子力公社(ロスエネルゴアトム)の報道官によると、この委員会はロシア科学学会のY・オシポフ総裁を議長に60名の専門家で構成されており、長い間間凍結されていた同建設計画の再開は、環境保護団体から抗議の声が高まっている最中に承認されたと言う。

 ロストフ発電所サイトはウクライナとの国境に近いロストフ・オン・ドン市の東250キロメートルに位置し、80年代半ばの運転開始を目標に1079年と80年に1、2号機の建設が始まったものの資金不足と地元の反対のため中断を余儀なくされていた。完成までにはさらに1億万ドル(109億円)を要すると見積もられているが、首尾よく運転開始にこぎ着ければ、旧ソ連邦崩壊の混乱で国の配電網から漏れてしまったこの地域に総需要量の10〜15%を供給できる計算だ。


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