[原子力産業新聞] 2000年3月9日 第2028号 <1面>

[原産] 4月26日から年次大会

 日本原子力産業会議は7日、第33回原産年次大会の準備委員会(委員長・森嶌昭夫上智大教授)の最終会合を開き、4月26日から28日の3日間にかけて開催する同年次大会のプログラムを固めた。今年は「信頼される原子力を――今ここから」を基調テーマに、26、27日は東京都千代田区の東京国際フォーラムで、最終日の28日は会場を茨城県の東海村文化センターに移し、住民らを交え議論する。

 大会は4つのセッションと市民の意見交換会、東海村でのシンポジウムで構成。今回はJCO事故の反省、今後の対応など多くの課題とともに、21世紀を前にして、これからのエネルギー安定供給問題、地球環境保全問題など避けて通れない諸問題を含めて、原子力の本来の特性を見つめ直し、その健全な利用のあり方を考えていく。

 初日は開会セッションから開幕。原産会長の所信表明、原子力委員長の所感、大会準備委員長の講演を予定。続いてセッション1では各国の代表らによる特別講演が行われる。2日目の午前は「再編進む海外の原子力産業」をテーマにセッション2が開かれる。現在、欧米諸国では電力供給上の厳しい競争が展開されている。原子力産業でも国境を越えた広範な再編成や提携が進行中で、こうした資木の集中や多領域の提携は良好な経営実績を果たしつつある。ここでは原子力産業の再編成の中心にある企業の代表者が世界の原子力開発の将来を展望し、それぞれの企業戦略などについて意見交換する。

 2日目の午後からはセッション3「これからのエネルギー政策をどう構築するか」を評論家の田原総一朗氏を議長にして、若手の国会議員らと将来の日本、アジア、世界のエネルギー政策のあり方、その対応策などについて議論していく。夕方からは恒例となっている「市民の意見交換会」を開く。

 3日目は会場を東海村の東海文化センターに移して議論する。参加者は前日または当日に電車またはバスで東海村に移動する。

 東海村は我が国の、原子カ開発の出発点であり、原子力の国際協力のセンターとしても位置づけられているが、この地で起こったJCO事故は原子力に対する信頼を著しく損なうこととなった。シンポジウムでは東海村住民の参加の下に、これまでの原子カ関係機関の事故後の対応についで発表し、評価を受けるとともに、これからの社会的・構造的な安全システムを再構築するにはどうしたら良いかなどを含め討論し、今後の東海村と原子力の将来を展望する出発点とする。


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