[原子力産業新聞] 2000年3月16日 第2029号 <2面> |
[原電] 東海第二で伝熱管破断昨年4月から、東海第二発電所 (PWR、110万kW) の定検を行っている日本原子力発電は9日、伝熱管1本の破断が確認されたことを発表した。 これは同機の運転再開準備のために、給復水系統の第5給水加熱器 (C) に通水したところ確認されたもので、調査の結果、破断した伝熱管の組み立て時に生じた微小な「へこみ」に、製造段階で使用した防錆剤などが残留して発生したと思われる腐食ピット (腐食による孔) が確認されたことから、この腐食ピットを起点にして、その後の長期の運転にともない発生する、蒸気の流れによる振動によって仕切板部で繰り返し応力が加わり、ひびが発生し亀裂に至ったとの結論に達したという。 なお原電によると、定検中に当該の給水加熱器については、伝熱管の健全性を確認するための渦流探傷検査 (ECT) を実施したところ、当該伝熱管に認められた指示波形を内面の錆などの付着によるものと判断して対策を講じなかったため、運転再開準備のために通水を行ったところ、当該伝熱管に圧力が加わり破断したものと推定されることから、今後の措置として(1)当該伝熱管に施栓を行い、当該給水加熱器を復旧する(2)ECT 結果については、多重確認を行うなど、検査管理体制の改善を図る−といった対策をとるとしている。
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