[原子力産業新聞] 2000年3月2日 第2027号 <3面>

[英・BNFL] ヒンクリーポイントAの排ガス放出量を再分析

 2月17日付けの報道で、英原子燃料会社(BNFL)の一部であるマグノックス発電グループが、ヒンクリーポイントA原子力発電所(各32万1000キロワット、GCR2基)からの排ガスの試料採取と分析の方法を再点検するよう英国環境庁から命じられたことが明らかになった。環境庁が懸念しているのは同発電所からガス状で放出される放射性炭素14の量で、97年12月から99年12月までの計測データについて1週間以内の再分析を指示したもの。

 環境庁によると排出ガスの試料を分析する際の、炭素14と硫黄35の分離過程で計測ミスが見つかったとしており、これまでの試料採取方法では排出量が放射性物質管理法に基づく許容限度を超えないよう計算することが可能だったとしている。同庁は同発電所の運転が再開する前に、従業員の訓練指導要領、また、機材の保守点検および試験の手順も含めて試料の採取方法を詳細に審査する必要があると主張。同発電所が環境庁の要求項目をクリアしていたと判明したとしても、排出物の正確かつ慎重な計測はもとより、満足の行く実績が確保されるよう注意深く監視し続けるつもりだと述べた。

 一方、BNFL側は「許容量を超える放射性ガスが放出された形跡はなく、従業員および一般大衆の健康に何ら影響はない」との声明を発表。しかし、調査結果が出るまでは計測ミスの度合いに関するコメントは控えたいとの見解を明らかにしている。

 同発電所は昨年4月に設備改善作業に入っており、運転再開は原子炉圧力容器鋼材の物質特性のデータ分析が終わる5月以降になるとBNFLでは予測している。


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