[原子力産業新聞] 2000年3月2日 第2027号 <4面> |
[サイクル機構] 核不拡散で国際フォーラム核燃料サイクル開発機構は2月21、22日、「原子力平和利用国際フォーラム――新たな概念の創出に向けて」を東京都内で開催し、核不拡散に関連した国際協力の取り組みなどについて海外の専門家らも交え議論した。初日の夕方には初の試みとして、若手研究・技術者らを対象としたセッション「核不拡散問題への認識を高めよう」も設けられた。 冒頭、都甲泰正理事長は、冷戦終結後の国際社会において核不拡散への一層の努力と原子力平和利用に際しての透明性の確保が求められ、またエネルギーと人類の係わりについての新たな概念創出が必要だとして、このフォーラムがその一助になることを期待すると挨拶した。 鈴木篤之東大教授を座長とする「露の余剰核解体プルトニウム処分問題への貢献」のセッションでは、まず大和愛司サイクル機構理事が、現在進めている「振動充填法」によるFBRでの処分オプションの利点として@現状の施設利用による早期スタート可能Aコスト面で有利B高い信頼性−を掲げたが、今後国際的フレームワークの中で資金・技術的な検討をし、関係各国が確実に役割を果たしていくことを訴えた。また、L・ホルゲート米エネルギー省核分裂性物質処分局長は余剰プル処分に関して、国内のみならず露との共同作業でも兵器転用を不可能にすることを目指し、技術的実証を行ってきた経緯を述べた.対露支援で2001年に4000万ドルが計上され、今春までに両国34トンずつのプルを処分する協定締結が見込みまれている。さらに、E・ブルースト仏原子力庁表国際関係局次長は91年に始まった仏独露の「AIDA/MOX」臨地による解体核プログラムについて、欧州のMOX製造の豊富な経験、信頼性、経済性が活用されていることを紹介したほか、今後はプル処分のレートを引き上げるべく新型炉を開発する必要などを主張した。一方、 V・イワノフ露原子力省第一次官は、かつて軍事利用されていたプルが将来のエネルギーに使われることの意覇を認めたが、自国の財政困難を懸念し、より効率的な技術開発の必要、また使用済み燃料対策について各国の協力を訴えた。 |