[原子力産業新聞] 2000年4月6日 第2032号 <2面>

[原子力安全委・専門部会] 廃棄物安全研究5カ年計画案

 原子力安全委員会の放射性廃棄物安全規制専門部会(部会長・浜田達二原子力安全研究協会常任理事)は3月15日、2001〜05年度にかけての「放射性廃棄物安全研究年次計画」(案)を示した。計画案では廃棄物を処分方法により「浅地中処分」「地層処分」「クリアランス」に分類。その他「他分野との協力」を加えた4項目からなっている。

 「浅地中処分」では、RI・研究所等廃棄物について、発電所から発生するものとの類似・相違点に考慮しつつ研究を進めるよう指摘し、それを達成すべく課題とその目的などを述べている。また、「地層処分」については、高レベル廃棄物処分事業のスケジュールの進展から、地質環境の長期安定性や天然バリアとしての特性など、処分地に要求される環境要件、評価シナリオ作成やモデル・パラメーターに係わる情報整備等の安全評価手法確立と信頼性向上、人エバリアの性能保証等の処分場設計要件に関する研究を盛り込み、高レベルだけでなくTRU廃業物も念頭に置いた研究としていく必要を挙げている。「クリアランス」の分野ではより信頼性の高い測定技術を開発していくことを要求。各分野の研究実施機関は、日本原子力研究所、核燃料サイクル開発機構など。

 一方、計画を進めるに当たっての留意事項として、@適切かつ柔軟な実施と必要に応じた改訂等A成果の国際的基準策定への積極的活用B海外の施設・サイトの有効活用Cリスクベースでの議論にも応じられるよう留意――を掲げている。

 計画案について、原子力安全委員からは、廃棄物処分の安全研究の特徴について「安全確保の確立された原子炉施設などと異なり、裕度を高めていくことと技術開発を並行して進めていくことだと指摘する声もあった。


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