[原子力産業新聞] 2000年3月9日 第2028号 <3面> |
[米国など9カ国] 次世代の発電炉開発で声明米国をはじめとする9か国の政府が2月10日に、将来のエネルギー供給オプションの一つとして第4世代の原子力発電システムを研究開発する共同調査の開始で声明を出していたことがこのほど明らかになった。 この声明は1月27日から28日までの間、米国ヴァージニア州クリスタル・シティで開催された次世代型原子カシステム――国際ワークショップの総括として出されたもので、米国のほかにアルゼンチン、ブラジル、カナダ、フランス、日本、南ア、韓国、および英国が名を連ねている。 声明によると、同ワークショップでの議論の中で9か国は次の点で見解の一致を見た。すなわち、@今後50年の間に途上国を中心に電力需要が大幅に拡大するA現在、世界で20億人が電気のない生活を強いられているB温室効果ガスの放出と大気汚染による懸念が増大しつつあるC原子力発電は大気を汚すことなく世界の電力需要の17%を賄っているD原子力は将来も電力供給源と大気の清浄化に重要な役割を果たし続けるEコスト的な競争力の改善が必要とはいえ、現在の第3世代の原子カシステムは今後20年間はい<つかの国の利用可能な発電オプションとして存続するF将来の原子カシステムは経済性、安全性、安定供給牲、廃棄物管理および核不拡散性などの改善を目指して開発されるべきであり、電力消費国による資本参加と共に途上国でも等しく活用できるよう移転されねばならない――など。 9か国の代表らは次に、これらの諸問題の解決に第4世代の原子力発電システムが効果的に効果的に機能するよう、大々的な国民合意のもと、コスト的にも競争力のあるオプションとして開発されるべきだと指摘。先進的な原子カシステムを開発する具体的な方策として、@長期的視野に立った研究開発と実証A放射性廃棄物問題の解決B人的および技術的なインフラ整備C21世紀に向けた効果的な原子力規制の保証を実践していくべきだと言明した。 また、これらの調査活働は先進国、途上国を問わず、適当な国際機関も交えて多国間べ−スで推し進めていくことになる。さらにその次のステップとしては参加国政府を代表する技術グループを設置し、第4世代の原子カシステムの開発について議論させるとともに、将来の多国間協力の可能性についても勧告を出させたいとしている。 |