[原子力産業新聞] 2000年3月16日 第2029号 <3面>

[オランダ] ボルセラ原発で「早期閉鎖は違法」

蘭・高等裁判所が裁定

オランダの高等行政裁判所は2月24日、同国で唯一稼働するボルセラ原子力発電所 (48万1,000kW PWR) の2003年の早期閉鎖を決めた94年の議会決定は違法であるとの裁定を下した。

この訴訟は昨年、同発電所の運転会社職員が申し立てたもので、「議会決定の4か月も前に期限を定めず更新されたはずの同発電所の運転認可が、議会決定文書で変更されるのは原子力法と矛盾する」と訴えていた。同裁判所は、原子炉の運転認可取消が原子力法の中に明記されている点に言及。ボルセラ原発を早期に閉鎖する政令がその意味で審議されたとは言いがたく、法的な根拠を持たないとの結論に達したと説明している。

今回の裁判所評決は早くても今年の末頃に出ると予想されていたため、丁度時期を同じくして経済省のエネルギー政策に関する報告書について議論していた議員達を驚かせた。この報告書の中には「経済的な面から見ても、また、環境保全の側面から見ても原子力は有利な電源」との考えが表明されていた。


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