[原子力産業新聞] 2000年4月13日 第2033号 <3面>

[米国] エンタジー社、史上最高値で落札

2基で約10億ドル

米国のエンタジー社は3月29日、ニューヨーク州で稼働するインディアンポイント3号機(102万3,000kW、PWR)とジェームズAフィッツパトリック原子力発電所(82万9,000kW、BWR)の2基を米国の原子炉売買では最も高額の9億6,700万ドル(1,025億円)で落札した。

両炉を所有するニューヨーク電力公社(NYPA)の声明によると、落札価格の内訳は2基分の原子炉施設の価格が6億3,590万ドル(674億円)(頭金5,000万ドルのほか毎年8,370万ドルを7年支払い)、燃料代が1億7,080万ドル(181億円)(毎年2,440万ドルを7年支払い)、廃炉措置費として9,200万ドル(97億5,200万円)(1,150万ドル/年を8回払い)、フィッツパトリック発電所売買に係わる追加費用が6,800万ドル(72億円)(850万ドル/年を8回払い)となっている。

入札当初、エンタジー社は合計8億600万ドルを提示していたが、ドミニオン・リソーシズ社との競り合いにより、落札価格は米国の原子炉売買では過去最高の額に落ちつくことになった。このほかNYPAとエンタジー社が合意した事項は、フィッツパトリック炉の発電電力のうち最高50万kWまでを2.9セント/キロワット時でエンタジー社がNYPAに販売。両炉の現在の従業員は全員、エンタジー社が引き続いて雇用する−など。譲渡価格も含めたこれらの事項は今後、米国原子力規制委員会(NRC)その他の関連機関から承認を得ることが必要だ。


Copyright (C) 記事の無断転用を禁じます。
Copyright (C) 2000 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM,INC. All rights Reserved.