[原子力産業新聞] 2000年4月13日 第2033号 <3面>

[スイス] 英向け輸送を停止

BNFLの姿勢に疑念

3月24日の報道で、スイス連邦原子力安全検査局(HSK)が英原子燃料会社(BNFL)の操業するセラフィールド再処理工場向けの使用済み燃料輸送を一時的に禁止すると発表したことが明らかになった。

HSKの声明によると、英国では原子力施設検査局(NII)がBNFLに設備の改善勧告リストを通知し、BNFL側は現在、これに対する行動計画を2か月かけて策定しているところだが、最近になって同再処理工場で新たな設備の故障が発見されたという。こうした事情からHSKとしては同再処理工場における安全文化の適切さに不安を抱いており、再処理工場に関する現状報告をNIIに要請するとともに、HSK自身が同工場に出向いて放射線防護対策や安全性についての見解をまとめるまでは、スイスの原子力発電会社が再処理のための使用済み燃料を同工場に輸送するのは許可できないとの認識を示したもの。

スイスでは昨年、フランスのラアーグ再処理工場への使用済み燃料輸送禁止が解除されたばかり。なお、HSKはベツナウ原子力発電所に装荷されているBNFL社製のMOX燃料については、「すべての安全基準を満たしていることが判明し満足している」との見解を繰り返した。


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