[原子力産業新聞] 2000年4月13日 第2033号 <3面> |
[ロシア] 新たなエネ開発計画を審議原子力を大幅拡大へロシア原子力学会が3日付けで伝えたところによると、ロシア政府は今後20年間にわたり原子力の役割に重点を置くという新たなエネルギー開発計画の審議に取りかかった。 同計画の案文はまず、発電産業における天然ガス火力への依存を低減する必要性に焦点を当て、原子力省(MINATOM)が原子力発電の設備容量を2020年までの間に大幅に拡大するシナリオを「最小限」と「最大限」の二種類盛り込んでいる。現行の開発計画では、原子力の設備容量は現在の2,100万kWレベルから2010年までに2,760万〜2,920万kW程度に拡大するとしているが、新たな計画案では最小限の開発シナリオでも現行計画のレベルを越えるペースで開発することが見込まれている。すなわち、2010年までの設備容量は最低でも3,020万kW、2020年までには3,300万kWに拡大するというもの。最大限シナリオでは数値はそれぞれ3,320万kW、と4,840万kWが設定されている。 新計画案はまた、ロシアが使用済み燃料の管理サービスで世界市場に参入すべきであると強調。この分野における収益は現在の原子力関連物資およびサービスの輸出益とともに、将来の設備投資の主要な資金源になると指摘した。原子力省はここでは、輸出分を除いた現在の□シアの天然ウラン消費量を年間3,000トンと見積り、「地下資源や現在の在庫量、高濃縮ウランのストックを含めると今後80年〜90年の間は十分なウラン資源が確保されている」と指摘している。原子力省はさらに、核燃料サイクルを「原子力開発の主要な前提条件の一つ」と断言しており、この実現には高速炉の開発が不可欠であるとも言い添えている。 新計画案はこのほか、原子力省が既存のマヤク再処理工場を補完するためにクラスノヤルスクで計画していた新たな大型再処理工場の建設についても触れているが、明確な日程は提示していない。原子力省も新工場については、昨年、「今後少なくとも20年から25年の間は難しい」との見解を示していた。
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