[原子力産業新聞] 2000年3月9日 第2028号 <2面> |
[原産] OECD/NEAの「信頼醸成」報告書日本語版刊行原産会議はこのほど、OECD/NEAが作成した「深地貯蔵所の長期的安全に対する信頼」と題するレポートの日本語版を原子力資料として刊行した。 本書は、深地層処分の長期的な安全に対する信頼、またそうした信頼を得ながらコミュニケーションを図っていく上での基本的な考え方を示したもので、高レベル廃葉物処分事業(低レベル等の浅地層処分も含まれる)に関わる人々がこれからどのような考えの基に開発の意思決定を行い、信頼の醸成に努めていくべきかを具体的に示した異例の内容である。 高レベル廃棄物等の地層処分施設の開発は設計立案や建設、操業、閉鎖など長期間にわたって各段階を経ていく。関係者はそれぞれの段階で安全であるという論拠を示し、意思決定し、適切な信頼関係を維持していくことが必要である。こうした観点から本書は、貯蔵所が安全だという論拠がどのように構築されていくかを合理的に説明し、信頼の評価、向上、そのコミュニケーションの役割を明らかにし、信頼醸成のための手続きを示している。 目次も「貯蔵所の段階的な開発とそれが安全であるという論拠」「安全であるという論拠の構築」「評価基準の改訂による信頼の向上」などの項目を設け、基本的考え方を説いている。関係者にとっては必読の書といえる。 B5版、62頁。定価3000円(税込み、送料別)。申込み・問合わせは原産・情報調査本部(電話03−3508―7930)まで。 |